(3分で解説)
強制収容所から聞こえてきた
『アンナ・カレーニナ』で
不思議なことが起こった
女たちに肌の艶や目の輝きが
戻ってきたのだ
極限の中での生きようとする力
ロシア語の同時通訳者で小説家だった米原万理の著書、『オリガ・モリソヴナの反語法』にソ連時代のスターリン粛清における強制収容所の話しが出てくる。
それはその時期、外国人との接触をスパイ行為とみなされて、逮捕される人々が相次いだ。また、かなり乱暴な容疑でいろんな人たちが、逮捕され処刑された。夫が逮捕された家庭では、その妻や子供たちも逮捕され収容所へ送られた。
次々に送られてくるラーゲリ(強制収容所)で餓死する人、また極寒の地での重労働で命を落とす人々。そんな中でも、人間には何とか生きよう、生き延びようとする力が残されている。それはまぎれもなく、内に秘められた「精神性」だった。
生き地獄から抜け出せるなら死も甘美
強制収容所から聞こえてきた
アンナ・カレーニナ
1,712文字