蔦と檻

雁字搦めの蔦をほどいて
きみがわたしに会いにきた
少し前まで逆だったね
わたしがきみに会いに行ったね

でもこれからはもう行けない
わたしは檻に閉じこめられた
一生かかっても破れぬ檻に
だから代わりにきみがきた

動けないつらさをきみは知ってる
わたしのつらさとおんなじつらさ
でもきみはもう自由なんだよ
こんなつらさはわすれてくれよ

だけどきみは行かなかった
檻からこぼれるわたしの涙
きみのと混じって流れていった
どうしてきみが泣いてるの


だってあなたはいてくれた
雁字搦めの蔦のそば
雨の日だって晴れの日だって
昼間だって夜だって

もしもあなたがわたしに構わず
自由に飛んで行ったなら
あなたが捕まることなんて
きっとなかったはずなのに

だからわたしもここにいる
風が吹いても雪が降っても
あなたと一緒に笑いたい
あなたと一緒に歌いたい

だけどわたしの顔なんて
もうみたくないというのなら
わたしはどこかへ飛んでいく
そしてここには戻らない


今までずっとそばにいて
言葉もいっぱい交わしたね
だけどわたしはきみの気持ち
全然分かってなかったみたい

きみなしだったら耐えられない
生きていくのは想像できない
わたしの親友になって
ずっとそばにいてくれますか

何をあなたは言ってるの
あなたはわたしの親友よ
わたしが蔦に絡まってた時から
あなたが檻から出た後も

だからわたしに遠慮しないで
過去のしがらみは関係ない
ふたりで一緒に進みましょう
今と未来が大事なの


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