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「新内閣に望む(ver.1.0)」の各項目の説明Ⅱ-1「選択的夫婦別姓の導入と、政治における男女共同参画の実効的な取組み(クオータ制の法制化・パリテ法の制定等)」

複雑さかつ不安定さを増す今後の経済社会において、経済社会の活力を保つためには、「多様性、公平性、包摂性」を高め、イノベーションの創出や全ての人が安全・安心に働き・生活できる社会の仕組みづくりに取り組んでいくことが重要です。

(1)選択的夫婦別姓制度の導入

結婚後に夫婦のいずれかの姓を選ぶ現在の戸籍制度では、どちらかが姓を変えることで、その人が積み上げてきた実績やアイデンティティが失われるといった懸念やこれまで受け継がれてきた姓(家名)が断絶するといった事態も生じています。結婚を諦めるひとが出て少子化が加速したり、家族として支え合う仕組みから外れてしまうとしたら、その人の人生の選択肢を奪っているだけではなく、社会的にも大きな損失です。

現在、職場等での旧姓の通称使用やマイナンバーカードや住民票での旧姓併記の制度対応が広がっていますが、旧姓の通称利用については職場や本人等の負担も多く、旧姓併記への対応についても同様の問題が生じています。また、マネーロンダリング防止やテロ資金供与防止の観点からは、多くの金融機関では旧姓による口座開設は受け付けられません。一方で本人が手続をしなければ旧姓で開設した口座が残置されるという課題もあります。

家族の絆は重要ですが、同じ姓を名乗ることだけで保障されるものではありません。夫婦がどちらかの姓を選ぶか、それぞれの姓を選ぶかにかかわらず、お互いの考え方や生き方を尊重しながら、人生の各ステージで話し合い支え合うことが必要です。さらに、そうした個人の選択を保障し、地域や国全体でこれを支えていくことが、安全・安心な社会の構築にもつながると考えます。

(2)政治における男女共同参画の実効的な取組み(クオータ制の法制化・パリテ法の制定等)

政府は、「すべての人が希望に応じて活躍できる社会の実現」を目指し、企業に対しては、「プライム市場上場企業の女性役員比率を2030年までに30%以上、2025年までに19%にする」「2025年までに女性役員ゼロ企業を0%にする」との目標を掲げ、取り組みが進んでいない企業への支援を強化する方針を示しています。

女性の活躍促進 | 内閣府男女共同参画局

また、国民の代表である国会議員については、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」(平成30年5月23日)が制定され、各政党でも取り組みが進んでいるところです。ただし、2024年10月27日に実施された衆議院議員総選挙においても、女性議員は73人で全体の15.7%にとどまっています。

政党における取り組み等|内閣府男女共同参画局

総務省|令和6年10月27日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報資料

国民の代表である政治の世界で実効的な男女共同参画を担保していくためには、各政党の自発的な取り組みを更に一歩進めるべく、海外の事例も参考にしつつ、クオータ制の法制化による議席の男女配分の調整や、パリテ法の制定により政党交付金を候補者の男女比に応じて調整することも検討すべきと考えます。