見出し画像

「新内閣に望む(ver.1.0)」の各項目のご説明Ⅰ-3「被災地で使えるプライバシー重視の仮設パーテーションの備蓄」

<近年、自然災害は頻発化・激甚化しており、毎年のように全国各地で大規模な災害が発生しています。また、今後は南海トラフ等の大規模災害も予想されており、更なる避難所の数の確保と質の向上が必要です。特に、近年では新型コロナウイルス感染症対策のため、地方公共団体において避難所の環境整備が進められてきましたが、これを一過性のものに終わらせず、更なる質の向上につなげていく必要があります。>
(「避難所における生活環境の確保に向けた取組事例集令和6年3月 内閣府(防災担当)」「第1章 はじめに」より)

 被災者にとって、プライバシーを確保できる環境は単なる快適さの問題にとどまりません。
 特に女性や高齢者、障害者など、デリケートなケアを必要とする人々にとって、プライバシーがない環境は大きなストレスとなります。プライバシーが保たれない避難所では、体調不良やストレスの増加が指摘されており、長期的な健康問題につながる可能性もあります。
 また、体育館などの広い空間において多くの被災者が滞在する場合には、感染症対策の観点からも、パーテーションやテントを用いることが望ましいとされています。

 しかし、内閣府が、全国の都道府県及び市町村を対象に、2023年9月~11月に実施した「避難所における生活環境の向上に向けた取組に関する調査」では、「寝床及びプライバシーの確保に関する計画・マニュアル等を策定しているか」との問いに対し、「策定している」と回答したのは、都道府県で74.5%、市町村で51.2%。「策定している」と回答した場合において、「間仕切りの確保」を選択したのは、都道府県で68.6%(24;n=34)、市町村で82.0%(551;n=672)にとどまっています。

 災害時に、被災者の心身の健康を守り、より質の高い避難環境を提供するために、被災地で使えるプライバシー重視の仮設パーテーションの備蓄について、今後一層、国・地方が連携して、取組みを進めるべきと考えます。

【参考資料】
「避難所における生活環境の確保に向けた取組事例集」
(2024年3月 内閣府(防災担当))
r6_seikatsukankyou_jirei.pdf (bousai.go.jp)

「新型コロナウイルス感染症を踏まえた災害対応のポイント(第1版)について」 (2020年6月16日  内閣府(防災担当)) https://www.bousai.go.jp/pdf/covid19_tsuuchi.pdf

被災者のプライバシーを守るために 避難所専用テント「ファミリールーム」に開発者が込めた思い(2019年10月24日 Jタウンネット編集部)
https://j-town.net/2019/10/24296448.html