リーフスプリングマウント採用キーボードの打鍵感調整についての雑な考察
はじめに
ガスケットやリーフスプリングは打鍵時の反発をソフトにする一方、底付き感が希薄になる。底付き感が希薄なキーボードはタイピング時にリズムが取りにくい。
一部リーフスプリングマウント採用のキーボードで打鍵感の変更のためにバネレート調整機構がついたキーボードが販売されている。バネレートを変更することの問題点を提起しつつ、新たな調整方法について検討したい。
適度に底付き感があるが、強打時の反発は小さいキーボードを目指す。
前提
100gfを標準的な打鍵時の底付き加重とする。
打鍵した際の底付き時の変位量を底付き感とする。
(変位が少ない⇒底付き感がハード、変位が多い⇒底付き感がソフト)
A:3種のバネレート設定で打鍵感を調整
B:3種のプリロード設定で打鍵感を調整 - GRIN One
AとBで中程度の設定を基準にハード設定とソフト設定の標準的な打鍵時の底付き感の差が同じになるようにバネレートとプリロードを仮定。
考察
Bと比べてAではバネレートが変わるためキーボードの柔軟性(グラフの傾き)が大きく変わる。
Aはソフトよりの設定で強打時に変位量が大きく打鍵感を損なう可能性があり、ハードよりの設定では強打時の反発が大きい。
Aと比べてBでは打鍵強さによる底付き感の差の変化が小さい。
プリロードの変更で、キーボードの柔軟性に大きな影響を与えないで底付き感に差を付けられる可能性がある。
Aと比べてBはプリロード以下の打鍵時に柔軟性が無いためより硬く感じる可能性が高い。
またリーフスプリングのみで柔軟性を調整すると周辺部のキーに比べ中央部が硬くなる。全体を均一にするためにはプレートや基板の柔軟性も合わせて硬さを調整する必要がある。
その際もリーフスプリングのバネレートが大きく変わらないことはバランスを崩さないという意味で重要。
課題としてプリロードを変えてもキーキャップの高さが変わらないような設計にする必要がある。また衝撃の減衰方法について引き続き検討したい。