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スマートウォッチ競走、マリオとタグホイヤーとアイコンとしてのキャラクター

スマートウォッチのシェアは圧倒的にApple Watchが握っているらしい。2016年頃からフィットネスとテックの市場創出が始まったけれど、現状はAppleの一人勝ちの状況だという。

相当な勢いのあったアンダーアーマーのフィットネスアプリとウェアラブルデバイスの事業は失敗と言っていいように思う。これは自社ブランドとターゲットにおけるポジショニングの失敗だろうか。

サムソン、Googleは、この領域で苦労しているという。FitBit買収もそうした焦りを表明しているのだろうか。

ただ、スマートウォッチの成功はAppleのUX戦略によるものと思う。


Wiredでタグ・ホイヤーとスーパーマリオ™のコラボの記事を見た。

スマートウォッチにも高級時計を需要するターゲット層があるということでシリーズ化されているコネクテッドウォッチ、高級時計メーカーが提示するこうしたデバイスの値段は、だいたい20万円くらい。

そして寿命は2,3年くらいのものと想像する。バッテリー交換すれば継続して使えるけど、CPUやメモリが新しいサービスに追い付いてこず、製品寿命としては、まだまだいけるけれども、使用寿命としては尽きてしまう。これは1990年代にパソコンが普及しはじめてから指摘されていた。PC関連商品(デジタルガジェット)は、家電というよりも生鮮食品のような鮮度があるということ。最近は白物家電も年度シーズンの展開をしているように見えた。それがメーカーの統廃合に繋がっているのではないだろうか。

CompaqショックとしてPC互換機の市場を作ったメーカーは既に無く、IBMもPC事業はLenovoに売却してしまった。ソニーのVAIOも別会社になったし、そうした意味では変わらずにPCメーカーとして存続しているのは90年代の危機を乗り越えたAppleなのかもしれない。

スーパーマリオとコラボしたタグ・ホイヤーは即完売したらしい。LVMHグループのタグ・ホイヤー、そのCEOのフレデリック・アルノーはゲームファンであり、任天堂にラブコールを送った。そして異色のコラボと言われる商品が実現した。

タグ・ホイヤーの最高経営責任者(CEO)であるフレデリック・アルノーが熱烈なゲーマーであることが少なからず影響し、同社はスマートウォッチ「コネクテッド」をスーパーマリオの限定版スマートウォッチに仕立て上げたのだ(日本では7月15日発売で25万3,000円)。時計のユーザーインターフェイスのさまざまな部分に、このイタリア人配管工がアニメで動く姿が組み込まれている。

記事によれば、フレデリック・アルノーはコネクテッドを統括していたという。デルフィーヌ・アルノーは、ルイ・ヴィトンの製品統括をしている。

ルイ・ヴィトンもゲーミングを行っている。こうしたコラボの横展開はファミリーで会話されているのかと想像してみたり。


ゲーム愛好者の年齢は35歳以上であり、新興の富裕層もこのあたりの年齢層である。こうした人達が購入する高級品、ゲームとのコラボは自然なことだったのかもしれない。

20代半ばのフレデリック・アルノーの言葉、

「マリオのファンなんです。兄弟で『マリオカート』をプレイしたかって? もちろん遊びましたよ。コネクテッドは人の行動や生活に影響を与えるような製品です。そうした製品のフィットネス体験には、ゲームの要素をある程度は取り入れることが重要だと考えたのです。そうしたゲームの要素を自社で構築するのではなく、パートナーを探すほうが理にかなっていました」

コネクテッドの本質、フィットネスにゲーミングを注入する。フィットネスの達成感とゲームをクリアした時の達成感の相乗効果、そうした体験を重ねていく製品を作ったということだろう。

従来のタグ・ホイヤーの顧客のことを考えると、マリオとのコラボはやりすぎではないか──。そんな意見に対してアルノーは、自信を見せる。
「もちろん賭けではありました。しかし、この製品でわたしたちが訴えようとしていることに、とてもマッチしているのも事実です。コネクテッドはデジタル製品であり、わたしたちはデジタル世界のアイコンとタッグを組んだのです」

デジタルの世界のアイコン、そうした依代を獲得したのだろう。コネクテッド以外でもコラボを考えているという。





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Tsutomu Saito
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