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Usuyuki ジャスパー・ジョーンズ
年末、残っている仕事もわずかであり、既にクリスマス休暇に入っている同僚が多くて、オフィスは閑散としている。僕は中間報告を提出して、1年目最後のスクーリングに向けてぼんやりと過ごしていた。
ファーガス・マカフリー東京でジャスパー・ジョーンズの展覧会を開催している。期間を確認したら、終了タイミングギリギリだった。(なんだかこういうの多い)
ギャラリーは無人だった。
じっくりと作品鑑賞をする。
作品説明を渡されたが、金額はなかった。
Usuyuki
日本に滞在していたときに出会った言葉、薄く雪がはっている様子。その言葉の意味からの天候への応答。形と色。幾何学模様のようなイメージの連続。Usuyukiと書かれた作品があり、その色使いと画面からの迫力が圧巻だった。はかなさ、天候のうつろい、それを表現した薄雪。
連続したモチーフが、雪の結晶のようにキラキラと輝いて見えた。
予定まで時間があったので表参道から渋谷まで歩く。通り道に、アーティストが在廊しているギャラリーがあった。立ち寄ってみたものの、僕にはアートに見えなかった。理由を言語化できれば苦労はないのだけど…。この境界を認識するというのが、今の課題の気がする。
渋谷に到着。目的は東急プラザ渋谷に展示されている伊藤彩の作品を見ること。
2019年の夏にクラウドファンディングに参加したこともあり、注目していた。
クラウドファンディングの目的は作品集を出すこと。目標金額をはるかに上回る金額が集まった。ひとまずのファイナンスは成功したということだ。
特徴的な色使い、輪郭線があるようでぼやかされているような不思議なタッチ。QRコードを読み込んで、テキストを見ることもできる。
この後は下北沢に移動する。人生2回目の下北沢はイベント参加のためだった。それほど馴染みのある町じゃないけれど、駅の開発によるジェントリフィケーションが進んでいる。
移動を利用してジャスパー・ジョーンズと伊藤彩を見られたのはとても良かった。
この晩、ジャスパー・ジョーンズのUsuyukiの夢を見た。夢の中で絵を鑑賞しているのだけど、その絵がネオンのように光ったり、モノクロのグラデーションの光を発したりしていた。一面の銀世界が見えた。とても心地いい夢だった。
作品を見て夢を見たのは、神戸のグレゴール・シュナイダーとゲルハルト・リヒター。
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