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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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2022年8月の記事一覧

人工自然

WIREDの記事、スペキュラティブ・デザインの川崎和也氏によるテキスト 彼が主宰するワークショップに参加したことがあり、WWFFの機械と衣服を聴講したことがある。 この後も書籍出版のトークイベントなどに通った。そろそろ、リアルイベントも頻繁に行われるようになるだろうか。 ジェームズ・グレアム・バラードの短編集の参照から記事が始まる。着る人の感情によって自律的に形状を変化させる衣服、従来の生地で作られた衣服は顧みられない。 わたしたちがいま着ているようなコットンやポリエ

多様性とアイデンティティと対話(ダイアローグ)

僕はヨーロッパ資本の会社に勤務している。日本で論じられる、感じるよりも早くダイバーシティ&インクルージョン(D&I)のトレーニングが始まったと思う。確か2000年代半ばあたりに年に一回くらいの必須のトレーニングがあった。一番印象に残っているのは、インド系の留学生から就職も留学先の国で採用された従業員が、英語の発音によって教育を受けていないというレッテル貼りをされてしまった。そのために孤立してしまったという。実際として彼女は博士号を持っており、教育もヨーロッパで受けていた。あい

写真とテキストあるいは絵画

名古屋駅から徒歩7分程度のところに鮮魚を扱う市場がある。それほど広くないけれど、台車に魚を積んで運ぶ様子はとても活気がある。卸が主体ではあるけれど、食堂もあるし、お昼近くの閉店時間になると小売りもしてくれるのではないかなと思う。ただ、旅先で生魚を買うわけにはいかないので、試したことはないけれど。 そんな魚市場のすぐ近くにFlowがある。現代アート写真をメインに取り扱うギャラリーであり、開廊して1年程になる。そこで石本陽の個展を行った。石本は一貫して音と視覚との関係性を探求し