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現代アート研究

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現代アートを学び始めた外資系IT企業のプリセールス。 難解な現代アートを探求する学びの記録。
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2020年8月の記事一覧

飯山由貴『生きている百の物語』展 @ WAITINGROOM 鑑賞メモ

江戸川橋のギャラリー、WAITINGROOM で開催されていた『生きている百の物語』の展覧会を見てきた。横浜トリエンナーレの連動企画として展示されており、瀬戸内芸術祭で展示されていた映像インスタレーションを再構成したということ。入り口のガラス戸は遮光用に黒いシートが貼られ、いつもとは違った雰囲気のギャラリーだった。 入り口を入って右手側の壁は映像作品を投影するスクリーンになっている。プロジェクターは2台配置されており、壁に投影しているプロジェクターからそっぽを向くように、も

アイデンティティ、キャラクターとペルソナあるいはアバター

アイデンティティ。自分を表すもの、他人との識別。企業にとってはブランドだろうか。 本業のラップトップにログインする際に、"Verify your identity"という表記を見て、まじまじと考え込んでしまった。この場合、ユーザーIDとパスワードを入力するけど(そもそもユーザーIDのIDってIdentityだな)、今までは軽く通り過ごしていた。最近はユーザーIDという言い方の方が一般的になってきたけど、昔は(今でも)アカウントとかアカウントIDとか呼んでいた。アカウントとは

『Input/Output』展 @ GINZA ATRIUM 鑑賞メモ

横浜トリエンナーレを観に行くかどうしようか迷い中。暑いし、来月、もう少し涼しくなってからでもいいだろうか。それよりは、手軽に来られる銀在に出かけよう。ギンザ・シックス。何度か来ているけれど、この館の印象はそれほど強くない。上層階のオフィス階にも、何度か出かけたことがある。それでも、それほど印象に残っていないのはなんでだろうか。 初めて訪問する銀座蔦屋、なるほど、リアル店舗のここに来る魅力をこれでもかと体現させている。リモート生活が長くなると、こうしたスペースへのあこがれとい

『Singer l'homme pour mieux le démasquer Le projet écologique de Pierre Huyghe』読書メモ

ピエール・ユイグのヒューマンマスクについて書かれたテキスト。フランス語は難儀したけれど、英語で書かれたテキストとは違った視点があった。 CIEREC - Université Jean Monnet Saint EtienneのDocteur Vincent LECOMTEによるテキスト。 ピエール・ユイグの2013年から2014年にポンピドゥーセンターで開催された回顧展では、スケーター、鷲頭の警備員がセレモニーを務めた。展示されている作品は、虫や甲殻類などであり、観客の