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2019年4月に入学した社会人向け大学院、現代アートの研究に飛び込んだ。無事にM1を終えて、修士論文着手の許可がでた。美術教育を受けてきたわけではないので、知らないことだらけの1年目、戸惑うことや、こんなはずではなかった、なんてことがいろいろとあった。自分の学びが修士課程の研究というよりも学部レベルであることに、嫌気がさしたこともあった。 なぜ大学院に進学しようと思ったのか、入学時に整理したことが出てきたので、ここでも振り返りをしておこうと思う。 本業のために、毎年、スキ
2020年2月、東京都美術館で開催していた京都造形芸術大学の展覧会、フィールドワーク。現代アートを教科書として捉えての展示。 森美館長の片岡真美をキュレーターとして迎えた学生作品の展覧会。卒業展ではない。学部3年生も作品を展示している。 ポスターにも掲載されている作品。大漁旗を細く裂いて編み込み、帽子のような形を作っている。先に展示室に入っていた人が、下をのぞき込んでいた。吊られているのか確認していたものと思う。僕もつられて、下をのぞき込んでしまった。 大漁旗そのものに
物事には好き嫌いがあると思う。アートに限らず、音楽、映画、食べ物、漫画、なにごとにおいても。 なぜ、好き嫌いがあるのか。 僕は好きという点について執着が薄い。様々なことについて、何が好きか?という質問が苦手である。自分の中で好きの優劣順序をつけることができない。一部の感情が欠落しているのか、無頓着なのか。理由はよく分からない。 相手の納得する答えを予め用意しておけばいいのかもしれない。食べ物だったらラーメン、アートだったら印象派、野球だったら巨人ファンとか、そんな感じに
平野篤司 『ゲーテからベンヤミンへ ドイツ文学における主題と変奏』 四月社、2014。 なぜ、この本を手に取ったのか覚えていない。ただ、ベンヤミンは押さえておかないといけないと考えていた。著者は成城大学の教授、この本の他にもドイツ文学の本がある。成城大学のホームページからは、論文にアクセスすることもできる。 批評というキーワードでベンヤミンが出てくる。批評とは何かを勉強していたときに、行き当たったものと思う。 詩 造形 美しさ 文学を語る上で、出現するトピック。僕
佐賀大学の卒業制作展、2016年に設立されたミクストメディア。今年が一期生の卒業、初めての卒業制作展というわけだ。 石本陽の《見える音》がよかった。 大きめの部屋、天井も高く、日差しも入る。通り抜けができる部屋で風が抜ける。そこに広げられたロール紙、ひたすら筆記する女性がヘッドフォンをつけて座っている。女性が見ているのは3つのモニタ、そこに映し出されているのは波形。傍にマイクが設置されており、この会場の音をアナログからデジタルへ変換をして、波形としてモニタに表示しているこ
副業で佐賀にでかける用事があり、よい機会なので北九州地域の美術館を巡ってみることにした。日程的に北九州市立美術館のコレクション展にあたる。バスキアの《消防士》を見ることができる。後は佐賀県立美術館と博物館、福岡アジア美術館を訪問してみようと思っていた。 フランク・ステラの《八幡ワークス》市民が集めたステンレス缶を使い、製鉄所の全面協力のもとで作られた。コレクション展には、この作品を制作する様子を収めた写真も展示されていた。 企画展は素敵なふたり 高橋秀と藤田桜夫妻の作品
岐阜県美術館で、円空大賞展が開催されており、訪問してみた。 円空とは美濃の国出身、全国を巡り、数万体の仏像を残したという。その仏像はノミで掘られ、荒々しくも慈しみのある姿。 岐阜県出身の友人は、円空仏と呼んでいた。 羽田澄子の映像作品《薄墨の桜》。とある地方の集落の映像。そこにある桜。それだけで荘厳な印象を受ける。アーティストが編集しているが、日常が特別な感じが映像からも伝わってくる。 岐阜県根尾川の上流にある不思議な桜の物語。 安藤榮作のドローイングと彫刻の作品。
イギリスのコート―ルド美術館、そのコレクションが国外に出ることは基本的に無いらしい。 印象派を今一度、しっかり見ておこうと考えた。マネの《フォリー=ベルジェールのバー》が見られたのがとてもよかった。この作品を見ることも目的のひとつ。ゴドフリーの『コンセプチュアルアート』によれば、最初のコンセプチュアルな作品であるという。 この展覧会は初期から後期に到るまで作品を網羅しており、最適なのではないかと考えた次第。そして結論から言えば、幅と奥行き、とても素晴らしいコレクションだっ