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ポラリス保健室だより 10月-元気について考えよう-

気がつくと10月も半分すぎてしまいました。
保健室だよりも遅くなってしまいました。
今月は先月に引き続き、メンタルヘルスの話題にしようと思います。
10月10日は世界メンタルヘルスデーでした。
今年のテーマは「今こそ職場でメンタルヘルスを優先しよう」
これだけ自然環境も社会環境も変化が大きいと、心も身体も健康を保つのは至難の業だと思います。
先月の保健室だよりの最後で”あなたの元気に役立つことは何ですか?”と書かせていただきました。
今月はこれを深堀りして「元気」について考えてみようと思います。

実は、10月前半はかなりいろんなことに追われて仕事をしていました。
目の前のことを”こなす”という仕事のしかたになってしまい、「忙しい」
まさに心を亡くす状態でした。
季節的に寒暖差も激しいですし、正直なところコンディションはよくなくて自分自身のメンテナンスを優先させることにしました。(保健室だよりが遅くなった言い訳です!)おかげさまで”元気”になりつつあります。

日本語には”気”が使われる言葉がたくさんあります。
「元気」もそうですが「勇気」「やる気」「本気」「短気」「気分」
「気持ち」「根気」「平気」「気をつかう」「気がきく」「気前がよい」「気が合う」「気長」などなど・・・
辞書で意味をひくと、①生命・意識・心などの状態や働き ②天地に生じる自然現象(天気など)③あたりに漂う雰囲気。心に感じる周囲のようす
④ある物がもっている特有の香りや風味 ⑤昔、中国で1年を24分した1つの15日間。さらに3分した1つを候といい、気は3候からなる*1
とありました。
最近、中医学、薬膳、東洋医学、漢方などというキーワードで健康についての考え方を勉強しているのですが、その中でも「気」という概念があります。

日本は昔から八百万の神というか自然神というか、自然現象含め畏れ敬うという風習があります。秋のこの時期、実りをもたらして下さった御礼に多くの氏神神社でお祭りがありますよね。
お正月は神社にお参りに行きますし、厄なんかも気にしたりします。
少し前になりますが、6月の晦日(6月30日)に夏越の大祓(なごえのおおはらえ)に行ってきました。12月31日(大晦日)には1年間を無事に過ごせたことを感謝し、汚れを祓い、新年を迎えるため多くの方がお参りに行かれると思います。1年の半分、半年の終わりにも全国の神社では、半年を無事に過ごせたことを感謝し、残りの半年も清らかな気持ちで過ごせるよう汚れを祓う「夏越の大祓」という神事が行われます。
そこで宮司さんが「汚れ(けがれ)」は「気枯れ(けがれ)」に通じていますとおっしゃっていました。
毎日、みなさんそれぞれいろいろなことがあり、それを乗り越え、日々生きてきました。「気枯れ」を祓って、「元の気」に戻していく。これこそが「元気」なのだと、すごく心に残った言葉です。

「元気」というとすごくエネルギッシュでプラスのコンディションのイメージをもたれる方も多いと思いますが、「元の気」なわけですから、プラスやマイナスでいったら、プラマイゼロ、ニュートラルな状態なのではないでしょうか?
「いつもの自分」「ニュートラルな状態の自分」
自分のコンディションをはかる基準値のような状態を「元気」と考えるとどうでしょう?
あなたの元気はどんな状態ですか?
いつもの自分、ニュートラルな状態の自分とは?

改めて「いつもの自分」「ニュートラルな状態の自分」とはどんな自分なのかを考えてみて下さい。
日々めまぐるしいときの流れの中で、なかなか自分を客観的に観察することは難しいかも知れません。それでも、ほんの少し立ち止まってじっくり考えてみてください。
自分のことは自分が一番よく知っている、自分の専門家は自分自身です。
自分の基準の状態を知っておくことは、健康状態を保つこと(元気でいること)、健康状態を改善させること(元気になること)に不可欠です。

そうはいっても、なかなか自分を客観的に考えられないときは、周りにいる人たちと対話をしてみてください。
いろいろな人とブレーンストーミングをしていく中で、「自分も同じだな」とか「自分はこうかな」と気づくことができます。
人間のストレスの元は人との関わりの中にありますが、それを解決していく元もまた、人との関わりの中にあります。

毎日を自分らしく元気に過ごすために、自分の「元気」について改めて考えてみて下さい。

*1 デジタル大辞泉より


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