しっくり
寝落ちから目覚めた金曜日の夜は強気です。
とはいっても、
さっき寝落ちている間にミーティングをひとつすっぽかしかけ、
大変ご迷惑をおかけしました、、反省です。
ただ一旦起きると目が冴えちゃうんですねぇ。
久々にゆっくりしっぽり書きますよう。
さてさて今日は人生を数cm動かすような、自分にとってはかなり衝撃の1日でした。
初めて小児医療にしっくりきた日。
正確にいうと、小児医療の一部にしっくりきた日。
今ローテーションしている心臓外科、
たまたま本院でオペがない日だったので、今日は外部病院でオペ見学させて頂きました。
場所は某小児病院で
家から2時間。。
始発で出ないといけない。。。。
めちゃめちゃ気が重く腰も重く1日をスタートさせたわけですが、
1日の終わりにはもうこれ以上ないくらい幸せな気分になって、もうすでに日付を超えていますね、あは。
症例はTGA(完全大血管転位症)というものでした。
心臓から出る2本の血管、肺動脈と大動脈が入れ替わってしまっていて、
右心室から大動脈、左心室から肺動脈が出ているという。
「全身→心臓→肺→心臓→全身」と進むはずの血液が、
「全身→心臓→全身」と「心臓→肺→心臓」という2つの回路をぐるぐるしてしまいます。
心室中隔欠損などによってどこかでこの二つの回路の血が混じらないと、酸素を多く含む血液を全身に送れなくなり、命をつなげません。
TGAにはⅠ・Ⅱ・Ⅲ型があって、今回はⅠ型という心室中隔欠損がないタイプ、つまり二つの回路の血が混ざる所がなく、最も予後が悪いタイプでした。
それに対するJatene手術(大動脈スイッチ手術)を見学しました。
入れ替わっている肺動脈と大動脈を、正しい位置に入れ替え直すのです。
生後数日の赤ちゃんが手術台に乗せられ、
何をされるのかもきっとわからないまま麻酔をかけられ寝ていました。
そのままでは生を終えてしまう1人のひとが、
当分生を繋ぐ可能性を得たひとに変わる瞬間を見ました。
手順ひとつひとつはとても緻密で、美しくて、素早くて、まさに芸術でした。自分もやりたいと思いました。
たまたま生まれ持ったものが自分の命を蝕むとき、それを阻止できるとしたらそれは医療だと。
自分のした仕事で、小さい命をこの世に繋ぎとめることができるかもしれないなんて素敵だなぁと。
医師になりたい理由を逆行性に模索し続けてきたけれど、
今日はその答えを見つけるヒントをもらえた気がします。
これまで、小児科の患者さんに出会うとどうしても辛くなってしまうはんぺんでした。
まだこんなに小さいのにたくさん管をつなげられて、とか
何も悪いことしてないのにじっと耐えているんだな、とか
単純にただその患者さんの辛さを直視するのが怖い。
「辛さを共有することはできないけれど、寄り添うことはできる」
そうわかっていても、どうしてもその霞がかった部分に足を踏み入れて手に職つける勇気がありません。
ただ、医療を使って、できるだけ命を太くしたり長くしたりできることもある。そこの部分なら自分でもできるかもしれないと思いました。
ただのエゴかもしれません。
でも自分がちゃんと納得して仕事にできるのはたぶんそこの部分だと思います。向いてるか向いてないかの話は置いておいて、そこがはんぺんにとってのしっくりポイントだと思いました。
いろんな医者がいていいと勝手に思ってます。
周りには内科、小児科、精神科、外科志望のひと、、いろいろいます。
それぞれの興味がある部分、得意な部分を持ち寄って医療を成り立たせればいいんだと、
幅広い医療の中で「自分は興味が持てない or 苦手としている部分だけれど、他にやってくれる人がいないと成り立たない」部分をお互いに補い合えばいいんだと、
志望科を考えるときはそう思っています。
だからどの科がえらいとか、すごいとかそんなことは全く何もなく、
自分はどの部分なら担えるかを考えたらいいのかなと、勝手に解釈しているはんぺんです。
きっと上で述べた「霞がかった部分」が得意な人もいるはず。
ただの一医学生の意見ですけども。
とにかく、将来こんなことがしたい、が増えた1日でした。
ただその道を進むにはまだかなりたくさんの壁があり、
女性であることも少し障壁になってしまうかもしれないので
またじっくりコトコト検討しないとですねぇ。。
はんぺんなりにまた煮込んでいきたいと思います。
ではではそろそろたたみます。おやすみなさい〜