まだまだ誤解が多い「星空保護区」や「光害対策」
最近、星空保護区を目指す自治体が増え、ネットニュースにも多々取り上げられています。
その中で、光害対策や星空保護区について正しくないと思われる記事があったので、ズバリ!、ダークスカイ・ジャパンさんに聞いてみました。
まずは、こちらのネット記事(2023年09月29日:アスキー)
この記事の後半に、
「『明るくしないといけない場所を暗くしないといけない』
という、ある種矛盾をはらんだニーズ」
という表現がありました。
これについては、ダークスカイ東京支部長の越智先生※が
X(旧Twitter)上でこのようにコメントしていました。
・・・とのことで、やはり、世間には光害対策に関してまだまだ誤解があります。
※越智先生:東洋大学准教授。光害に関する研究を行う。ダークスカイ・ジャパン代表。
また、2023年10月26日に出たネットニュースで、
この記事の中に、
「『星空を守るには、照明を暗くしなければならない。しかし、照明には夜間における市民の安全や犯罪防止を図る目的もある。このギャップに苦しんだ。施設の運営者や管理者と密なコミュニケーションを取りながら説明をして、生活空間の明るさを保ちながら、見回りなどのソフト面で子どもたちの安全性を担保する努力をお願いした』と下川教授は言う。」
とありました。
※下川教授:福井工業大学
この表現だと、ダークスカイに登録しようとすると、見回りが必要なくらい暗くなり、安全性が損なわれるように読み取れてしまいます。
ライターさんの知識のなさが影響してるんだろうなと思いつつ、ちょっとこれはと思ったので、ダークスカイ東京支部の理事、上野さんに聞いてみました。
※上野さんは、実際に星空保護区に申請するぞ!となったときに、アリゾナ州にあるダークスカイ本部と書類のやり取りなどをしてくださる方です。
これに対し上野さんからの回答は
「越智さんも以前指摘されていましたが、記事の中にはまだ誤解が残っているものが散見されます。ご指摘の記事も少し誤解(記者の方、地域の方も)があるようです。まず、照明と防犯効果に相関性が無いことは多くの研究で示されています。これが一番理解されにくいところではありますが。
また、危険性のある場所(段差、溝、スロープなど)は逆に照明を設置するようダークスカイ本部から指導されることがあります。」
とのことでした。
記者さんの誤解が、誤った記事になっていることが多いように思いますが、地元の方も、十分に理解しているかといえば、そうでもなのかもしれません。
光害対策に関して、多くの人が正しい認識を持てるように活動していきたいと思います。
公民館講座で、毎回「光害対策の必要性」について、お話していますが、誤解を与えないように、工夫してゆかなければいけませんね。
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