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愚者の旅 Episode 18


僕は月のいない夜にいた
月のいない夜は、夜の本当の暗さを教えてくれる

不安を掻き立てる暗闇に、僕は月の偉大さを知る
月のいない空に、僕は星の優しさを知る

見えない世界の中で、僕はそっと
世界に耳を傾ける

草木が揺れて奏でる音
頬にあたる涼やかな風
透き通った夜の香り

無自覚だった感覚が、僕の元に帰ってくる

見えないけれど、確かにある
そんなものが、世界にはたくさんあるのだと
だからこそ美しいのだと
僕の全てが教えてくれる

大丈夫、あと少し
夜が明けるまで、あと少し


18月
幻想/曖昧/潜在意識/内面/霊性/不安/夢

水面に揺れる月は、本当に偽物なんだろうか


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