愚者の旅　Episode 13

死神

僕は鍵を持っていた
けれど、扉は見つからない

だからまだ歩み出せずにいた
また間違えたらどうしよう
答えはこれでよかったんだろうか

そう思ったら足がすくんで動けない

さあさあ、みなさん
おいでなさい
死神様のお通りだ
絶望したなら私のところへ
楽になれる、本当さ

死神が歌う
楽しく歌う

嫌だ、来ないで
死にたくない
僕は必死に逃げ惑う

君は何にしがみついているんだい？
さあ、手を放して
恐れないで
私は陽気な神様さ

カラカラ笑う死神が
逃げる僕を捕まえた

そうしてぎゅっと抱きしめられたら
目の前が真っ暗になった

何もなくなって
どうしようもなくなって

無重力の宇宙の中に
放り出された気になった

ただ、暗闇を彷徨って、流されて
僕はたくさん後悔した

こんなことになるのなら
どうせ終わってしまうなら
次の扉を探せばよかった

見つかるまで探せばよかった

悔しくて暗闇が歪む

そんな僕の涙の向こうに
一つの扉が現れた

鍵をあけて
ゆっくり扉を開けば
暗闇が光に包まれる

眩しい光の向こう側で
死神がニヤリと笑った

言っただろう？
楽になれるって

だって私は
君らが生まれ変わるためにいるんだから

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13 死神
再生/リセット/決着/解放/終局/起死回生/官能

死んだらそれで終わりなのか
死んでみないとわからない

全部やってみないとわからない