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リタイアしそうな選手のチャレンジを応援する条件

トレイルランニングのレース中にリタイアしようとしている選手に無条件に励ますことはしません。救護担当にて安全を管理する責任があるから。

「ここまで来たのにもったいない、きっと完走出来る」「いつか回復するから歩いてでも進めばよい」そんな神話を信じるような励ましを応援の方はしていることが多いです。確かに気持ちが折れてリタイアすることが多く、100マイルレースのように長くなるすごく元気に走り切れることの方が少ない。フィジカルとメンタルの波をどのようにコントロールするか?大事なテーマだと思っています。

救護担当としては安全かどうか?完走はともかく、次のエスケープポイントまで無事に進めるのか検討したい。検討材料として客観的な情報と基準で判断したいが残念ながら、そんなものは存在しない。ゲームみたいにHP何ポイントとか見えるといいのですが。

基本的に保守派であるワタシの場合は迷うならば辞めたらどうですか?という立ち位置なので安全第一リタイア対応が多くなります。迷うのは準備不足であったということ。その場で気持ちを誤魔化すように励ましても大きなリスクを取るだけです。無論救護担当として出来ることは最大限提案してからの選択である。

大きな大会救護は救護を含めた大会運営システムが大事で医療者など専門家を含めた運営体制が大事。もちろんその通りですが一番の瀬戸際でリスクを回避するのは選手です。その瀬戸際で相談するのが救護所です。
救護体制をいくら整えても事故は減らないと言えます。だからこそ白くま隊ではファーストエイドではなくセルフレスキューとして事故や体調不良の予防を含めて講習会を展開しています。




迷っている選手とコミュニケーション取って行くうえで一番大事にしていること。セーフティマネージメントでも一番大事だと思っていることは『リスクに対する認識の共有化』である。



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