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40代フリーランス。私の仕事が減っている9の理由(#2:時代は変わる)

前編に続き、フリーランスでライターをしている40代の僕が、ここ1~2年で急に仕事が減っている理由を整理していきたい。
前編では自分の行動やスタンスが原因になっていると思われる点を記してきたが、後編では今感じている環境の変化について書こうと思う。
ただ、人のせい、世の中のせいにしてもしょうがない。変化を認めたうえで自分自身がどう対応するかを考えていくための整理にしたい。


5)自分の仕事がAIに置き換わりつつある

あくまでも僕の憶測だけど、去年あたりからある特徴を持つ案件が僕に依頼されなくなった。
それは、「難易度の低いライティングの仕事」。

例えば簡単なユーザーインタビューをもとに作成するページや、既出の情報をもとに展開するSEO目的の記事。
僕はもともとそうした仕事を専門にしていない。
ただ、“知り合いの知り合い”あたりから相談されることが時々あった。

積極的には受けたいわけではないけれど、人と人とのつながりは無下にすべきではない。
また、これらは難易度が低いためちょっとした空き時間に対応できる。自分のスケジュールを埋めるのにもありがたかった。

それがパタリと来なくなったのは、生成AIが一気にメジャーになってきていることと関係があるような気がする。
今はまだ、難易度の低い仕事で起きていることかもしれないが、いずれAIは自分の主戦場にも侵食してくるだろう。
食われる側ではなく、AIと協働できる側になっていかなねばならない。

6)自分の得意なテーマでバックラッシュが起きている

働き方改革、サステナビリティ、ダイバーシティ。
僕の30代が絶好調だったのは、丁度これらのテーマが社会で盛り上がっている時期で、その波に上手く乗れたからだと自覚している。

もともと関心はあったし、インタビューや執筆を重ねるうちに、この分野に強くなっていった。
頼ってくれるクライアントも増えた。

それが、ここにきて社会全体の揺り戻しを感じる。
極めつけはトランプさんの再選。
人々はオフィスに戻り、サステナビリティやダイバーシティへの反発が表面化してきている。

企業がこの分野への積極投資をやめれば、必然的に僕の仕事も減る。
これはただの揺り戻しであって、振り子のようにいつか流れが戻ってくるものだと信じたい。

一番避けたいのは、仕事が減ることよりも、自分の信念に反した執筆を依頼されること。
そんな最悪のシナリオさえ頭をよぎってしまうのは、自分の心がそれだけ弱っているということだとも思う。

7)リモートワークが減って生産性が下がっている

コロナ以降、打ち合わせのためにクライアント先へ行くことがほぼなくなった。取材もオンラインで済ませることが各段に増えた。
それによって僕の生産性は飛躍的に向上。以前だったらスケジュールの都合がつかなくて断っていたはずの仕事が、引き受けられるようになった。

ところが、ここ2年くらいで対面での仕事が戻ってきている。
もちろん、仕事のクオリティや楽しさという面では僕も対面が嬉しい。
でも、そうなるとリモートワークでブーストされていた生産性が下がってしまう。

コロナ禍では自宅にいながら1時間で終わっていた仕事が、地方出張ともなれば丸1日かかってしまう計算。
コロナ前に戻っただけのはずなのに、最近の僕は驚くほどスケジュール調整が上手くいっていない気がする。

8)クライアントの担当者(年下)から煙たがられている

かつては、自分より年上の担当者さんたちに可愛がってもらっていた。
スキルはまだまだかもしれないけれど、ガッツで食らいついていた。
それが自分の持ち味でもあったと思う。

ところが、いつの間にかクライアントとの立場が変わってきている。
若い頃にお世話になった担当者は軒並み現場を離れていて、今現場にいるのは僕よりも若い人たちが多い。

キャリアも知識も僕の方が豊富。正直、彼らの仕事のつめが甘いなと感じることがある。つい、「それって違うんじゃない?」と言ってしまう。
よかれと思ってやっているつもりが、自分の考えをゴリ押ししているように見えているかもしれない。

また、彼らからすると僕の視点や感性が古くさく感じているのではないか。
ある案件では、僕のアウトプットがまったく刺さっていないようだった。
僕は僕で、その担当者からの指示がまったく納得できなかった。

こんなおじさんにダメ出しされながら仕事したくないよな。同世代の若いライターと共感しあいながら気持ちよく仕事したいよな。
その気持ちはよく分かる。僕だって昔はそうだった。

9)若い担当者に存在が知られていない

よっぽど名のあるクリエイターならあちこちから声がかかるかもしれないが、残念ながら僕はそうではない。狭く深いお付き合いで繁盛してきた。

だから、かつての担当者が現場を退いた今、仕事を発注する立場にいる人は僕のやってきた仕事も、僕の存在も知らないのだと思う。

やっぱり新しい仕事に挑戦していないのがいけない。
今の最前線にいるチャレンジングな若者と、もっと一緒に仕事をしないといけない。


以上、9つの理由を挙げてみたけれど、書けば書くほど今の状況を脱するには自分が変わらないといけないことが良く分かる。
4月からはこれまでやってこなかったタイプの仕事もやってみよう。
30代と同じやり方で勝負するのを辞めよう。
春はもうすぐそこまで来ている。

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