【駐在生活】巻き寿司レッスンで気づいた「いただきます」って素晴らしい習慣だ
インターでは、保護者の知識や仕事の経験などを、子どもたちに向けてレッスンしてほしい、と頼まれることがあります。
うちは学校で唯一の日本人ファミリー。ついに、日本を代表し、外国人も大好きな巻き寿司のワークショップをやってほしいと、先生からお願いされてしまいました。
実はその前にもお友達に頼まれて2度やっています(その時はもう少し大きい子と、大人に向けて。)
巻き寿司なんて、日本でもほぼ作ったことがないんだよ。。。
寿司は外で食べるもんなんだよ。。。
恵方巻はいつもスーパーで買うんだよ。。。
という心の声はさておき、日本人として、できないとは言いたくない!
少なくとも米は炊けるので、すし酢の配合を調べて、巻き方のコツなんかも動画で見て、ポーランド人でも食べやすい海老のサラダ巻きがいいかな~と考えたりして。
準備が大変
末っ子の学年は2クラスあり、先生は合同レッスンを希望していたので、子どもは総勢30名。つまり、30本分の巻き寿司。そんな量の米、炊いたことねぇわ…
結局20合ほど、(4合ずつ、5回炊いた)酢飯にして、タッパーに分けて、冷凍保存。具材は海老を茹でて、マヨネーズで和える。レタスは洗ってちぎり、キュウリは棒状に切り、卵焼きは5本作って、これも棒状に切る。ぜーんぶタッパーに詰めておく。
当日は冷凍保存していた酢飯をひたすら解凍して…
海苔や醤油、ラップなど、全部バッグに入れ…
20合の酢飯はずっしり重く、娘たちにも運ぶのを手伝ってもらい、なんとか学校へ。
いざレクチャー
教室に集まり、それぞれ手洗いをして、いざスタート。英語で説明できるように練習していきましたが、うまく説明できない部分もあると思ったので、「よーく見ておいてねー!」と声をかけて、まずはやって見せました。
巻きすを置いて、海苔を置いて、酢飯を広げて、具材を一直線に並べて。
で、巻く!(言うのは簡単、やるのは結構難しい、ましてや7~8歳の子ども。)
末っ子のお友達Mariaが、
”Oh~, it's a magic!"
言うてくれました。ありがとう!
切り分けて、お皿に並べるところまで、を見せる。とたんに、何人かの手が伸びてきて、早速食べようとした!?先生に止められましたが。笑
今から自分で作るから、自分のを食べようね、となだめつつ、作ったものは一旦引っ込めます。
てんやわんやの寿司づくり
じゃ、実際にやってみよう、と始めたら、お察しの通り、カオスでした。やっぱりアシスタントが必要だったな。(お姉ちゃんたちをお手伝いとして連れてきたかったけど、授業があった)
「ごはんがひっつく~」
「巻くの手伝って~」
「きゅうりきらい~」
「巻いても開いてくる~!(具材のせすぎ!)」
「もう食べていい~?」
先生たちにも手伝ってもらいましたが、先生も作ったことがないからね。。。
「もう食べていい~?」が止まらない子どもたち。
食事をする上で日本との決定的な違いは、みんな一緒にいただきますをする習慣がないこと。だから、できたら各々待てずに食べ始めちゃう。みんなができてから、醤油を配るということが、難しい。でも、醤油を先に配ったらエライことになりそうなので、ちょっと待ってて~!を連呼。
やっとみんな食べ始める
一人一本、巻き終わり、先生が切ってくれている間に、醤油を配りました。
箸の使い方を教えてほしい、と言ってくれる子もいました。当然、習うだけですぐ使えるようになるわけじゃないので、
「日本人でも練習して使えるようになるんだよ」
なんとか箸を使いながら食べる子、手で食べる子、色々でしたが、みんな美味しい!と言って食べてくれました。私にとっても何よりのご褒美。
酢飯と具材が残ったので、他の先生にも食べてもらえるように、ぱぱっと何本か作って、お皿に盛っておきます。誰の~?と見に来る子供たち。(もっと食べたかった様子。笑)
その後、子どものママたちからも感謝の言葉をもらったりして、チャレンジして良かったと思います。
「子どもが残りを持って帰ってきたから食べたよ、すごくおいしかった!」
「素晴らしいアイディアだったわ~」
準備も当日も大変でしたが、無事寿司ワークショップは大成功を収めたのでした。
「いただきます」って良いよね
3度のワークショップをして気づいたこと。
小さな子供から大人まで年齢を問わず、自分の分ができたら周りを待つことなく食べ始めます。
日本で生まれ育ってきた私にとっては、違和感のある光景だと感じざるを得ませんでした。
えっ、もう食べちゃったんや!?みたいな、ね。笑
みんなで一緒に「いただきます」をするって、やっぱり良いと思いませんか?
皆が準備ができたかな、どうかな、と周りを見て、配慮するという感覚。同じ食事を共有して、作ってくれた人に感謝をする、という感覚。
海外に出て初めて、そういうことに気づくんだよなぁ。
末っ子は3か月だけ日本の学校に通いましたが、数年を外国で過ごして、日本に帰ったときに果たして「いただきます」の感覚を取り戻すことができるのでしょうか。ちょっと心配になってしまう母なのでした。