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これだから山はやめられない。「巻機山」の絶景スナップ

避難小屋で眠りにつくも、時折聞こえる激しい雨音で目を覚ます。
その後何時間寝たのかわからないが、目を覚ますと雨音が消えていた。

窓を開けると満点の星空。
横で寝ている妻に「星すごいよ」と小声で伝えるが起きそうにない。

しょうがないのでひとりでカメラと三脚を手に取り忍び足で小屋の外へ。
時刻は2時頃だったがまだ天の川が薄く残っている。

真っ暗闇の中1時間ほど撮影したり星を眺めたりして過ごした。

もう眠れそうもないのでそのまま妻が起きるのを待つ。3:15には巻機山山頂を越えて牛ヶ岳での日の出に向かう予定だ。

暗闇の山を歩くのを怖がってあまり乗り気でなかった妻だったが、小屋から出て満点の星を見ると「うわぁ!星が大きい」と驚いていた。

暗闇を歩く恐怖すら忘れさせる満点の星空。

天の川を横目にヘッデンの灯りを頼りに巻機山の山頂を目指す。

一応山頂の標識はあるがここは本当の巻機山のピークではない。ここから本当のピークを越えて牛ヶ岳までの稜線を歩く。

徐々に目が慣れると同時に少しずつ明るくなってきて、目を凝らすと滝雲が見える。この時はこの先にまさか大雲海が広がっているとは知る由もない。

足元の泥濘に気をつけながら進むと。

薄明の空の下に広がる厚い大雲海が見えた。

後ろをおぼつかない足取りで歩く妻を「すごいよー!すごいよー!」と興奮して呼んだ。

徐々に明るくなる燧ヶ岳方面の山々と広がる雲海。見たこともない様な幻想的な景色の中歩く天空の木道は正にマジックアワーだった。

稜線に押し寄せる雲は本当に海の波の様。

牛ヶ岳を目指して歩く。振り返ると穏やかなら山容の巻機山の山肌が見える。

牛ヶ岳の三角点に到着。

日の出と反対側の割引岳の方にはヴィーナスベルトが降りてきている。

見えた越後三山方面は紅く染まっていた。

谷川岳も見えてきた。

まもなく日の出。百名山の平ヶ岳付近から登ってきそうだ。

平ヶ岳の中腹から登る日の出。太陽の動く速さをこれほど感じる瞬間も中々ない。

山肌や雲海を染める太陽の光。

今回の山行は最高の瞬間に立ち会えた。

我が家は毎週の登山を昨年秋から続けていた。
しかしベストシーズンの8月は妻の肉離れで山に行けず。
続けてきた山歩きが途絶えたことで少しモチベーションが下がっていた。
そんな時にこの奇跡の様な景色を目にした。
これだから山はやめられない。

絶景だけが山の魅力ではないけど、山の絶景のパワーは絶大だ。

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