フロントエンドでDDDした話
こんにちは、株式会社POLでエンジニアをしているミズノです。今年はコードを書く方向で頑張っています。最近はフロントエンド側のビルド環境をWebpackからRollup.jsに移行、合わせてesbuildを試してみたりとキャッチアップに時間を割いています。
ちょうどDDDも試してみたいと考えていたので、簡単に導入してみました。
DDDとレイヤードアーキテクチャ
POLのフロントエンドはレイヤードアーキテクチャを採用しているので、ドメインオブジェクトの定義もdomain層でまとめています。ロジックも同じです。
まずは難しいことは置いておいて、簡単なdomainモデルの定義を試してみました。例えばメールアドレス入力の判定です。
hooksの複雑化
これまで入力の値はhooks内で保持し、そこでvalidationを書いて判定することが多かったのですが、どうしてもhooksが巨大化しやすく、複数の責務で複雑化します。今回は以下のように制限を設けてみました。
入力の値を管理するだけ
ロジックは持たない
例えば以下のようなものです。
// 雑に書いてるので型定義や、importは省略してます。
const useInput = () => {
const [email, setEmail] = useState("");
const handle = useCallback((e) => {
setEmail(e.target.value);
},[setEmail]);
const submit = useCallback(async () => {
// 判定処理をusecaseの方に回す。
const result = usecase.handle(email);
// resultに成功・失敗の値が入っている。
}, [usecase, email]);
return {
handle
}
}
usecase.handleというメソッドに入力値を渡しています。判定ロジックはhooksに持たせないので、記述がシンプルになります。ややこしい判定処理はdomain層に任せてしまいます。
usecaseに渡すときにはドメインモデルのオブジェクトを渡しません。ドメインモデルのオブジェクトはapplication層で利用します。以下のようにEmailオブジェクトを作ってdomain層に渡します。
handle(emailTxt: string): Promise<Result<AuthResponse, Error>> {
return this._repository.login(new Email(emailTxt));
}
ドメインモデルの定義
実際にEmailの判定はどこでやってるかというと、domain層で値を取り出すときに自動的におこないます。以下のようにドメインモデルに持たせる感じですね。
export class Email {
private readonly _value: string;
constructor(value: string) {
this._value = value;
}
get value(): Result<string, Error> {
return this.valid();
}
private valid(): Result<string, Error> {
if (this._value.length < 1)
return Result.Err(new Error("EmailAdressIsRequired"));
// 正規表現チェックここにEmailの正規表現入ります。
const pattern = /^/;
if (!pattern.test(this._value))
return Result.Err(new Error("EmailAddressNotValid"));
return Result.Ok(this._value);
}
}
ドメインモデルから値を取り出すときにResult型で返します。これがあるので、パターンマッチで簡単に正しい場合、失敗の場合の処理がかけます。失敗した場合はhooks内にエラーを返すだけです。ユニットテストも簡単に記述できます。
ドメインモデルを利用するときはこんな感じです。
login(mail: Email): Promise<Result<AuthResponse, Error>> {
// domainのエラーチェックをここで行う
if (mail.value.isError())
return Promise.resolve(Result.Err(mail.value.error()));
return this._driver.post(
params.email.value.unwrap(),
);
}
データの型をプリミティブ型から、ドメインの型に変更するだけでも恩恵は大きいです。今後は本格的にDDDのいいとこ取りをしてアップデートしていきたいと思います。
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