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私と夫のティファニー

今朝SNSである投稿を見た。
【結婚指輪を買うのは合理的でない】
この投稿をみて私と夫の結婚指輪について
色々と思い出したので綴りたい。

夫とは思い返せば、
付き合い始めからトントン拍子に
何もかも進んでいった。
付き合うも結婚するも、
夫は強いこだわりはない人間なのだが、
「あなたのためなら喜んで」と
笑顔で私の手をとって進んでくれる男だった。

結婚式は私が、恥ずかしいし…まず何十人も呼ぶほど友達はいない。という切ない理由からやらないことが決まっていた。
(結局結婚してから1年後に親族だけで小さく結婚式をした)
この時も夫は、
「自分はどちらでもいい。だから、あなた(私)がやりたいならやろう。」
と言っていた。

結婚指輪についても、まずは夫の気持ちを聞いた。
するといつも通りというか、結婚式と同じように言われたのだった。
ただ私は結婚指輪にとても熱い気持ちがあった。
「ちなみに…買うならいくらくらいまでいいですか?」
買うならば自分が買うよと言ってくれたので恐る恐る聞いてみた。
するとアクセサリーにびっくりするほど無頓着な夫は、
「えっと…相場がわからないけど、だいたい2人分で数万とか…?」
と言われた。
オーマイガー。

私が高校生から憧れていたのは、
ティファニーの指輪だった。
どう考えても10万代にはいく…。

その事を伝えると一言「わかった」と言って、
そのまま次の休みにティファニーへ指輪を見に行くことになった。

次の休みの日。
私の人生初のティファニーへ。
うっとりしつつ、とても緊張した。
自分の持ってる中の一張羅を着てきた。

定員さんが好みなどを聞きながら、
色々と持ってきてくれた。

私はシンプルで、
なるべく宝石がついてないものがよかった。
そしてプラチナ。

これに当てはまるのは2点ほどだった。

私の好きな方は2人合わせて確か20万ほど。

さぁ…数万で考えていた夫はどうでるか…。
と横目で見ていたらすぐに気がついて
「どうしたの?」と。

「いやぁ…ぶっちゃけ高い?」
ときいた。
夫は少し考えてから
「思っていたよりずっと高いと思った。
だけど、このブランドに憧れてて
この指輪がいいんでしょ?
なら買う以外の選択肢はないよ。」
と言った。

隣の定員さんがその瞬間に
テキパキと購入手続きを済ませてくれて、
後日受け取りにくる確認をしてから退店。

私は夢のような気持ちだった。
そして夫の愛に包まれたようで
暖かく心地よかった。

ありがとう。と何度も言った。
「もう買えないからなくさないでね。」
とだけ言われた。

私は左手の指輪を見るたびに
この日の夫の表情や言葉が蘇るのだ。

夫と大喧嘩をしても
指輪を見ると心が落ち着くのだ。

「夫なら私の話を聞いてくれる」
そう自信が湧いてきて
夫に歩み寄る勇気をくれる。

喧嘩や意見が対立した時、
長いこと夫婦をやっていると、
なあなあにしてしまったり
まともに話し合いもしないまま
終わってしまったりすることが増えてくる。

そんな時に初心に戻れるのが、
私にとってはこの結婚指輪なのだ。


ちなみに私は5年前に
この結婚指輪を車の教習所で
無くしてしまった。

子供のように泣きながら帰ってきた。
夫は私の話を聞くと、
一言も責めずに
「1ヶ月経って出てこなかったら買いに行こう」と言ってくれた。
「2人の思い出は俺の指輪に残ってるから大丈夫。」と背中をさすってくれた。

一ヶ月経っても出てこず、申し訳なさすぎて買い直さなくていいと言った。もしくは、私が買うと。
「いらない(どちらでもいい)と思っていたけど、この指輪はやっぱり2人には必要な物だと思う。それに俺が買って送ることに意味があるとも今では思うから、買わせて。」

こういう人と結婚できて幸せだと思う。
誰かに何かを伝えたくて書いたのだが、文才がなさすぎてただの惚気になってしまった。

ただ、世の中の男性がみんなこうであってくれたら我が家のように穏やかな家庭で溢れるだろうなと思う。
そして世の中の男性だけでなく、私も夫を見習おうと思う。

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