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読書記録14 秘密

『秘密』作者:東野圭吾さん

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な"秘密"の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年のベストミステリーとして話題をさらった長篇、ついに文庫化。解説・広末涼子、皆川博子

2001年に文庫化されたものを読みました。作品自体は人に薦められました。

結構前に書かれた作品です。読んでいて登場人物の言動に時の流れを感じました。なんだか世界がまるっと変わってしまったかのようです。それでも、こういう時代もあったなと思いながら読みました。読むにあたって、問題ありません。

この作品はただのミステリーではなく、亡くなった妻の魂が娘の肉体に宿り、夫との生活が進んでいくということで、ファンタジー要素があったため、その先一体何が起きるんだ?と、そわそわしながら読み進めました。

登場人物それぞれに人生があることが感じられ、自分の人生をどのように生きていこうかと考えさせられる要素もありました。

もし、自分が直子だったとしたら、どのような選択をしていたのだろう。昨夜読み終えてから少し考えてしまいました。

愛する夫と共に生活しているけれど、肉体は娘。自分たちは知っているけど、他の誰も知らない秘密。肉体と魂が別々になった自分だけの秘密。

何年か前までは、人間いつかは結婚をして家庭を持って…という価値観が当たり前だったけれど、今となっては、結婚に対して自由な考え方が少し広まってきました。けれど、自分が愛する人を幸せにしたい、愛する人には幸せになってもらいたい…と思った時に、自分が直子だったらどのような選択をするのだろう…。本当は死んでいたはずの自分。生きていたはずの娘のかわりに生きている自分…。

ファンタジーなのでもし自分がそうだったら…なんて、考えてもキリがないのですが、人は1人では生きていないのだと改めて考えさせられたので、もう少し考えてもいいかな、と思いました。だからなのか、読み終えて少しモヤっとしています。人生は良いことも多いけれど、モヤっとすることの連続だと思うので、この感覚は間違っていないんだなぁとは感じます。まぁ、読めてよかったかな…。作品そのものは楽しめました。

薦めてくれた人は、秘密の理由に驚かされるところが面白いと言っていましたが、私はそこに驚く面白さというよりは、登場人物の心情の変化、人間臭さに面白さを感じました。

巻末にあった広末涼子さんの解説でも述べられていたように、男女で解釈が変わる作品だと思いました。広末さんが述べているのは私が述べた面白さを感じる観点ではありませんが。

いやぁ、こんなに長い作品を1日で読み切るものではありませんね。疲れてしまいました。東野圭吾さんの作品は読みやすくてどんどん続きを読んでしまうのですが、長いので読み終えた後に疲れるという難点があります。個人的な意見です。

映像作品は機会があればみてみたいですが、またモヤっとするかもしれないのでみないかもしれません。どうするかな。

ありがとうございました。ぽくこ

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