【annaのオタク道】初めて刀剣乱舞ミュージカルに行ってみた
数々のオタク達を虜にしていると噂の刀剣乱舞をご存じですか?
私はこれまで、津々浦々のオタク道を突き進んでまいりました。
漫画アニメ小説等は好みますが、舞台やミュージカルなどに対しては、未経験カテゴリの中の一つでした。
一言にオタクと言ってもその枝は無数に分かれており、個人の嗜好によってどのタイプのオタクか微妙に違うものですよね。
私は自ら足を運ぶタイプのオタクではないのです。家の中の暗く狭いところでひっそりと漫画やアニメを見ることを習性にしています。
そんな私が刀剣乱舞に行った訳
そんな夜行性の私には、昼行性のオタク友達がいます。
名前はKOBAといいます。職場の後輩です。
KOBAは裏ピースで道を闊歩するギャル友達とバーベキューをするスキルを持ちながら、pixivで同人誌を漁り、休日はオタク友達とスパコミに出かけるオールマイティオタク。多分1000人以上友達がいるタイプです。こわい。
KOBAはアニメ・漫画・舞台・ミュージカル・ゲームなど様々な分野に精通しており、おすすめを聞けば特有の早口で答えてくれます。
そんなKOBAの勧めで、刀剣乱舞を知ったのです。
「刀剣乱舞知らないなんてやばすぎますw」
ふすふす笑ったかと思えば聞かれもしないことを聞き取れない速さの早口で説明しだすKOBA。
そう、刀剣乱舞は元々ブラウザゲームだったようですね。
KOBAが言うには「日本刀の擬人化」ではなく「日本刀の付喪神」というところが萌えポイントらしいです。
所謂乙女ゲームとは異なる為、刀剣男子と恋愛をするようなゲームではないようですね。
そこでひとつ、私の興味が削がれました。
わかりますでしょうか。乙女ゲーム全盛期世代の私。
知り合っても恋愛できない。全員と1クールずつ恋できないなんて。
私は生粋の夢女なのです。
「マジで一回行ってから言ってもらっていいですか。」
返答する前に追撃。気が乗らなすぎるのが顔に出てたのでしょうね。
KOBAの冷ややかな目線とは裏腹に、勢いよく突き付けられた携帯画面の待ち受け画面映るイケメン集団。
わざわざ足を運んで会いに行くの?わざわざ準備して?えーわざわざ?
気が乗らない私にKOBAの強めの説得、末に押しに負けました。
でも正直イケメン集団は見てみたい。付喪神という設定も正直好みだ。
ミュージカル『刀剣乱舞』 祝玖寿 乱舞音曲祭
公演は北海道から大阪まで回るようで、私は千葉県の幕張メッセで行われる公演に当選しました。チケットは一人12000円ほど。
13:00と18:00の公演があり、私は13:00の公演でした。
会場に到着し「まずグッズ販売に並びましょう!」とKOBA。
会場近くには着飾ったファンに溢れており、一見普通のライブの会場の様でしたが、もわっとぶわっと感じる謎の士気。
コスプレイヤーもちらほら。
グッズ販売会場はとても広く、開場1時間前に到着しましたが、既に長蛇の列が出来ていました。
売り場は横並びにずらっと並んでおり、整備員や販売員も沢山配置されていましたが、約1時間以上は待ちましたね。
待ち時間中KOBAは「ヤバい」と「アガる」の2言語しか話せなくなっていました。
グッズは刀剣男子それぞれのプロマイドやタオル、ペンライトの中に入れられるカードのようなもの。「私の推しはこの人です!」名札のようなものでしょうか。私はペンライトだけ購入しておきました。
開場に入ると広い舞台の後ろにモニターがあり、刀剣男子たちが映し出されていました。暗い会場で光るモニターの光を頼りに自分の席を探す。
「これはやや後ろだねえ、みえなそうだなあ。モニターで見る感じ?」と私。
「いや~ヤバい。これはヤバいな~。アツいな~。」とKOBA。3言語に成長。
開場のアナウンスと共にパッと消灯。そして曲が流れ始めたと同時になにやらちらほらと舞台上の階段から歩いてくる人影。
31人のイケメンたちが一斉に歌いだす。
ぶわっと鳥肌が立つような音響、包まれるような声。
思考停止です。感銘で震えるとはこのことでしょうか。
学生の頃の合唱祭、私大好きでした。その合唱祭で、歌唱力が高いイケメンしか出ていない、かつ、日本刀の付喪神の設定?そんなのヤバすぎるしアガるわな。
あまり知らないバンドのライブって私は楽しめないタイプですが、知っている曲がなくてもとにかく楽しい!モニターに映る刀剣男子に目が離せない!
それぞれがそれぞれの設定を死守し、歌い方、表情管理、仕草や歩き方まで完全に徹底していました。現実離れしている所がオタクの心の安心に繋がっているのでしょう。
31名の刀剣男子の大合唱。びりびりと震えるように肌で感じる音。
曲の合間には刀剣男子同士の小劇。小競り合い。
なんて尊い空間。
公演の中盤では刀剣男子たちが舞台から降り会場内を走ったり、ファンサに回ったり。実際に近くで見る刀剣男子は、見目麗しいという言葉がぴったりでした。
推しの小狐丸が前を通るたびに呼吸促迫気味のKOBA。
「もう、もう、本当に好きです…。」と小狐丸タオルをぎゅっと抱きしめる様に、なぜか私も胸がぎゅっとなった。涙さえ浮かんだ。
公演は休憩をはさんで3時間弱。
31名一斉に出てくるときもあれば、2名だけで歌っているときもありました。大合唱もいいが、少数でもいい。なんかもうなんでもいい。
ひとりひとり紹介する場面では、刀剣乱舞ファンに通ずる呼び名があるようで、紹介した後ファンが一斉に呼ぶ、なんて儀式もありました。
もちろんアマチュアにもなれていない私は、皆さんの真似をしてとりあえずそれっぽく呼ばせて頂きました。勉強します。
公演の最後には、私でも一度は耳にしたことがあるあの「刀剣乱舞」で締めでした。大爆発のような合唱。痺れました。
長かった公演は終了、そして再び
興奮冷めやらぬ頭のまま私たちが降り立ったのは、そう、グッズ売り場です!
またも長蛇の列に颯爽と並び静かに待つ。
周りに迷惑をかけない。外に出るタイプのオタクの鉄則です。
推しが固定していない私は、ブラインドの缶バッチを購入しました。
会場前では交換会が開かれ、わかりやすく「求 ○○」と書かれたスケッチブックを持ち歩いている人もいました。
オールマイティオタクKOBA。人の波をかき分け、難なく声をかけ、気が付いたら既に交換を終えていました。尊敬に値するコミュニケーション能力。
私は誰が当たっても嬉しかったのですが、あわよくば小竜景光が欲しかったです。実体化しているのが不思議なレベルのイケメンでした。
経験する、世界は広がる
部屋にこもるオタクタイプの私は、予想に反して新たな扉を開きました。
今回のミュージカルは実際に行って見て聞いて、経験しなければ一生分かり得ない感動がありました。
自分の中の世界だけで満足して、今まで逃してきたタイミング、沢山あったんだろうな。なんて思ったり。
億劫でも、少しでもアンテナが立つなら足を向けてみるのもアリですね。
自分の世界を豊かに、広く広くしていくのって、そう難しいことじゃないのかもしれません。
合わなかった、好きじゃなかったらやめたらいい。
いつでも選択できる。そんな自由に気が付いて、嬉しくなりました。
「お礼言ってください」と私の肩に手を置いてニヒルに笑うKOBA。
ここは素直に礼を言っておこう。