#宇宙空間の平和利用について思うこと
2020年5月18日、自衛隊初の宇宙専門部隊「宇宙作戦隊」が発足した。
宇宙ごみや他国の人工衛星が日本の人工衛星に衝突しないように監視するのが主な任務だ。 (中略) 2018年12月、日本は「防衛計画の大綱」を改訂し、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域での「能力の強化」を打ち出した。今回の宇宙作戦隊の編成はその一環である。(毎日新聞より、https://mainichi.jp/articles/20200518/k00/00m/040/217000c)
宇宙空間は今、大国の軍事戦略の要となっている。宇宙の軍事利用を強める中露に対抗して、米トランプ政権が昨年、陸海空の各軍などと並ぶ「宇宙軍」を創設するなど、宇宙を舞台に覇権争いは激しさを増している。
衛星を守るために宇宙ゴミの監視は欠かせない。ただ、宇宙作戦隊が監視能力を誤った方向に利用することで、宇宙の軍事化に拍車のかかる事態だけは避けなければならない。
日本は69年の国会決議で宇宙利用を「平和目的に限る」と定めたが、08年の宇宙基本法制定で、「平和目的」の解釈を「非軍事」から「非侵略」に変え、防衛利用を認めた。
河野太郎防衛相は、宇宙空間が集団的自衛権の適用範囲に含まれると説明した。「地上でも宇宙でも変わらない」と述べ、日本の友好国の衛星が攻撃を受けた場合は存立危機事態に認定して反撃できる可能性を示唆した。友好国として米国や欧州連合(EU)を例に挙げた。(日本経済新聞より、https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51064430W9A011C1000000/)
平和主義の理念や専守防衛の原則を踏まえ、自衛隊に何ができて何ができないのか、明確にする必要がある。
今や人々の暮らしを支える公共空間である宇宙を「未来の戦場」にしてはいけない。平和利用のための国際的なルール作りを各国に働きかけることが、宇宙の軍事利用とは一定の距離を置いてきた日本にとって求められる姿である。
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