#中国と台湾、新型コロナの対応
台湾は2003年に流行したSARSを教訓に、中国で感染発生が伝えられた初期段階で、大陸との往来を即座に遮断し、厳格な隔離や医療物資の生産を、当局主導で速やかに進めた。感染拡大の抑え込みに成功した裏には、台湾に根を下ろす開かれた民主政治がある。
一党支配の中国は号令一声で大都市を封鎖し、人々の行動の自由を一気に凍結した。異論を排する言論統制は混乱を封じ込めたが、その間に当局の情報隠蔽が進められ、対応の遅れ、感染経路や感染者数・死者数の統計への不信つながった。
新型コロナウイルスとの闘いにおいて優れているのは、どのような政治体制なのか。
権威主義体制による強権的な封じ込めが効果的だとする一方、民主的で透明性のある対策で成功を収めた国もある。その上で際立ったのは、強制的な措置と同時に進められた積極的な情報公開だ。衛生当局トップの連日の記者会見やITの駆使により、政策の全体像、目的を社会全体で共有するよう努めた。こうした民主的な手法が市民の自立的な行動につながったとされる。民主社会では政府が政策を誤った場合、自由な報道などで政策変更が行われやすいが、独裁体制では政府が誤りを認めること自体難しくなる。
国の事情により結論を出すのは容易でないが、民主社会の典型例として、台湾の試みは注目に値する。
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