#政権と検察の距離感(②検察の独立性)
国家公務員法改正案と検察庁法改正案をまとめて審議するのはいかがなものか。政府は「定年延長」という同じくくりで扱おうとするが、切り離して考えなければ議論は深まらない。
なぜ切り離して考える必要があるのか。検察庁法改正案に特例規定が盛り込まれているからである。
特例規定には、内閣や法務大臣が必要と認めた検察幹部の定年を最長で3年延長できる。今回の法改正案の特例規定は、これまでの検察の独立性に大きな変更を迫るものだ。
リクルート事件やロッキード事件など、時に政界の権力者にもメスを入れる検察の政治的中立や独立性を揺るがしかねない。なぜなら、検察人事に政権の意向が恣意的に反映され、検察の独立性が損なわれる懸念があるからだ。
これまで政府は、検察官に国家公務員法の定年延長規定は適用されないとしてきた。どんな実力者でも定年までには一律退くことで独立性と規律のバランスを保とうとしてきた。
しかし、当時東京高検検事長・黒川弘務(2020年2月退官予定)の定年を、直前の1月末、内閣が定年延長規定の法解釈を変更したということで、半年延長する閣議決定をした。
政府からの独立性
検察の独立性が危ぶまれる日が来るなら検察組織が暴走したときかと思っていたはずが、必然が見当たらないことに疑問を禁じ得ない。内閣の裁量で検察幹部の定年延長を可能とする(政府と検察の関係を変えかねない)検察庁法改正案の特例規定に、独立性と透明性を謳う検察が政治家の顔色を窺うようになっては困る。
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