親友①
◆けーくん
自分には親友と呼べる友達が何人かいる
そのうちの1人けーくんについて書いてみようと思う
けーくんと僕は同い年で18の時に出会った
彼は当時結婚を約束した彼女がいた
非常にかわいい彼女だった
一歳年下のけーくんの彼女は
東京の大学への進学を目指して
毎晩深夜に勉強していた
そのため夜中に必ず電話をしていたけーくん
「がんばってやー、絶対大丈夫やで、好きやで😊」と
なんて素敵な彼氏だろうと思った
僕はといえば初めて付き合った彼女とまだ付き合ってはいたが
人生に絶望していたため
なんか恋愛どころではなかった
ろくでもない生活を送っていた
彼はとてもおもしろいのにもかかわらず
いつも僕の話をずっと笑って聞いてくれた
ほぼ毎晩一緒に過ごしていた
今もだけど本当に大好きだった
彼はとにかく女の子にモテた
でも彼女と僕以外とは関わろうとしなかった
不思議な人だ
そして彼女とお別れの日はやってきた
無事に東京の大学に合格して
上京し一人暮らしを始めた彼女は
浮気を繰り返した
けーくんはその頃から常にイラだっていた
いつもようにウチに来て
ぽつりと「(彼女と)別れたわー」と
けーくんは言った
僕はなんてけーくんに声を掛けたらいいか分からず
ちょっと待っててと言って
原付🛵に乗って近所の酒屋に行った
閉店時間ギリギリで少し怪訝な顔をされたが
瓶ビール5本買って帰った
僕はけーくんに「ビールかけしよう」と言った
近くの公園で2人でビールかけをした
めちゃくちゃ楽しくて
きゃっきゃ言いながら
2人ともビールでびっちょびちょになって
家に戻った
シャワーを浴びて着替えて
さんまさんの番組を観ながら
2人でいつものようにゲラゲラ笑った
番組が終わってテレビ消して
ふと、けーくんが
「ドリカムのサンキュ.みたいや」
と
そのあと続けて
「ありがとな」と言った
「いや、サンキュちゃうんか!」
いいなと思ったら応援しよう!
僕ほどサポートし甲斐のない人間はいません。本当にどうかしていますよ。ありがとうございます。