60代からは好きなことだけして生きれば良いと言われても・・・
60歳の誕生日はまだ働いていた。
職種は派遣社員の事務だったけど、子育てがひと段落した40代からいくつかの職場で仕事を続けていた。
子どもたちが小学生・中学生までは私は専業主婦だった。時間があるでしょうと狙われてPTA役員や子供育成会役員などを歴任した。理不尽な思い・充実した活動時間を交互に経験しながらも、外に仕事を持つお母さんたち、仕事をしていると敬意を持って見られるお母さんたちをうらやましくも思った。
社会とつながっていたい。
○○ちゃんのお母さんではなく、私の名前で呼ばれる仕事場で、収入を得る活動をしたかった。
40歳過ぎて、登録していた派遣会社から運良く紹介された英文事務で4年間勤めることができた。
その後は観光バスの添乗員・外資系企業の事務・公的機関の事務など、それぞれ2年間から4年間、50代後半まで職場は変わるけど働き続けてきた。
60歳になったついこの間まで勤めていたのはコールセンターだった。郵便発送やデータ入力など事務も兼ねていて、1年半続けたが辞めた。
仕事場を去る時はいつも、私が自分から辞めていた。続けて欲しい、辞めてしまうのですか?と、ありがたいことに惜しまれながら送り出してもらってきた。
たぶん便利な人間だったからだと私は思っている。
一応事務経験が長いので、作業はそつなくこなすし、突然に遅刻・欠勤するようなことも無かったし、性格が穏やかなので人間関係のトラブルに関わることも無かったから。
良くも悪くも会社人間だったのかもしれない。
失業給付金をもらってハローワークに通ったが、再就職先は決まらなかった。週3日くらいでパートにしようか早朝のアルバイトにしようか、など考えてはみたけれど、これぞという仕事は見つからない。
家族にこんな仕事はどうだろう?と相談してみると、「ゆっくりすれば?やりたいならやればいいし、迷うならしなくてもいいし。」
ありがたいというか、他人ごとだと思って、というか。
ニートでお気楽な息子にもいつも言われる。「結局しばらくするとお母さんは外で働きたくなるんだよね!」。。。おまえが働け。
60歳になる今まで子育てもしてきたし、派遣ではあるがフルタイム勤務で稼いではきたし、家で好きなことすれば~?ゆっくりすれば~?の声に従って暮らしていけばいいのかしら。
「産後うつ」も「更年期障害」も、なにも無く健康に過ごしてきたけれど、「定年後うつ」とか「老後うつ」みたいな気分のこの頃です。