60代。第二の人生は始まってしまったのだ。
ここ2週間、帯状疱疹で苦しんだ。調べてみると、水ぼうそうのウイルスが体に潜んでいて、加齢とストレスが誘引になって発症するらしい。
60代に突入したことが、こんなに心にも体にも変化をもたらすとは思ってもいなかった。
健康には自信があったし、実際医者いらずの体力があった。
心も安定していて、リズム良く通勤も家庭生活も過ごしてきていた。
なのに…
私が60歳を過ぎたところで派遣事務の契約を求められても更新しなかったのは、つまらない日常よりも新しい挑戦、新しい仕事をしてみたいと思っていたからだった。
その時はできると信じていた。根拠のない自信もあった。
ところがスキルを身に着けるため意気揚々と学習を進めていたところ、課題につまづいた。練習時間が少ない、練習量が足りないのはわかっているのに、学習を進める手が止まってしまった。
20代で着物着付けの講師を目指したころ、30代で英語資格試験に挑んでいたころ、40代で英文事務や添乗員の仕事に次々と転職をしても採用されていたころ、そのころの勢いやパッションが60代の今は無くなってしまった。
また気を持ち直してやりはじめればいいのかもしれない。
でも…
60代はあきらかに人生のステージが変わったのだと実感するのだ。
第二の人生がスタートしてしまったのだ。
体調を崩し気持ちが沈んだこの数か月の時間は、自分の内側を見つめるタイミングなのだ。
無職で毎日が日曜日状態の現状は、恥ずかしいことでも打開しようと焦る必要も無く、ひたすら自分自身が本当に求めている状態・本当にやりたかったことを探る時間に使えばいいのだと思うことにした。