日本人女1人でVrindavanのHoliに参加した話(2/6)
2015年の3月にインドのブリンダーバン(Vrindavan)地域のナンドガオン(Nandgaon)とバルサナ(Barsana)という街のHoli祭りに参加した話です。
「今日はHoliだからホテルから出るな」と言われて
ホテルの主人に言われたところで知ったこっちゃない。カメラを持って街に出たが、街の中は思ったより平静を装っていた。ただ、町のあちこちで色粉を売ってることだけが違う。
新しい街にきたら、お城か寺院を目指すのが自分の鉄則だった。今回も勿論Holi祭りを目当てに、町の一番高いところにある寺院に向かった。
街全体は道が入り組んでおり、寺院を中心として一つの山の様な形の街だった。細い道を抜けて上がっていくと突然目の前が開け、「この先は寺院」という参道に出る。両側には出店が広がっている。
↑寺院へ向かう道、色々とお祈りに使う物を買っていくみたいだ。
よくあることだけど、出店のお兄ちゃんが色粉を買えと賑やかに叫んでくる。これもよくあることだけど、軽い気持ちで「買わない買わない」とあしらう。
途端、目の前のお兄ちゃんが、店先の色粉を握り締めてこちらの顔に向けて叩きつける様に投げつけた。
こんな事をされるとは予想していなかった。色粉は細かい粉末だけどざらざらして目が痛い。しばらく目を開けられないくらいの衝撃だ。粉を投げたお兄ちゃんは面白おかしそうに邪悪な笑い声を上げている。日頃、外国人観光客に邪険にされている鬱憤をこんな形でぶつけてくるのか。そもそもこれまで自分が現地の人にしてきた全ての態度がこうやって彼らの心の中に悪意を育てていたのかとハッとした。
逃げる様にして寺院に入っていく。中心部は撮影禁止だったけれど、外国人が珍しい様で、脇の方で沢山の人に「写真を撮ろう」と頼まれる。それと同じくらい、厳格な顔をしたおじさん達に「こっち側は撮影禁止だぞ」と睨まれる。インド人は信心深い。観光気分で来ているこちらを苦々しく思っている様だ。入り口でのことがあったので、こちらも少し及び腰だ。
↑↓なんとなく男女が分かれていて、メインの場所には男性ばかりがいる。
寺院の中では既にひと騒動終わった後なのか、みんな粉まみれだけど今は粉を投げてなかった。メインの祭り自体は明日だから、みんなこれからくるピークを待ているのかもしれないけどよくわからない。
↑粉だけじゃなく、色のついた泡みたいなのも飛び交う
仮説の屋根の様なものが出来ているので寺院の全容が見にくいが、やっぱり予想した通り、Youtubeで見かけた寺院はここでは無いようだった。GoogleMapの地図で見た通り、やはり目指す寺院はBarsana(バルサナ)なんだろう。明日の本番はやはりBarsana(バルサナ)に移動しよう。
そんな事を考えながらも、頭の中では終始入り口で粉をかけられたことがチラついていた。おじさんに睨まれたりするのも今まで以上に恐ろしく感じてビクビクしてまう。日も沈みかけてきたので、早々に寺院を後にしてホテルに戻ることにした。
あくまでも本番は明日だ。明日のBarsana(バルサナ)までの移動は、運が良ければリキシャが捕まるかもしれないけど、捕まらなければ徒歩になる。バルサナまでは8kmほどあるので、日の出前に出たいところだ。それまでに気持ちも戻しておかないといけない。
帰り道で無地の服を買った。これが明日どんな風に染まるのか、楽しみよりも怖い気持ちがまさって来たけど、もう行くしかない。
Barsanaへの移動
明け方まだ暗いうちにNandgaon(ナンドガオン)を出て、歩いてBarsana(バルサナ)に向かった。当然のこととは思うけれど、営業しているリキシャなんているわけがなかった。
↑早朝のNandgaon(ナンドガオン)
↑Nandgaon(ナンドガオン)からBarsana(バルサナ)への道
↑Nandgaon(ナンドガオン)からBarsana(バルサナ)への道 殆ど誰も歩いていないがたまに民家などがある。草むらから襲われたりするかもしれないと、ものすごく怖かった。
↑Barsana(バルサナ)の町が見えてきた
Barsana(バルサナ)に着いて
移動の道が本当に怖かったので、駆け足で2時間弱で着いた。
町に入る頃にはすっかり日も登ってしまった。町の入り口に広場があり、そこに女性達が大きな鳥の巣のような物を作っている。その辺りのゴミを集めているようにも見えなくないけど、牛の糞を固めたものなんかもあるから恐らく祭りの中で燃やすんだろう。
ただ色粉をかけてる様子はまだあまり無い。何はともあれ寺院を確認しよう。もしここが目指す寺院じゃなかったらNandgaonに戻った方がマシかもしれない。街の中はなんとなく浮き足立っていて、女性達がいそいそと歩き回っている。
メイン広場をぼんやり眺めていたら、背後のお家のおじさんとふと目があった。おじさんが「コーヒーでも飲んでいくか?」と話しかけてきたので、お言葉に甘えてコーヒーを頂いた。「どこからきたのか」というような一通りの質問をされて、「日本から来た、これから寺院にいくんだ」と答えると、「それはいけない、今日はホーリーだからとても危険だ。うちに居ていいから、中にいなさい」と言われてしまった。
↑コーヒーを奢ってくれたおじさん(左)と、その息子(右)
昨日の宿の店主と同じだ。そういうわけにはいかない、と言って、おじさんの家を後にした。
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