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バルカン半島から中央アジアへの旅行 (その76)

9月26日

昨日彼からの連絡が遅くなった理由はアティラウから西の道路を走っている時、彼の持っているポケットWi-Fiの電波が入らなくなったのが理由らしく、現在も電波はつながらないと言う
そのかわり、カザフ側でトラックドライバーからロシアのSIMカードをもらっていて、それを使ってネットができるらしく彼の用事が終わった後そのSIMカードを貸してくれた
それでMessengerのグループに報告したりすることができた

深夜0時過ぎにトイレに起きたときについでにメールを確認しようとしたらVPNが立ち上がらない
スピードが遅いながら今までプラネットVPNでメールをチェックする事はできていたが、いまは何度やってもつながらない
試しにSurfShrak も試してみるがこれも相変わらずだめ

時間帯が悪いのか?
朝になっても、結局VPNはつながら無かった

天気は雲1つない快晴
7時半ごろ起床して、朝飯を用意しようとするとアルマくは既に起きていた
火を起こして、昨日の残った食材で朝食をゆっくり準備する
ネットに繋げない問題はさておいて、日本人旅行者の作法として有馬くんの引き留め工作を開始しなければ
日本の旅行者たちは、古来より自分を置いて先に出発しようとする人間を様々な手を使い妨害すると言う美しい習慣がある
さてどうやって彼の出発を阻止しようか?
食い物で釣るか?
だめだ、彼は食事には余り執着がない
のんびり朝食を用意しながらそれとなく出発は明日にしたほうがいいんじゃないとか日本人のオーバーランダーと一緒になる事はこの先ないんじゃないかな〜とか午後は天気悪くなるようだねぇとか嘘も交えつつ彼が連泊するよう仕向ける
しかし、彼はどうしよっかな〜とか言いながら荷物を整理したりして着々と出発のための準備を進めている
どうも出発の意志は固いようだ
さわやかイケメンで礼儀正しい好青年だが冷たい男だ
昨日一晩語り明かして、もう自分の中では幼い頃からの竹馬の友になれたと思っていたのはどうやら自分だけのようだ
世知辛い世の中である

荷物のパッキングを終えて、さすが本職、カメラマンらしいセッティングでのお別れの記念撮影を済ませ、12時遅めの時間で、彼は出発して行った
しかし今から走り出すとアストラハンから70キロほどまでは人家も緑もあるが、その先は延々と270キロ何もない荒野の道を走らないといけない
そこを抜けるところまで行くとなると今日これから400キロ近く走るつもりだろうか?
聞いていないが、急がなければならない理由でもあるのだろう
何にせよ、彼の旅の安全を祈ろう

最初は偶然に会えたらいいかな位に思っていたが、何度かWTN-Jの関係のグループチャットを介して連絡を取るうちに、これは確実に挨拶ぐらいはあってしなければいけない雰囲気になっていた
長く旅行していると、1人で行動してる事に特に寂しく感じることも無くなって平気なのだがやはり同じ日本人として、同じような旅をしているもの同士、会って話をすると楽しいもんです
なかなかめったにない海外ツーリングの仲間同士、一晩一緒に過ごせて話ができた事は楽しい出来事だった
その分、別れた後の寂しさを感じ、気分を紛らわせるため今日はそのまま飲んだくれることにする

食料と手持ちの酒がなくなったので、すぐ近くにある浮き橋のたもとのカフェでピロシキ2個、小さなマーケットでビールのバルチカ9とソーセージを買ってきてボケボケモードに入る
日暮れ頃に焚き火を始めて、3時間ほど火を眺めて過ごす
明日は、トランジットビザの期限の27日
いよいよ中央アジアに入る

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