バルカン半島から中央アジアへの旅行 (その31)
8月7日
7時起床
深夜、寒さで目が覚める
荷物の中からウルトラライトダウンとタイツを取り出す
地図を見ると、今いる場所は大体標高1500メートル位のようだ
まだ8月頭なんだけど🥶
去年、イラクのスレイマニヤで寒さ対策で追加で買った安物の中古寝袋
荷物になるから、捨ててこようか迷ったが持ってきてよかった
今はメインの寝袋としてもテントの中であぐらをかいて過ごす時の敷物としても、大活躍中
今回寝るときはコットを使っているが、それ以外のくつろぐときには狭いテントの中では使いずらい
コーヒーを沸かして飲んだりタバコを吸ったりネットをチェックするときにコットの上であぐらをかくと落ち着かない
15cmの段差が出来て狭苦しくなるし、まだ強度や耐久性で信頼できない
なので、起きているときは、コットを脇に立て掛けて、座る場所に寝袋を敷いて過ごしている
少し面倒だが棘のある植物を避けるためにテントを設置する場所を探し回る不便とマットに穴が空いてダメになる心配をしなくて済むのはありがたい
昨日到着して荷物をといた時に、片側3点止めしてある1番上のステーの溶接が、両側とも完全に剥がれてしまっているのを発見
このままでは走れないので、今日は連泊して修理や整備をすることにした
テントから長い時間離れるので荷物をまとめて出発準備をしていると、大勢の子供を連れた車がやってきた
昨日の夕方も3組のハイカーがテントの脇の山道を通り過ぎて行ったが、この場所に来る地元の行楽客は、割と多いのかもしれない
荷物とテントを置いて、長時間この場を離れるのは少し心配だが、逆に家族連れのピクニックとかでテントの近くにいてもらったほうが安全かも
10時に出発
まず、街まで降りてスタンドで給油
ついでにネットチェックをしてバイク屋の集まっていそうなエリアを特定しそこに向かう
目をつけていた1軒目は店が発見できず
2軒目は発見できた
こじんまりとした修理メインの店のようで好都合だ
その店の駐車場に入っていくと、1人のおじさんが店から出てきて鍵を閉めようとしている
あれ?店主かな?今から閉まっちゃうのか?
挨拶をしてバイクを修理してもらいに来たことを告げると、今ここの店のものは外出していていつ戻ってくるか分からないとの事
困ったな
キャリアの溶接をしたいことを説明するとそれなら自分ができると言う
話を聞くとしながらも、しっかり英語をしゃべれるおじさんで彼はバイク屋の奥のスペースを間借りして、溶接や金属加工の仕事をしているらしい
溶接してもらいたい場所を見てもらって、値段はいくらか聞いてみると2カ所で50レフとの事
そのおじさん、名前はガブリエル
彼はアルゴン溶接でつけてあげるから少し値段が高くなると言う
でも、肉厚の薄いパイプなどを溶接するにはバッチリ向いている溶接とのこと
少し悩んだ後お願いすることにした
1カ所2000円は少し痛いが、ちゃんと肉盛りをして強度を上げてくれるようにしてくれるようだ
お願いします
ガブリエルは以前数年間南アフリカで仕事をしていたことがあるらしく、その時英語を喋っていたが、今は使っていないので忘れてしまったそうだ
でも、そのぐらいの方が自分のブロークン英語と釣り合いが取れてちょうどいい
彼の仕事は丁寧でしっかりしたものだった
1時間ちょっとで塗装まで終えて、きれいに仕上がったキャリアを取り付ける
お礼を言って支払いを済ませ、ついでに明日また来て他の整備に必要な工具を貸して貰う約束を取り付ける
と言うのも、ガブリエルによると、バイク屋の主人は明日も店に来るかどうかわからないらしい
まぁ自分にとっては逆に好都合
必要なのはエンジンオイルだが、どこかで調達してくれば後は自分1人でできる
友人の佐藤くんが去年東のどこの国だかは忘れたが、オイル交換をしてもらっただけで、何万円か請求された話を聞いていたのでできる事は、自分でやるに限る
手持ちの現金がなくなったので、ガブリエルに教えてもらって、近くの大きなショッピングモールの地下で両替とスーパーマーケットで買い物をしてキャンプ地に戻る
テントと荷物は果たして無事だった
せっかくの連泊なので、今日は焚き火でバーベキュー
22時まで火を眺めながら、焚き火を楽しんで就寝
本日の走行距離50km