バルカン半島から中央アジアへの旅行　(その57)

9月4日

不幸は続くよどこまでも
昨日の夜遅くチェックインした安宿
Wooden Room Hostel は虫宿でさすが最安値でこそないがそれに近い値段の宿でベッドは絶賛パンデミック中
刺されても痒みがそれほどひどくはないが、かなりアグレッシブな性格なようで絶え間なく攻撃し続けるもんだから寝ていられない
我慢しきれずコットを持って裏庭スペースに移動してそこで寝た
幸い天気が良く市内であるからか、夜露も特に問題なく短い時間だが睡眠は取れた

8時にコットを片付け、朝食をとって9時過ぎに家を出てロシア大使館へ
大使館に行く前に両替を近くのショッピングモールで済ませ10時ごろ大使館到着
受付の守衛にトランジットビザを取りに来たことを告げ、待てと指示されてただひたすら待つ
自分の他にアルメニア人らしき申請者達が十数人
ずっと待ち続けている人と後からやってきて、そのまま中に入場している人の違いがわからない
11時ごろ守衛が何かを告げて、一斉に待っている人たちが中に入っていくが、自分が入ろうとすると止められる
何やら不穏な空気
確か申請は12時までで打ち切られる
そろそろ入れていないと間に合わないのではないだろうか？
そんな心配をよそに、守衛は守衛小屋の中でスマホをいじっている
11時半になりさすがにまずいと思い守衛に声をかけて、トランジットビザはどうなっているのか聞くと驚いた様子ですぐ中に入れてくれた
心配した通り、申請室の中に入り中のマネージャーらしき人物にトランジットビザを取りに来たことを告げるとやはり驚いたようで、何やら奥に入っていきしばらく待たされて出てきたときに申し訳ないが今日は受付は終わってしまったので明日来てくれとの事
やはり、、、
あの守衛の野郎のミスだ
自分は朝10時から待っているのに、守衛が入れてくれなかったことを主張するとマネージャーは内線電話であの守衛に注意をしている様子
電話が終わった後、どうにか今日受付してもらえないか13日までに受け取れないと自分は困ると言うとマネージャーは明日受け付けても11日には受け取れるようなことを言っている
？
7営業日での発給をしてもらうつもりだったのだが、5営業日で受け取れるのか？
それなら問題ない
とりあえず騒ぎ立ててもどうしようもないので予定以内にトランジットビザが受け取れるならばそれでよしとしよう
何しろ、ここは恐ロシアの大使館
ちょっとでも揉めたら問答無用で投獄されて不審死しても不思議ではない(暴論)
なんて事は無いが、現実はロシア大使館の外国人に対する態度が割と紳士的なことに少し驚いた
帰る前に守衛室に寄って、今日は申請できなかったから明日来たときには優先的に早く入れてくれるように釘を刺してロシア大使館を後にする
ちゃんと仕事しろよ、守衛
どうやらアルメニアのロシア大使館でのビザ発給はおとなしく待っているだけではダメなようだ
次の機会があるかどうかわからないけど記憶の片隅に留めておくことにする

と、いうわけでトランジットビザ申請は失敗
次はタイヤのチューブを見つけにバイク屋めぐり
疫病神の後輪のタイヤはもうすでに愛想は尽きていてもう勘弁ならないので、一刻も早く新しいタイヤに交換しなければ
いいタイヤが見つからなくても、いつまたいきなりパンクしてチューブがダメになってもいいように予備チューブは持って歩かないと
パンクの度に50ドルが飛んでいくんではそう遠くないうちにお金が尽きて帰国する羽目になる
てなわけでバイク屋を探してエレバン市内を放浪
1軒目見つからず
2軒目移転してしまったようで空き店舗
3軒目でようやくバイク屋を発見
自分の探している18インチのタイヤが数種類在庫している
スタッドレスにするかチューブタイヤにするか少し悩んだ挙句、最近スタッドレスにトラウマになっているのでチューブタイヤを選んだ
パンクの早期発見修理をするのなら、スタッドレスが楽だし、そのためにホイールをキャストホイールに交換していた
しかし自分の場合、なぜかパンクするときは夕方目的地近くで少しリアタイヤが緩んだかな？
だけど、このまま目的地まで行ければそこで荷物を降ろして修理したほうが楽
修理やチェックをするにしても、一旦荷物を解かないといけないからだ
ということで走っている間に一気に空気が抜けてと言うパターンが多い
その点、チューブタイヤならば、空気が一気に抜けるような異常なパンクの仕方をしても、チューブがダメになるだけで予備のチューブさえ持っていれば自分でチューブを交換して再出発することができる
もうヒッチハイクしたり、車が捕まらないから、道端キャンプをするとか乗せてくれる車が見つかったのはいいけど白タクで足元を見られてふっかけられるとかもういい加減やりたくない
と言うわけで、せっかくだからイラン製アドベンチャーバイク用のおオフロードタイヤ4.60-18をチョイス
お値段18000ドラム+チューブ4000
後輪は自分で外して渡したので、工賃はタダ
取り付けてみて
むーん
クラシックヨーロピアンのバイクにこんな凶悪なブロックパターンのタイヤを履かせていいのかしら？
でもこのバイクは舗装路と言う道路がほとんどなかった。時代から走ってるバイクだから、別にオフとかオンとかの区別はつけなくてもいいよね
異論は認めます
ただ、タイヤのメーカーがイランなのがちょっぴり心配
インドから履いていたタイヤがダメになって、イラクで最初に交換したのがイラン製で取り付けて最初から最後まで空気もれが止まらないタイヤだった
¥8000の出費は痛いがこれで大丈夫なら安心して旅が続けられるし楽にダート走行出来る様になる
他にエンジンオイルの値段や予備のチューブを後で買いに来ることを約束し、バイク屋を後にする
好青年のメカニックと愛想の良いオーナー夫婦がやっている良い感じのバイク屋だった

食料とビールを買って宿に戻る
食事を済ませて部屋の自分のベッドにコットを乗せて昼寝
睡眠不足だったので熟睡
夕方何やら騒がしいので目が覚める
何やら知らない男が蒸気を吹き出す機械で、屋根裏と壁との間の境に蒸気を吹き付けているいる
朝スタッフに昨日寝られなかった苦情を言ったら、何とかしてみると言っていてあてにはしていなかった
でも、早速業者を呼んでくれたようだ
この宿は虫が出るのだけがダメなところで他は特に問題なく、スタッフも真面目で誠実に接してくれる
虫の件を話した時も、今晩泊まらないんだったら宿代は返金するよとも言ってくれたが予約したのはもう1泊だけなのでこれから宿を探して荷物を移動させるのも面倒だ
もう一晩、この宿で泊まる事にする

タバコを吸ったりWi-Fiでネットをしたりして眠くなったので、23時ごろに部屋に戻って寝ようとしたらまたかゆい
蒸気でも駆除できなかったようで、コットの上で寝てても痒い
諦めて昨日と同じ裏庭で寝た
他の客たちは、よく平気で寝られるよな

本日の走行距離18km