コーカサスから中東へのバイク旅行 (その95)
2023/10/29 (その2)
自分のバイクの整備は終わったのでスーリ達は他のバイクの修理に取り掛かっている
グアランは手が空いたのか店の隣の高圧洗浄機で自分のバイクを洗ってくれている
さて、そろそろ今晩泊まる場所を確保しなければいけない
スーリ達にどこかキャンプできる場所がないか聞くと、グアランが自分の家に泊まればいいと言ってくれた
嬉しい申し出に、即泊めてもらうことにする
ありがとうグアラン
ところで、料金はいくらだいと聞くといらないと言う
グアランには、エンジンオイルを交換して貰いタイヤはめてもらって、バイクも洗ってくれている
それはダメだとお金を払おうとしても受け取ってくれない
スーリの方も同じでお金を受け取ってくれなかった
本当になんと言ったらいいのか分からないぐらいホスピタリティーが強く誇り高い人達
こんな人たちを好きにならない訳が無いのだ
17時を過ぎて、スーリとグアランの店も店じまい
バイクをグアランの店に入れてシャッターを閉め、荷物を持ってグアランの家へ
他の皆も、各自帰っていった
あれ?今日皆で馬鹿話をしていた時に今日仕事が終わったら皆で酒を飲みに行こうって言う話をしていたのに冗談だったのかな?
家は店からすぐの場所にあった
シャワーを浴びておいでと言われて浴室を借りて、シャワーを浴びる
自分の後、グアランもシャワーを浴びているその間まったりしていると、浴室から出てきたグアランが、ヨシ出掛けようと言う
何処へ?と聞くと酒を飲む仕草
キターっ!! 🍺🤤
家の外に出ると1台のフォード製の車が待っていて、それに乗り込む
運転手は、昼間バイクを整備してる時にいた人物で彼とは喋りはしなかったが彼の名前はアカム
グアランの兄弟で軍で働いてるらしい
彼の運転で酒屋に向かう
到着したのは、大きめだが普通の酒屋で酒とコーラ、水を買い込んで店の外にある屋台で豆を煮たものを買い、次の場所へ
今度は焼き魚を売っている店で、大振りの鯉のような魚を開きにしたものを網で挟んで焼いていた
魚はしばらく食べていないせいもあって凄い美味そう
必要なものが揃って後は宴を開く場所に向かう
到着したのは、キルクークの郊外の小高い丘の上にある農園
夜だからあまりよく見えないなぁ。彼らが農園と言っていたのだからそうなのだろう。
大きめの小屋が作で囲まれた一鶴の中に立っていて、ゲートを開けて中に入り番小屋?の庇の下で宴会開始
といっても、酒を飲むのは自分だけでグアランとアカムはコーラで乾杯
ん〜
んまい‼︎
さて、魚に手をつけるか
ひと口食べてみると、おいしい
肉厚、油が乗っている白身の肉質で川魚2ありがちな臭みが全くない
これがチグリス川で獲れる魚か〜
後で調べると、この魚はマスグーフと言う名前でイラクでも人気のあるご馳走らしい
アルビルであった王さんが機会があったら食べたほうがいいと勧めていたのもわかる
大きな魚の開きを2つ買ってきたが、そのうちの1つを全部食べていいと言う
いやいや、無理
もう歳なので、見かけほど量は食べれない
ビール500缶を3本と魚を7割ほど食べて、ギブアップ
は〜、食った食った
買ってきた煮豆はほとんど手をつけられなかった
この煮豆味付けがすごく酸っぱい
イラク人の好みの味付けなのだろうが、イラクの料理は酸っぱい味付けのものが結構多い
飲み食いが1段落して翻訳アプリを使ってコミュニケーション
アカムは良い車を乗っているが、軍隊の給料は良いのか聞くと良くないと言う
1ヵ月の給料が100ドル位だそうだ
そして車の値段を聞くと、3万ドルだと言う
?
そんな給料では、3万ドルの車はとても買えそうにない
何か良い方法があるのか聞いたら彼は二軒の家を持っていて、一軒を売ってそのお金で買ったと言う
一方グアランは何となくおとなしい
昼間若い奴らを相手にずっとハイテンションでギャグを飛ばしているのと対照的
日本の芸人と一緒で、オンとオフの切り替えをして精神的なバランスを取ってるのだろうか?
それにしても、2人は仲が良いようで、今着ているシャツもお揃いだ
朝程度落ち着いたので、宴はお開きにして片付けをして街に戻る
公園の近くの農場に車を止めて、近くのスイーツを売る店でプディングを買って公園に戻るとハッジが来ていて合流する
ハッジとはムスリムの中で、メッカ巡礼を済ませている人を表す尊称で周りから敬意の対象となる
ハッジとは昼間に会っていて、タバコを切らせて買いに行こうとする自分を車で送ってくれて、タバコを1カートン買ってくれた
英語をしゃべり、知性を感じさせる雰囲気を出している
国営の石油会社で働いているらしい
4人で公園の芝生に座りデザートをいただく
ハッジにクルディスタンの旅行はどうだったか聞かれ良い出会いに恵まれて、楽しかったし、クルディスタンは好きだと答えるとうれしそうにしていた
聞くとスーリやグアラン達も全員クルド人だと言う
どうも、自分はクルド人に縁があるようだ
これからの予定を聞かれ、ティクリート、サマーラに行くと言うと、ここから先のアラブ人は自分たちと違うから気を付けろと言う
アリー達もそうだったが、ティクリート方面に行くと言うとなぜ行くのか聞いてくる
何か問題があるのか聞いても、特に具体的に問題があるような事は言わない
よくわからないが、少し気をつけなければいけないかもしれない
ハッジと別れカフェに向かう
アカムの運転は安定しているが、前が空いていると面白がってスピードを出して運転する
しかし、自分は車内TVに映る男性歌手が歌うイスラムのリズムに乗って、踊る女性のムチムチのオッパイを観察するのに夢中
全く以て実にけしからん胸だ
カフェに着くとスーリが来ていて4人でチャイを飲みながらドミノを楽しんでキリのいいところでお開きなった
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