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ウィーン・マルガレーテ、リスタート!!―TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期第2話「トマカノーテ」

 驚きの止まらない第1話から始まった、『ラブライブ!スーパースター!!』TVアニメ3期。今回は第2話の感想をお届けします。2期から出番を重ねてきたマルガレーテですが、いよいよ彼女の想いが結ばれていく展開になり、ますますこれからが楽しみになる第2話でした。

かのんとマルガレーテ――似て非なるもの

 サブタイトルにもあるように冬毬・かのん・マルガレーテが結成した「トマカノーテ」の3人の出番がほとんどでしたが、特にマルガレーテの話がメインになりました。誰か可可と同じようなネーミングセンスの持ち主が混ざっているらしいですね…。
 しかし、まさかかのんとマルガレーテでドキドキでキャッキャウフフな同棲同居生活が始まるとは…。2期ではインターナショナルスクールに通っていたようですから、おそらく寮かどこかに住んでいたのでしょうが、こんなベタなラブコメ的展開が見られるとは思っていませんでした。マルガレーテの言動もベッタベタなツンデレだし…だがそれが良い。この同居もどこかで意味を持ってくるのか、どう描かれていくのか、今後が気になるところです。
 そういえば冒頭の前話の振り返りで、かのんは名前呼びでしたが、千砂都のことは先輩と呼んでいました。同居となると2人の距離は相当縮まりそうですが、これまでのライブの幕間映像のように、どこかでかのんも先輩呼びになるのでしょうか(第1話の冒頭はさておき)。

 かのんとマルガレーテが打ち解けていく姿、さらには2人が似た者同士であることが感じられたわけですが、一方でステージ直前の姿から2人の決定的な違いも見えました。
 歌うことが大好きなのは共通項ですが、かのんの場合は観客から見られることを考えすぎて、その不安や恐怖から歌えなくなってしまっていました。一方のマルガレーテは、歌えなくなった時期があるかどうかは明かされていませんが、歌が好きだという純粋な気持ちが曇っていくなかで、観客のことを意識から外すことによって歌い続けられた…いや、歌い続けられてしまった。だからこそ、届ける相手のことを考え始めた瞬間に現実が見えてしまったわけですね。その瞬間の表情は見ているこちらまで苦しくなってしまうものでした。
 以前のマルガレーテであれば、観客に理解されないからといって、歌うのを諦めることはなかったでしょう。これは3人で練習を重ねる中で得られた成長でもある反面、彼女の弱さが表出したとも言えそうです。

始まれば君の空
未来への道が どこかに隠れてるかも
きっとあるよ あるんだ だから確かめに行こう
手をつないでおけば 怖くない!

始まりは君の空 / Liella!

 つい引用したくなるこの歌詞、やっぱり『ラブライブ!スーパースター!!』を象徴していますよね。
 観客に届けることを考えられるようになっただけでは、一人のままだったら、あのままステージを去ることになっていたでしょう。だからこそ、手をつないでくれる仲間がいることこそが、マルガレーテにとって本当に必要なものであり、それに気がついた「Bubble Rise」のステージはマルガレーテにとってのリスタートになりました。
 しかしこう見ると、かのんに歌を学べと送り出したマルガレーテの家族は恐ろしく見る目がありますよね…。「世話になる以上、相手が誰であろうとお返しするのは私のモットー。」と言っていましたが、聴いてくれる観客へのお返しの気持ちを持って歌えるようになれば、きっと誰よりも素晴らしい歌を響かせてくれるのだと思います。そんな一歩を踏み出したマルガレーテの将来、本当に楽しみですね。

 これは余談。「Bubble Rise」は海の中がモチーフの楽曲でしたが、海の底って、星のある空からは一番遠い場所なんですよね。だからすみれのグソクムシ設定があるわけなんですけれども。
 あれ?そういえばマルガレーテの魔術(やってない)に対して、すみれの呪い(こいつはやった)もありましたし、やっぱりこの2人って似ている…。1期第4話同様に、似た者同士のかのんでなければ救えなかったですし、仲間が大切だと気がつく流れも近いものを感じますよね。

謎多き少女、鬼塚冬毬

 第1話ではまだ名乗らなかった冬毬も、第2話から本格的に物語に加わってきました。そりゃ夏美の妹なんてかのんもマルガレーテも驚くのは当然ですし、屋上での夏美の反応といったら…かわいいですねえw
 メイの「そういえば前に、妹がいるって言ってたよな。」という発言、まあ視聴者たる我々は聞いたことはないんですけれども、作中には描かれない日常があることを感じさせますね。ずっと存在を隠しているとなると訳アリ過ぎないかと少し心配もしていたので、ある意味安心した部分でもあります。まあ訳アリなのには変わりなさそうですが…。

 2期第6話で夢に対する想いを語った夏美ですが、思えばそれ以降はいわゆる「オニナッツ的」な立ち回りが多く、胸に秘めた本音はあまり出さないキャラクターでもありました。夢見ることが大好きで、Liella!としての活動を通して本気で夢に向かって走り続ける、夏美の本音に久しぶりに触れられて嬉しい限りですね。

「私があちらに入部した動機は、スクールアイドル活動というものが根本的にどのようなものなのか、この目で確かめたいと思ったから。この一点のみです。」
「姉者がいないグループに在籍することで、いろいろ冷静に分析できるかと思いまして。」

「スクールアイドルは…きっと姉者を傷つける。」

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期第2話「トマカノーテ」

 一方の冬毬の発言を見てみると…あ~~~これは姉妹で似ちゃってますね。見た目などいろいろ似てないなと見せかけつつも、つい本音を隠してしまうというところが、鬼塚姉妹の共通点のようです。

 夏美は「一人で動画配信をしていた時は、応援してくれていた」と話していましたが、2期の序盤でアルバイトに励んでいたように、夏美の動画配信は利益が出るような状況ではなかったはずです。これまで第2話で見えた言動から察するに、実際は利益を得ることが一番なわけではなく、「叶わない夢が大好きな姉者を傷つけてきた」ことこそが、冬毬にとって最も重大なことであるように見えます。
この答え合わせは後々にあるはずですが、夢をテーマとする『ラブライブ!スーパースター!!』という作品において、「夢を否定する」キャラクターの想いが結ばれることは、大きな意味を持つことになりそうです。
 トマカノーテとして活動してきた結果出てきた「…残念ですが。」と「価値のあるものとは思えませんが。」の言葉と表情の真意、そして夢を歌に乗せたマルガレーテの姿を見て何を想っているのか。まさにこれからのお楽しみというところですね。

 他にも冬毬は謎めいた点がまだまだ多く、特にその身体能力については本当に気になるところです。ラブライブ!優勝グループのリーダーである、かのん並みの体力の持ち主だったとは衝撃的。神社での練習シーンで「プリズムジャンプ」とか言ったやつ許さんぞ、それにしか見えなくなっちゃったじゃん。
 しかし比較する相手が相手でもあるのですが、マルガレーテは体力的にはまだまだという描写には驚きました。確かに歌に特化したキャラクターではあるのですが、ほぼ歌だけを武器にして東京大会2位まで上り詰めるってすごすぎて…。

その他細かいポイント

 オープニング後の部室のシーンで、すみれが「かのんは超~のつくお人よしだけど」と言っているところが個人的に好きなんですよね。かのんがお人好しなのは事実ですが、すみれ自身を含めそこに救われてきた部分もあり、そしてすみれがバランスを取ってきた部分もあり。そんな絶妙な信頼関係を感じさせてくれるセリフでした。かのすみはいいぞ。
 あと、2期第7話で2期生がすみれに買ってきた、メロンのパンダのかぶりものが部室にサラッと置いてあったのに気が付きました。なんだかんだすみれも嬉しいのかなあ~。

 今回は学校内がメインかと思いきや、新たな聖地が2つ登場してワクワクしましたね。「Bubble Rise」が披露されたステージとなった、表参道ヒルズがようやく登場したのがひとつ。そしてトマカノーテの3人が練習していた、千駄ヶ谷の鳩森八幡神社の登場には驚きました。
 渋谷に足繁く通うなかで、原宿の混雑を避けて食事をしたり国立競技場に行ったりと、千駄ヶ谷や北参道駅周辺が割とお気に入りのエリアだったのですが、まさかそこから聖地が生まれるとは…。超個人的な話ではありますが、非常に嬉しいシーンでした。3期でももっと渋谷のいろいろな場所が出たら良いなあ。

 リエラのうたパートは、前回に引き続き「dolce」を冬毬が披露しました。またすみれっぽいグソクムシのぬいぐるみが出ていましたが、手が短すぎるからか、チョロ毛を掴まれているのを見て大笑いしてしまいましたw 一匹?一人?だけ扱いが不憫すぎるw
 しかし第1話のマルガレーテ版にはマルガレーテっぽいぬいぐるみ(アレ何の動物?)が出ませんでしたが、冬毬には冬毬っぽいうさぎが登場していました。このあたりも何か意味があるのでしょうか?

と、いうわけで

 第1話は情報量も多く長くなってしまいましたが、第2話の感想はこの辺りで。この話は冬毬を中心に明らかになっていない部分も多く、最後まで見た後に戻って来ると、新しいことが見えてくる話かもしれません。それがラブライブ!シリーズの良いところだよな、と個人的に思います。

 それでは次回、第3話でお会いしましょう。次回は渋谷でリアタイ予定なのでそれも楽しみ。いやいやいやいや、次回予告見ただけでも分かるぞ、第3話絶対ヤバいだろ!

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