始まりは君の空―TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期第12話「ずっとずっと!」
僕にとってラブライブ!シリーズの根底とも言えるセリフがある。
2020年1月19日、さいたまスーパーアリーナで開催された「LoveLive! Series 9th Anniversary ラブライブ!フェス』で新プロジェクトが発表された瞬間が、僕と『ラブライブ!スーパースター!!」との出会いだった。Aqoursが歴史を受け継ぎスクールアイドルを自由にしたこの世界で、どんな新たな物語が紡がれるのだろうかと、冷静に、でも期待感を持って見ていた。
そこからプロジェクトに関する詳細が徐々に明かされていき、忘れもしない2021年1月30日、キャストが出演する初めての生放送の日。一般公募のキャストを含む5つの小さな星たちの姿を見て、Liella!のことを信じて応援していきたいと感じたことをよく覚えている。そして、そこで初めて試聴動画の公開により披露されたデビュー楽曲こそ、「始まりは君の空」だった。
ラブライブ!シリーズのデビュー楽曲といえば、歌うグループ自体を体現するような楽曲。だから、美しいメロディとドラマティックな展開、そして何より新たな夢を伝えてくれる歌詞に、僕は強く強く惹かれることとなり、Liella!への想いも強くなっていった。
時の状況のこともあり、当選していたはずのリリースイベントがオンライン開催となり、初めて直接受け取れる場だった「Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~」の初回となる群馬公演Day1も直接の参加が叶わないなど、最初はうまくいかないことも多かった。でも、群馬公演Day2に備えて泊まっていたホテルの部屋で、Day1公演の配信を見ていたとき。
この歌詞を歌いながら、キラキラと輝く笑顔でステージに立つ5人の姿を見て、大げさでもなんでもなく、それまでの人生の中で一番というくらいに泣いていた。あの日、砂浜で希望だけを胸に抱いて話していた少女たちは、確かにここにいるのだと。スクールアイドルが受け継いできた夢はいま現実になっているのだと。「始まりは君の空」という楽曲は、僕にとって特別なものというばかりでなく、Liella!という星の輝きを見続けていくための理由そのものになっていった。
それからも「始まりは君の空」を目の前で披露されるたびに涙を流していたが、僕が目にしたのは「Liella! ライブ&ファンミーティングツアー ~Welcome to Yuigaoka!!~」名古屋公演Day1が最後だった。2期生が加わりMVと人数が合わなくなったこともあって、しばらく披露されないだろうことも僕自身理解していた。
ただ、僕は2期生の加入が本当に嬉しくて4人に期待していたし、後輩として5人の先輩たちに食らいついていこうとする姿には、「始まりは君の空」が歌うLiella!の夢の力が確かにあると強く感じていた。だからきっと、いつか最高の形でこの大切な楽曲に再び巡り会える日が来るはずだと信じ、それが自分にとっての願い――いや、夢とすら言えるものになっていた。
自力ではどうしようもないことを夢と呼ぶのは、なんだか変な話だと自分自身も思っている。それでも、この楽曲のことを考えなかった日は1日たりともなかった。「始まりは君の空」がLiella!の根底にあるものだと信じてやまなかったし、何よりそう信じていたからこそ、姿を変えていくLiella!と一緒に2年と少しの期間を駆け抜けてくることができた。
そしてその想いは、3期生が加わり11人のLiella!が完成してもなお、変わらないどころかより強くなっていった。こんなにも多くの感動をくれるLiella!が紡いでいく素晴らしい物語の先に、必ずや夢見たものが待っているはずだと確信していた。
ああ、強く願って信じていた夢が叶うって、こういう気持ちなんだ。Liella!と出会うまで夢と言えるようなものを持ったことなかった僕にとって、とても言葉に出来ないくらいの想いが押し寄せてきた。この幾度となく頂上まで上った建物が映った瞬間、全く制御できないままに溢れ出てくる感情が、涙を流し全身を震わせていた。これまでLiella!を、『ラブライブ!スーパースター!!』を信じ愛し抜いてきて、ようやくここまでたどり着いたんだと。こんなにも嬉しくて幸せなことはないと。
ラブライブ!シリーズで初めて3年間という期間を描いたTVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』。彼女たちは悩んで、迷って、時に夢を見失いかけて、それでもとにかく前を向いて夢のために未来へと走り続けてきた。プロジェクトスタートから見守ってきた僕自身、結ヶ丘の1期生のような気持ちになっていて、こんなにも尊くかけがえのない青春と感動、そして夢をくれたことへの感謝は計り知れない。
そしてそれは、結ヶ丘での物語からの卒業式を迎えた僕にとって、この先もずっと大切なものであり続ける。『ラブライブ!スーパースター!!』と出会えて良かった。ずっと向き合ってきて良かった。本当に、本当に、ありがとう。
この作品と出会えたことは、僕にとっての誇り。
だから、これからも、ずっとずっと!
Liella!と一緒に素敵な歌を響かせ続けよう。
Liella!への熱い想いと大好きを持って進もう。
Liella!のことを絶対に信じて愛し続けよう。
Liella!と一緒にどこまでも駆け抜けていこう。
Liella!と一緒に夢見続けよう。
この先に何があるのかは分からない。でも、この結ヶ丘で青春を駆け抜けた記憶を胸に、Liella!と一緒に手をつないでおけば怖くないから。だから、Liella!と一緒に未来へと進んでいこう。
かのん、可可、千砂都、すみれ、恋。
卒業おめでとう。
きな子、メイ、四季、夏美、マルガレーテ、冬毬。
きっと大丈夫。
Liella!のみんな。
これからも、ずっとずっと、よろしくね。