みんなの願い、本当の歌―TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』3期第7話「Liella!に勝つために」
いよいよ後半戦に突入した『ラブライブ!スーパースター!!』TVアニメ3期。いやいや早すぎるって…。第6話ではいよいよLiella!がひとつになる予感が垣間見えたわけですが、そこに至るまでにはもう一歩乗り越えなければいけないようです。前話に比べて比較的ライトになったように見せかけて、重要なことを伝えてくれた第7話。今回も振り返っていきましょう。
みんなの期待と新たな可能性
結ヶ丘の生徒の会話から始まる第7話。第4話でもひとつのLiella!になる期待を寄せられていたことが描かれていましたが、実際に11人でパフォーマンスをする映像を見て、それを「Liella!」と呼ぶほどにその期待は高まっていました。そして他ならぬLiella!メンバーやかのんだけでなく、マルガレーテと冬毬の気持ちすら揺れ動いていました。
その2人の話は次項に置いておくとして、ここで実際に動いて手を差し伸べようとしたのが2年生の4人というのが本当に良くて。3年生の5人だったところに加わってLiella!の可能性を広げてきた2年生たちが、またこうして新たな可能性に気がつき挑戦しようとするのを見て、後輩に受け継がれていく演出って良いよね…とジーンと来ていました。
第3話でも書きましたが、やっぱりメイの紡ぐ言葉が好きで…。千砂都なり恋なりメイなり、意志がストレートをストレートにぶつけらると強気のマルガレーテが押されるのも、それぞれの意志と意志のぶつかり合いという感じがしてすごく好きです。
今回は結局説得できなかったわけですが、ここで最後に思うところがあるように振り返るきな子の姿が印象的でした。これまでも2年生に焦点を当ててきたTVアニメ3期ですが、これはいよいよきな子の物語が動き始めるのでしょうか…。第7話の後半では8人が「かのんなら丸く収めてくれるだろう」という期待感を滲ませていましたが、第1話でかのんとの別れに涙したきな子ならば、ただ流れに身を任せるのではない、何か大事な答えを見つけてくれるのでは…と期待しています。
本当の歌へ、最後のステップ
1年生の2人が上海での経験から葛藤するなかで、どちらもそれぞれで抱え込んでしまうのがらしいですね。冬毬が「今宿題やっているところです。後にして下さい。」と言ったのに表れているように、宿題として1人で向き合わなきゃいけないと考えているところに、2人の意志の強さを感じます。
ですがお人好しのかのんはそこを見逃さない。マルガレーテが珍しく迷いを見せ始めたのを見て、いよいよその時だと判断していました。お冬毬会ならぬお泊り会でコミュニケーションを取りたいと話す姿に、2期第10話で9人で楽しく遊んだ1日を思い出しました。
2人の心を覆う氷が溶けてきた今、あえて昨年の東京大会の舞台――渋谷駅前に2人を連れて行ったのも、やはりあの時披露した「Sing!Shine!Smile!」という楽曲に答えがあるからでしょう。上海のステージでの経験を得た2人とだからこそ、大切な想いを素直に歌に乗せられるかもしれない。本当の歌を感じてもらえるかも知れない。そしてその先はきっと、かのんが目指すひとつになれる未来。でもそのためには。
冬毬の理解力が高いとはいえ(姉とはいえ夏美の言うことを完全に察するのは判断が早い👺)、上海でのライブからスクールアイドルの本質にまでほぼたどり着いていたんですね。驚きました。
そう、本当に必要なことは、ただ同じグループに属していることでなく、想いをひとつにすること。「Liella!に勝ちたい」「夏美の気持ちを確かめたい」という、氷に覆われた2人の心の奥底の想いを引き出したいのならば――そこに答えがあるのならば、全力でLiella!にぶつかってその先の景色を見るしかないのです。
そして何より、かのんも2人に合わせているわけではないというのも大事でしょう。かのんはマルガレーテと冬毬の話を色々と聞き出したのに対して、自分自身の話を全然していません。想いをひとつにしてパフォーマンスをすることが大事である…ということは、純粋にこの2人の想いを叶えたいのと、その先にある答えが目指す未来であると確信しているのでしょう。
最後にマルガレーテと冬毬がかのんに何を伝えたかはまだ分かりませんが、絵馬に書いてあったこの願いはもうみんなのものになったようです。11人はもちろん、結ヶ丘の生徒にとっても、作中のLiella!のファンにとっても、そして私たち視聴者にとっても。
ただ、それでも一度は全力でぶつかることになるはずの第8話。この時点でひとつになるのではなく、それぞれの想いを本気で描こうとする『ラブライブ!スーパースター!!』がやっぱり大好きなんですよね。
その他細かいポイント
笑いを誘うシーンも多かった第7話。あれだけ絆が固い2年生4人ながら、夏美の扱いは相変わらずというかなんというか…w あとすみれの「うまくやって解決ギャラクシーよ✌」がめちゃくちゃ腹立つなコイツw
ちなみにちょこちょこ出てくる謎のスタンプなんなんですか?早く商品化してくださいよろしくお願いします。
結ヶ丘での日常だけでなく、澁谷家の日常が垣間見えたのも第7話の良いポイントでした。「狭いところだけど。」と我が家のように言ったり、かのんの部屋の漫画を第7巻まで読み進めていたりと、マルガレーテもなんだかんだ澁谷家の生活をのびのび満喫しているようです。実家だと気を張っていた部分も…あるのかなあ。
同い年のありあとの絡みもこれまで描かれていませんでしたが、ありあの「言うねえ。」の一言に2人のいい感じの距離感が見えましたね。めちゃくちゃ助かりました。もっとください。
あと冬毬の「なななな…」でジョイマンとか言ったやつ誰だよふざけんなw
今回登場した場所は原宿が少なめで、渋谷や千駄ヶ谷エリアが多かったですね。個人的にも渋谷は行動拠点として、千駄ヶ谷は人混みを避けるために行くことが多いため、それもちょっと嬉しい第7話でした。なかでも鳩森八幡神社から国立競技場へ下りる坂道は、北参道駅をよく使う私にとっても馴染み深い場所で、第7話をリアタイする直前にも通っていたのでビックリしました。
ちなみに最後のシーンは思いっきり夕方なのに対して、東側の国立競技場から日が出ていて、めちゃくちゃ嘘をついた演出になっています。国立競技場から日が昇るというとTVアニメ3期のキービジュアルを思い出しますが、あちらも方角的にはありえない絵。つまり、これは嘘をついででもやりたい象徴的な演出と言えます。これからどんな意味を持っていくことになるのか、楽しみですね。
と、いうわけで
第7話を簡単に振り返ってみました。第8話に続くためまだまだ分からない部分もありましたが、まもなくLiella!がひとつになれるだろうという期待感は最高に高まっています。トマカノーテとLiella!の対決はどうなるのか。Liella!として完成するその瞬間に、一体どんな答えを見せてくれるのか。これまで5人、そして9人と結ばれてきた場である結ヶ丘の学園祭で繰り広げられるドラマに期待しています。