正しいルールを周知するための正しい方法がわからないって話

嘘のルールに自信ニキが蔓延っていた頃に「間違ったルールを教えてくる人もいるから、ルールに疑問があったらTwitterじゃなくて公式に問い合わせよう」という情報発信をした。

幸いなことにその考えは多くの人に支持され、広められ、今では「疑問に思ったルールについて問い合わせ、さらにその結果を共有する」という流れもできつつある。
素晴らしい。とてもよいことだと思う。

その一方で。
特定を避けるため盛ったり削ったりしてるので事実とは多少離れるが、こんな場面を目にした。

とあるプレイヤーAが、あるカードの効果について解説ツイートをしていた。
そこに最近ポケカを始めたと思われるプレイヤーBが、こうリプライを送る。
「それ、公式に問い合わせた結果ですか?」

プレイヤーAはルールエキスパートの資格を保有する、いわゆる「有識者」である。
同様の効果を持つカードでの裁定を知っているため、Aにとってはわざわざ公式に問い合わせるまでもない単純明快なルール解釈である。
ただし、始めたばかりであれば勘違いを起こしそうなテキストでもある。だからこそ、Aは解説ツイートをしていたのだろう。
Aはリプライに、こう返す。
「いいえ、問い合わせはしていません。」

それを受けたBのリプライ。
「公式に問い合わせてから、その結果を教えてください。」

誰が悪いという話ではない。
誰が間違っているという話でもない。

Aは正しいルールを周知しようとした。
BはAが嘘のルールに自信ニキである可能性を考慮し、適切な対応をとった。

今回はAが解説していた裁定が正しい。
しかし、Aには「正しいルールを周知しようとしたのに言いがかりをつけられた」という気持ちが、BはBで「公式からのエビデンスもないのに何を偉そうに」という気持ちが、それぞれ残ったであろう。

誰も幸せになっていないように見える。
端から見ていた僕もモヤモヤな気持ちになる。
なったから、こうやって記録に残している。
当事者たちは全く気にしていないかもしれないが。

僕自身ルールエキスパート資格保有者の一人として、Aのようにルール解説のツイートをするだろうし、Bのようにエビデンス不明の解釈に指摘をすることもあるだろう。
どちらの立場にもなりうることを考えたら、今後どう立ち回ればよいか、正解が見えなくなった。

確固たるエビデンスで武装しなければルール解説ツイートが許されない、そんな世界は美しくない。

命の数。

ここから先は

0字

¥ 158

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?