
俺はTiltなんかしたことないって人に読んで欲しいNote
こんにちはこんばんわKuZです。
「沢山Noteを出そう」をという事を考えているわけでは無いのですが
最近気になった事があったので、
またNoteを書いています。
今回の内容はTiltについての話です。
まず、この話を書くきっかけについてお話します。
ここ最近はありがたいことに、
イベントや解説のお仕事を頂くことが増え、
その際に様々な方がPokerにおいてのアドバイスを
聞いて頂くことが多くなりました。
その際に割と多くの方から
「僕はTiltはしないんですが」
「Tiltしててもプレーには影響ないんですが」
こういう感じの事を言われることがあります。
勿論、その方の意図というか
何故そういう事を言うかも
何となく理解していますし
皆さんいい人の事が多いので
全く揶揄するつもりは無いのですが
今回はあえて、言わせてもらいます
いやいや、ご冗談を。と
長らくPokerに携わっておりますが
Tiltをしにくい人ならばいざ知らず
Tiltをしててもプレーに
影響が出ない人なんて人はかなり稀ですし
ましてやTiltをしたことが無いなんて
正直、普通の人間では
到底不可能だろうというのが僕の感覚です。
勿論、そもそも真剣にやっていないのであれば
そういう事もあるかなとは思います。
とはいえPokerを真剣に打ち込んでいる人が
今までTiltしたことが無いというのは
「それ、Tiltを自覚していないだけなのでは?」
と思ってしまうのが本心です。
今回は自分の中で
「Tiltというものが何なのか?」
「どのようにすれば、Tiltが減らせるんだろうか?」
このような所に関して
Noteを書いていこうと思います。
僕は心理学を専攻していたり、
特別知識があるわけでは無いので
あくまで自分の経験で思った事を書いていきますが
皆さんのTiltが少しでも和らげば幸いです。
そもそもTiltとはどういう状態を指すのか?

そもそも言葉の意味として
「Tilt」は傾ける・傾くといった単語だそうです
SlangとしてPokerのようなゲームでは一般的に
「プレイヤーが合理的な判断をできなくなり、
感情的な行動をしてしまう状態のこと」
を指しています。
よくある勘違いとして
怒り狂っている人を見た際に
「Tiltしてるww」
とまあこんな感がTiltなんだ
と、理解している人は
多くいると感じているのですが
実際には、
「今日めっちゃ負けているから
微妙なハンドは全部Foldしようと思っています」
こういうのもTiltに当てはまります。
今日めっちゃ負けている事と
今後来るマージナルなハンドを
持っていた時の判断には
特に関連性が無いのにも拘らず
さも
合理的な選択をしていると勘違いしてしまっている
心理状況だからですね。
実際にはTiltの及ぼす影響は
細かく分ければ無数にあるのですが
「怒ってしまってプレーが無茶苦茶になる」
「意気消沈してしまってPassive、単調なプレーになる」
大きくこの2つがあると理解すればいいかなと思います。
自分の定義するTiltについて

ここまでの文章を読んで
「いやいや、そんなことは知っている!!」
「俺は人からTiltしているなんて言われたことが無いぞ!!」
とまだ思う方もいらっしゃるかもしれません。
あくまで僕個人の解釈ではあるんですが
本質的にTiltは
プレーに関係ない雑念が多い状態になっている事を指すと思います。
例えばPotを落とした時に
「うわー、またラッキーされた。
また俺だけツイてないわ・・・」
こんなことを思う事ありますよね。
これ自体はプレーの収支を向上させる事とは
まったくもって無関係です。
本来は
「ここスポットでこのハンドを
相手が持っているのはかなり標準的だから
特に今後戦略変更の必要は無いな」
「あ~、これがここのスポットで
残っているという事は
TurnのBet sizeを上げた方がより
稼げるだろうな」
こんなことを考えるのが
本来あるべき姿になるかなと思います。
全然関係ない事を考えている時点で
100% Bestな集中状態とはいえず
典型的なTiltよりは影響が少ないものの
プレーに影響があるのではないかなと思います。
とはいえ、、、
普通、何かしら思って当たり前だと思います(笑)
僕もこうなるたびに、
あー、また無駄な雑念に
脳のリソース割いているけど
仕方ないな、集中しよ集中。
って感じで
自分が無駄なこと考えている事を自覚しながら
フォーカス出来る用に
自分に言い聞かせています。
雑念が全く入ってこないような精神状態
所謂、ゾーンに入っているような状態が理想形なのですが
自分の場合はそこには入るのは中々難しく
かなりうまくいっても2時間とかが
限界だと感じています。
Tiltをする事は恥ずかしいことなのか?

まず大前提として
Tiltは人間だったら当たり前にする物です。
勿論、周りに迷惑をかけるレベルで喚き散らしたり
テーブルを叩いたりまで行くのであれば
それは恥ずかしい行為だと思うのですが、
程度の差はあれTiltぐらいはします。
Poker以外の事を考えてもらえたらいいのですが
恋愛でも職場関係でも
精神が全く動かない人なんて
なかなかいないですよね?
なんというか、
Tiltしてたら恥ずかしいみたいな風潮が
割と蔓延している感じがしていて
俺はTiltしない!という事が
Pokerの強い人みたいな感じに
勘違いされている節が
あるのではないかなと思っています。
寧ろ自分の中でTiltに耐性がある人というのは
「どういう時に自分の感情が揺れ動いたり
雑念が発生するのかを深く理解している人」
こちらの方が
遥かにTiltしない人になるのではないかな
と思います。
特にTiltしているかどうかを判断しやすいのは
仲のいい知り合いです。
その人たちに対して
「いや、俺Tiltしているわけではないんだけどさ・・・」
って常に話していたら
「いや、お前Tiltしてるやん!」
とは言いづらいことも多いと思うので
自分が改善するきっかけを逃してしまう事は
多いかなと思います
Tiltの原因は理想・期待とのGap

Tiltを引き起こす原因については
正直、無数にあるので全てを書くのは
難しいのですが
自分が要因の大部分を一言で表すとすれば
「自分の理想や期待した結果とのGapの大きさ」
これが精神の動揺を引き起こしているのではないかなと思います。
典型的な例を2つ上げます
①強いハンドが弱いハンドに負けた瞬間
例えば、AAでQQに負けてしまったというので
過剰にイライラする事はあると思います。
特にトーナメントの最終盤や
大きなPotの時にこれが負けると
誰だって「ふざけんな!運ゲーじゃね~か!!」
って思いますよね。
とはいえこれ
「AAがQQに100%勝ったらそれはイカサマです」
相手からすればトナメの最終盤でQQが入ったのに・・・という感じで
そもそも強いハンドに
相手が乗ってくれる状況になっていること
自体が僥倖なわけですね。
※Post Flopでも勿論同じです
これは
自分が強いハンドが入っていたら勝つ筈だと
心の中で思っていれば思っているほど
大きくイラつくことになります。
②相手に自分の意図が汲み取ってもらえなかったとき。
例えば、自分にとって非常に
難しいスポットに直面し
考えに考え抜きBluffを試みた所、
相手にCallされた。
そのとき相手から
「あ~、我慢できなかったんだ」
こんな感じの事を言われたときの事を
指しています。
まぁ、これに関しては普通に失礼なので
ムカついても仕方ないと思うのですが
やっぱり
自分の考えた変遷を分かって欲しいと思うのが
真剣にプレーしている人の常だと思います。
とはいえ、
世の中そんなにいい人ばかりでもないし
そもそも上手い側のプレーは下のレベルの人には
意図が全く理解してもらえない事が普通なので
これもある意味理想とのGapがある
部分なのかなと思います。
余談ですが、
Potが終わった時に
何か言ってしまうのは辞めた方がいいです。
ここまで失礼な事とっさに言ってしまう人は
「相当なボンクラだな」だと思いますが
そもそもPotを落とした相手に対して
Bestな言葉を投げかけるのは
滅茶苦茶難しいです。
余計なトラブルが起こる可能性があるので
無言に徹するのがベターだと思います。
とまぁこんなところが理想と
Gapの例になるかなと思います。
このようなGapが全く起きないなんてことは
有り得ないので、Tiltをする前提でどのように
Tiltと向き合っていけばいいのかを
最後に話していきます。
Tiltとの向き合い方

ここまでの話で、
そもそもTiltはするものという事について話をしてきました。
結局Tiltで困るのは
精神状態によってプレーのレベルが
大きく変動してしまう事
って感じになるかなと思います。
これは結局程度の問題で
誰でも調子がいいときはプレーは良くなるし
負け続けてたらプレーの冴えは衰えます。
重要なのは自分が戦うFieldに対して
精神状態が悪くても
平均プレイヤー以上に収支が出せる事。
もしくは悪い状態の時に
自分で気づいてその場を離れられる事
この2つが目指すところになるかなと思います
自分の思う改善策としては
① Pokerの基礎レベルを圧倒的に上げる
② 自分のパーソナリティを深く理解する
③ そもそものストレス耐性を上げる
大まかにこんなところかと思います。
① Pokerの基礎レベルを上げる事に関して
例えば、PreflopでAAを持っている時を
想像してください
自分がどれだけフラフラな状態だったとしても
少なくともチップが持てて、
声が発せれる状態であれば
PreflopでFoldする事は絶対に無いと思います。
なぜならPreflopでAAは最強のハンドだと
みんな分かっているからですね。
要するにこれをもっと高い次元で
やれるようにします。
例えば、簡単なところだと
BU vs BBの3bet RangeはBB側の
レンジはポラライズレンジになる
ただ、Deep Stackになればなるほど
Preflop以降の発展性の重要度が上がるため
完全なポラーでは無く
リニアに近い構造になっていく
こんな感じで基礎を理解して
レンジ構築を理解していく事で
イラついていてもミスのしようが無いスポットを
多く持っておくという感じになります。
勿論、Tiltの度合い次第では
使いこなす能力も落ちていくと思いますが
一定レベルのミスを
絶対に起こさないように出来ます。
② 自分のパーソナリティを深く理解する事に関して
これはTiltを減らす、
程度を軽くするのには非常に重要かと思います。
自分の感情なんかを深堀していくので
メモなんかで書くのが一番いいと思います。
・どのような時に自分はTiltするのか?
⇨これは雑念が生まれたり、
何かしらの感情が湧いたと思った時に
その瞬間をメモすると
見えてくるのではないかなと思います
・Tiltの原因を考える
⇨一個前のメモした物から、
それがどういう類のものストレスなのか
抽象化していきます。
負けたことそのものが嫌だと思うのか?
相手の態度に対して腹が立っているのか?
勝ちすぎて及び腰になっているのか?
細かく分解すると自分が
何にストレスを感じやすいのかが
分かってくるのではないかなと思います。
・Tilt後の自分のプレーの影響を分析する
⇨最終的に普段、自分がストレスを感じた時に
どのようなアクションに寄ってしまうか?
平常時との自分の乖離を理解します。
そうする事で、プレー中に
ダブルチェックが出来るからですね。
前日のハンドを振り返るときなんかに
「なんでこんなことしているんだろう?」
という事があればそれは、
自分を理解するチャンスだと思います。
結局の所、Tiltを無くすことは人間だと
出来ないと思うのですが
自分の性質を深く理解する事で
ストレス感じているかどうかを
分かるようになることが重要かなと思います。
③ そもそもの耐性を上げる事に関して
これに関しては要するに
沢山プレーしまくって慣れるという事です。
勿論単純なストレス耐性もそうなんですが
これはPokerで起こる分散に身を投じて事で
どのくらいのスパンでゲームを
見なければならないか?
上振れ・下振れはどのくらいの期間、
またBB数でおこるものなのかを
理解するために非常に重要です。
Pokerの分散を真に理解する事は
本当に難しいです。
勝てるレベルじゃない人が
3000~5000bb勝つくらいの事は
普通にありますし。
確実に勝てるプレイヤーが
それくらいのBB数を負ける事はあります。
勿論、それは最終的に収束するのですが
分散を体で理解する事の重要性として
負けまくるストレスが大変なので
理解して慣れるのは当然なのですが、
運よく勝っている人が
自分が勝ち組と勘違いして
過剰にプレーに自信を持ってしまう
という事も防ぐことが出来ます。
分散のシミュレーターとか昔からあるのですが
個人的には
あれも結構なボリューム以下で計算した物だと
95%信頼区間とかはマジで当てになりません。
正しく自分の能力値を把握する事も
Tiltを抑える要素だと思うので
沢山打つことをお勧めします。
最後に

色々長々と書きましたが
途中でも書いた通りTiltを完全に抑える事は
基本出来ないと思っていいと思います。
僕も昔は負けたら
表情や態度にはあまり出ないものの
Tiltしていましたし、
その時のプレークオリティの低下は著しかったと思います。
今でもTiltはしますが
昔に比べると耐性は強くなったと思いますし
最低レベルのプレーが上がっているので
ある程度はクオリティの低下を軽減する事は出来ているかなと思います
Pokerや様々なスポーツ等でも
メンタル専門のコーチという職業があるくらい
精神面の安定は簡単なことでは無いです。
逆に言えば精神面を理解してくことは
Pokerの収支に直結しますし非常に差が出ます。
よく「Tiltしてなかったら勝てる」という人もいるのですが
実際には「Tiltしちゃうから勝てないんですよね」
それはある意味、別軸のスキル不足です。
とはいえそのスキルは得意不得意あるとはいえ伸ばせる
所だとは思うので
良ければ能力を高めていってください
というわけで今回のNoteは終わりです!
最後まで読んで頂いてありがとうございました!