僕と君のブルー
昼間の熱がなかなか冷めない地上から逃げるように
細長いビルの階段を下りて
薄暗いバーに潜り込んだ22時
テーブルよりも並んで座れるカウンター席を選んだ
ピントが合いそうで合わない視線と会話は
ゆらゆらとふたりの間を漂うばかり
ちょうどいい距離をなかなか見つけられずにいる僕たちだ
今日君が着ているワンピースは
ひらひら揺れる裾がなんだか人魚のしっぽみたいだ
今君が口をつけているカクテルは
梅雨が明けたあとのまぶしい空の色みたいだ
君は小さくためをつき
最近何もかもがつまらないのとあくびをした
人魚は効きすぎのエアコンとタバコの煙がお嫌いらしい
捲っていたシャツの袖を下ろして腕時計を隠した僕に
君は気づかないふりでグラスを傾けているけれど
さっきまでそばに置いていた君のスマホが
いつのまにか鞄にしまわれていることを僕は知っている
ねえこのまま終電を見送ってもいいの?
うっかりしたふりをしていいの?
この後僕が何を言うつもりか分かっているの?
・・・・・・
くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡💦ピューン
「青色」をイカしました。
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