初心者講習(テキサスホールデム)
ディーラーという仕事の中で結構な割合で躓くのが「初心者へルールを説明する」事ですね。特に「初心者講習」という形だと何をどういった流れで説明したら良いのか分からず苦手意識を持った人も少なくないと思います。
簡単にではありますが、私がどういった流れで説明していたのか・何を気を付けていたのかを簡易的に纏めました。もう随分ディーラーしていないので記憶的に漏れがあるかもれません。
今はお店であれば役表やアクション表(冊子)がある所も多いので、このnoteではそちらを活用した想定の内容となってます。
まずはどの程度の初心者なのかをカテゴライズする。
A:全くの初心者
B:友達とやったことある・オンラインはやったことある(要はお店では初めて)
大体が上記の2パターンに分かれると思います。Aも役が分かる・分からない等細分化するとキリがないので大きく分けて二つです。
Aに関してはゲームの流れすら分かっていないので、テキサスホールデムとはどういったゲームなのかというところから説明をしていきます。Bはゲームの流れは何となく把握しているので、説明する事はAよりも少なくなるかなと思います。
実際に私が初心者講習の時に話していた内容と流れを載せていきますので、初心者講習の仕方に悩まれている方は参考にして下されば嬉しいです。
1番重要視して欲しいのが、とにかく楽しく覚えてもらう事。また、専門用語は適宜説明や解説を入れる事。出来ることならなるべく使わない方が良いです。(例:皆さんに配る2枚の手札の事をハンドと言います。ここに開かれている共通のカードはボードと言います。等)
1.テキサスホールデムとは(適用:A)
「日本では5枚の手札を交換して役を作るタイプのポーカーが主流になっていますが、テキサスホールデムは世界で最も主流なポーカーゲームです。手元に2枚、共通のカード5枚を組み合わせて5枚役の強さをプレイヤー同士で競うゲームになります。ディーラーはただの進行役です。勝ち方には2通りあって、自分の役が相手より強い事を証明するか、チップを賭ける駆け引きで参加者をゲームから降ろし自分一人まで減らすかのどちらかです。プレイヤーの賭け金を集めたものを一人が総取りするゲームとなっています。(※チョップとかもありますが冒頭では割愛します)」
2.実際にゲームの流れを把握してもらう(適用:A・※Bは人による)
ブラインドの説明
→ゲームの最初には必ず強制参加費を払う人が平等に決まってます。BTN(ボタン)は日本語で言うと親です。BTNの左隣の人がSB(スモールブラインド)、そのまた隣の人がBB(ビッグブラインド)なので、ゲームが始まる前に出しておきましょう等の説明をする。
ハンド(手札)はどうやってみるのか。
→実際にお手本でやって見せる。私がよく使う言い回しが、「手札は隣の人に見えないように隠しながら確認しないといけません。マイナンバーとか個人情報くらい大事だと思ってください」です。マイナンバーたまに滑るんで自分なりの言い方を探してください。
プリフロップの説明・アクション
→「全員にカードを配ったので最初の駆け引きができるのですが、順番に聞いていきます。まずはBBの次の人からと決まっているので、時計回りに順番にアクションを伺っていきますね。」
ここでアクションを選択肢形式で説明を交えて聞いていきます。
例えばUTGのポジションの人に説明する場合。
「あなたが出来る選択肢は3つあります。
参加費(BB)と同じ額を出してゲームに参加する意思を示す”コール”、
嘘でも本当でも他の人よりも自分の手札が強いとアピールする為に賭け額を増やす”レイズ”、
手札が弱いな、戦えないから降りたいなという事であれば”フォールド(ダウン)”です。フォールドの場合は無言でカードを前に出してください。」
複数人数いる場合はこの繰り返しでアクションを聞いていきます。BBのオプションもここで説明します。(「BBの額がそのままで回ってきた場合、BBの人は特別にオプション権というのが発動します。このままの額でよければ”チェック”、上乗せしたい場合は”レイズ”です。」等)
フロップ・ターン・リバーの説明
→フロップ
「全員の賭け額が揃ったら共通のカードを開きます。」
「共通のカードが3枚と手札の2枚でブタ(ハイカード)でも何でも全員役が出来ている状態です」
「BTNの(時計回りで)次の人からアクションです。」
あとはプリフロップと同じように選択肢を提示して進めていきます。
→ターン・リバー
「共通のカード4or5枚と手札2枚で使わないカードが1or2枚出てきます。一番強い役が適用されるので見逃さないようにしましょう(可能であればボードから考えられる役を説明しながら進める)」
→(リバーアクション終了後の)ショウダウン
「では全員のアクションが終わったので○○さん(最初に開けるべき人、可能ならショウダウンの順番の説明)から手札を開けて役の判定をしていきます。」
ショウダウンの役判定をするときには使われないカードは裏返しにして分かりやすくする。
ショウダウン時に負けてるハンドは見せなくて良い事も説明。ただし初心者においては役の見逃しもあったりするので、自信のないうちは開けても問題ないですよ等の一言を添えるとなお良し。
以上を何回か繰り返し、ゲームに慣れてもらう。
私が説明の中によく挟むのがベット額の説明で、ミニマムベットをする初心者に対して、
「みんなこれ(ポット)が欲しくて賭けるじゃないですか。たとえばポットに1万円あるとして、500円賭けたとします。500円で1万円ゲット出来るチャンスがあるならみんな参加したくなりませんか?※金額はポットの額とベットの比率で変える」
みたいな事言います。理解力が高そうな人にはもう少し高度な説明したりします。
3.レイズ額の定義と役判定の例題を出す(適応:A)
上記のゲームの流れを何回か繰り返したらレイズ額の定義についての説明と役判定の例題を出します。
→レイズ額の定義
さらっとした説明でいいと思います。ミニマムレイズの定義はこういう風にルールで決まってますよ。分からなかったらディーラーに聞いてくださいね的な感じです。
→役判定の例題
2つハンドをオープンした状態で用意して、ストリート毎にどっちが勝ってますか?みたいに聞くやつです。
・ストレートがフラッシュに逆転される
・ポケットペアが消える
・チョップになる
など、上記は適当ですが例題3つくらいあればいいかなと思います。
4.最後にルールとマナーの説明(適応:A・B)
残り時間を考えながらいくつか説明しておしまいです。
私がよく挙げるのが
・アクションは先に行った事(発生や置いたチップ)が優先である事
・ストリングベット
・友達同士で来てる時など、降りた自分のハンドをアクティブ中の友達へ教えない(降りた人同士はOK)
・スタックの置き方、高額チップは見える場所に
・ハンドの置く場所(隠さない、フォールドに間違われる場所に置かない)
何故ダメなのかも交えて上記を説明する事が多いですね。あとは臨機応変に対応します。
質問がないかは適度に聞きながら進行し、特に問題なければ終了です。私は大体1時間くらいで初心者講習してましたので参考までに。
初心者が増えないと業界は発展していかないので、少しでも初心者講習が苦手な人が減ると良いなと思います。