【ポーカー】IPからのCB戦略の簡略化【集合分析】
疑問
インポジション(以下IP)vsBlinds(BBやSB)の勝負において、アウトオブポジション(以下OOP)側がチェックしてきた場合、IP側はどのようなコンティニュエーションベット(以下CB)戦略をとるのか。全レンジチェック(以下Allcheck)、全レンジ33%ベット(以下All33%ベット)などの簡易戦略で代替できるボードとできないボードをどう分類すべきか。
KハイのドライボードやAAxのペアボードなどは、All33%ベットを使えることが知られているが、ローボード等の迷うボードで使える簡易戦略はあるか。
これらのボードはIP側にレンジアドバンテージがあることが一目で分かるので、安心してAll33%ベットを用いることができるが、ローボード(765rなど)やモノトーンボード、ペアボードでも66xといったボードなど、どういったCB戦略をとるべきか迷うボードはたくさんある。EVロスが少ない簡易戦略があればそれを用いることでバリューとブラフのレンジ選択における判断ミスを避けることができる。
なぜ簡易戦略を使いたいのか。
簡易戦略にこだわるのは、適切なバリューレンジとブラフレンジを構築することが難しいから。全レンジ戦略でもEVロスが少ないのであれば、レンジ構築の過程で自分が誤った判断を下してしまう可能性を排除したい。
特に、全レンジでベットする戦略については、こちらからベットを仕掛けていくことによってフォールドエクィティが発生し、ポットをフロップで終わらせることができる可能性が発生する。ポットをフロップで終わらせることによって、それ以降のターン・リバーの難しい判断に直面する可能性が減るから。
調査・検討
設定・調査すること・しないこと
今回はSRP(2BP)を前提に確認を行う。3BPや4BPについては取り扱いをしない。
プリフロップのIP側のレンジはzerosハンドレンジを用いている。理由は複雑なプリフロップの戦略を単純戦略に落とし込んでおり、人間でも暗記すれば再現性が高いから。アウトオブポジション(以下OOP)側のレンジはGTOwizardのレンジを活用。
ベットサイズは33%、75%、125%を使用する。
レーキはGGpokerのマイクロステークスを想定して、5%の5bbキャップで設定
LP(zeros)vsBB(wizard)の場合
BTN2.5bbオープン→BBコール→BBチェックの場合
今回の分析では許容できるEVロスを1%としており、セルが緑に近いほどEVロスが少なく、簡易戦略が有効なことを示している。
表を見るとまず、ほとんどのボードでAll33%ベットが有効であることが分かる(EVロスが0.5%を下回っており)。そして、驚くべきことにそれは864r(rはレインボー、スートが3つとも違う)等の一見OOP側が有利そうなフロップでも有効だという結果が出ている。
逆にAll33%ベットを用いた場合にEVロスが0.5を上回るフロップについて見てみると、AK2rやKQ4t(tはツートーン、スートが3つのうち2つ同じ)などのボードではそこまで有効ではない。その理由はこれらのフロップがオーバーベットを用いた戦略が有効だからだと思われる。
プリフロップでAKやKQといったハンドをBBが持っていた場合は3betする可能性が高いので、BBのコールレンジにはこれらのハンドが少ない
→トップツーペアやセットの可能性が低い
→IP側のナッツアドバンテージが高い
→オーバーベットを用いることができる。
これらのフロップでは安易に簡易戦略に頼らずにオーバーベットでレンジ構築した方がEVロスは少ないようだ。オーバーベットに適したフロップにおけるバリューとブラフの具体的なハンド選択はまた別のnoteにて今後取り扱う。
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