【詳細ルール】クロックの要求と判断
テキサスホールデムでは、アクションに対して制限時間はありません (ショットクロックのあるトーナメントは除きます)。しかし、アクションに対して制限時間をつける「クロック」が存在します。
クロックとは
アクションに対して制限時間を設けることをクロックと言います。これはトーナメントやリングゲームを円滑に進めるためのルールです。プレイヤーはお金を払ってトーナメントやリングゲームに参加しているため、プレイの時間は公平であるべきだと考えられています。もちろん悩む状況に対しては時間を使って考えるのは当然のことです。しかしながら、あまりに長い時間の長考や故意の遅延行為などは適切ではありません。クロックが宣言されて時間を超過した場合は、そのハンドは「キル」されます (フォールドと同じ扱いになります)。
クロック要求
プレイヤーは「クロック要求」をすることができます。「クロック」と発声することでクロック要求になります。ここで重要なことは二つあります。
クロック要求は必ず認められるわけではない
いかなるプレイヤー、いかなるシチュエーションにおいてもプレイヤーはクロックを要求することは可能ですが、クロックが実施されるかどうかはディーラーかフロアの判断に委ねられます。
ちょっとでも誰かが悩んだら「クロック!」という言うプレイヤーがいたら嫌ですよね。クロック要求は必ず認められるわけではないことに注意してください。では何分時間が経てばクロックが認められるのでしょうか?基本的には規定されていません。判断はディーラーかフロアに委ねられます。
例えば、トーナメント序盤200bb持ちの9人のテーブルでBTNまで全員フォールド、BTNが3bbでオープン、SBがフォールド、BBのアクションを考えてみましょう。もしこのシチュエーションでBBが1分間アクションに悩んでいたらどうでしょうか。この状況でクロックが要求されれば認められるでしょう。もちろんBBはアクションを考えているのでしょうが、一般的に考えてこれは長いです。
一方で、トーナメント終盤のファイナルテーブルで相手のオールインに対してのアクションを考えてみましょう。もしこのシチュエーションで1分間悩んでおり、オールインしたプレイヤーからクロックが要求された場合はどうでしょうか。これは認められることもあれば認められないこともあるでしょう。一般的に考えて難しいシチュエーションであれば1分間の長考は珍しくないです。また仮に認められたしても周りからの印象はあまり良くないかもしれないです。ルールとマナーは別の話です。
トーナメントによってはクロックのルールが厳密に定められていることもあります。例えば、アクションが30秒未満の場合はクロック要求は認めず、30秒以上でのクロック要求は認める、というルールもあります。
クロックの詳細な規定についてはディーラーやフロアに確認をしてみてください。
誰でもクロック要求ができる
クロック要求は誰でもできます。これはハンドに参加しているプレイヤーに限らず、既にフォールドしたプレイヤーや周りにいる野次馬、ディーラー、フロアもクロックを要求することができます。そのテーブル以外の人がクロック要求をしているのは見たことがありませんが、ルール上は可能です。ディーラーやフロアも要求することはできます。
誰でもクロック要求はできますが、クロックが実施されるかどうかはディーラーかフロアの判断によります。例えば、外部の人がクロックを要求したとしても、ディーラーはそのクロック要求を拒否することができます。
クロックの時間
クロックが宣言された場合は、そのプレイヤーは制限時間以内にアクションをしなければなりません。その制限時間はハウスルールやトーナメントによって異なります。
WSOPでは計30秒が制限時間となります。つまり、クロックが宣言されるとそのプレイヤーは30秒以内にアクションをしなければそのハンドはキルされます。
ちなみに、制限時間とほぼ同時にコールやレイズが宣言された場合はどうなるでしょうか。制限時間は30秒ですが、ストップウォッチで測っているわけではないので、厳密ではありません。アクションしたプレイヤーはレイズしたいけれども、他のプレイヤーは30秒経ったからそのアクションはできない、という状況は十分に考えられます。この場合はディーラーかフロアがそのアクションが時間以内のアクションだったかを判断します。どんなにプレイヤーが「まだ29.9秒だった!」と言ってもその判断はディーラーかフロアに委ねられます。
まとめ
アクションに制限時間を付けるクロックを要求することは誰にでも可能ですが、実際にクロックが宣言されるかどうかはディーラーやフロアが決定します。
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