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【㊗️桟敷さんS3シティ優勝】『ルギアデッキとは何か』


はじめに

 今回は、シティリーグにおいて急増中でCL福岡注目のデッキとなっているルギアデッキについて、私見をつらつらと述べていきます。私の実績は以下の通りです。

  • 実績
    オリパを購入したことがない
    イカサマ及び複アカをしたことがない
    シャロンchの動画を一度も開いたことがない

 今回は以上の実績に鑑みて、𝕏でリポストしていただかなくても全文無料で読めるようにしてあります。また、レシピについて話し合い、私と1枚違いのレシピで偉大な大先輩である桟敷さんがシティリーグで優勝していたので、それなりに信用度がある内容となっています。

なぜ増えているのか

1.環境の変化

 ルギアデッキは、1/26のレギュレーション変更以降、バーネット博士を使えなくなったことで安定感が下がり、その数を大きく減らしていました。しかしその一方で、新弾で収録されたチラチーノが、従来のルギアデッキでは困難だった高火力を非ルールのポケモンで出すことを可能にし、現環境で最も数が多い悪リザデッキに対して有利となりました。さらに、前レギュレーションで厄介な存在であったサーナイトデッキ、ミライドンデッキ、ミュウデッキ、そして頂への雪道が環境からいなくなったことにより、以前よりも苦手な対面が減っています。このことに着目したプレイヤーの間で、ルギアデッキは徐々に人気が高まっているのだと思います。

2.制度の恩恵

 ルギアデッキの欠点は何と言っても、安定感の低さにあります。バーネット博士なしでは、基本的に手札に持って来なければアーケオスをトラッシュすることができません。そのため、どれだけ上手くデッキを組んだところで、再現性を確保するにも限界があります。では、なぜそんなデッキを握る人がいて、あまつさえ結果を残しているのでしょうか。
 それは、シティリーグの制度にカラクリがあります。今シーズンのシティリーグでは、予選で4勝2敗までの人がトーナメントに抜けることができます。つまり、1回までは負けても問題なく、場合によっては2回負けることも許されているのです。デッキが回りさえすれば大半の対面に勝つことができるルギアデッキにとって、1,2回の事故負けが許容される予選突破はイージーだと言えます。
 これに加えて、ルギアデッキは環境の他のデッキと比べればまだプレイ難易度が低いというのもあります。トーナメントに上がり、他のデッキでは敵わないような実力者と対戦することになっても、運で下剋上しやすいです。
 

3.インフルエンサーの存在

 チラチーノ入りのルギアデッキのレシピが最初に公開されたのは、おそらくみやししさんのレシピだと思います。この時点では使用者はあまりいませんでした。

https://www.pokemon-card.com/info/004287.html

ポケカ四天王直伝のデッキレシピを公開!

 ルギアデッキが流行り始めたのは、kumeさんのnoteが発端だと思います。おかげさまで絶賛大流行中です。

https://note.com/kume_pokeca/n/n6dbfcaf15eb6

【環境破壊】ルギアチラチーノ解説&レシピ

どのようにして組むべきか

 ルギアデッキには先述してきたような強みがあります。ここからは、具体的にはどのようにして組むべきなのかを検討していきます。これを考えるにあたっては、2つの異なる方針があります。

方針A:素早く展開(アッセンブルスター特化)

  • ルギアV・ルギアVSTARを増やす

  • チラーミィ・チラチーノを増やす

  • アーケンを採用する

  • ボール類を増やす(特にスーパーボール)

  • ACE SPECをマスターボールにする

  • テーブルシティを採用する

  • 仮想敵:高火力が求められるデッキ

方針B:ゆっくり展開(手貼り重視)

  • カビゴンを増やす

  • ダブルターボエネルギーを増やす

  • 仮想敵:中打点で戦えるデッキ

 現在のルギアデッキが評価されているのは、悪リザデッキに勝てるからです。これを考えると、チラチーノで攻撃するプランの再現性を高めることの重要性は高いと言えます。

私の考えたリスト

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 以上を踏まえて、私が考えるレシピはこうなります。これが方針Aと方針Bのどちらに沿ったものかと問われても、返答に窮します。こういったトレードオフの関係になっている論点については、どちらも一長一短であり、あまり振り切るということがないからです。それならば、どのように組むのが正解なのかというと、それは環境によって順応させて都度変化させていくのがいいと思います。なお、桟敷さんが優勝した際に使用していたレシピでは、マツバの確信がナンジャモになっていました。
 私のリストの主眼は、2ターン目ではなく、3ターン目のアッセンブルスターに重きを置いているところにあります。先攻2ターン目・後攻1ターン目はかぜよみやどっすんグースカを想定しているということです。このようにした理由は、先攻2ターン目のアッセンブルスターは突き詰めたところで再現性が低く、現状はそこまで焦らなくてもサイドレースが間に合うと考えたためです。
 このリストの特徴として、サポートを多めに採用しています。というより、巷のルギアデッキのリストのサポートが少な過ぎます。ドローサポート6枚だけで回るデッキではありません。このリストでは、マツバの確信とセレナに分けて採用することで、博士の研究を使わなくてもアーケオスをトラッシュできるようにしてあります。先のレギュレーションの白ルギアデッキではボスの指令を4枚採用することが一般的でしたが、チラチーノにより高打点を出せるようになり、ベンチのロトムVやネオラントVを倒す必要性は下がったので、3枚にしました。最近はアルギラデッキも多いので、セレナがボスの指令の代わりになる場面もあると思います。
 スタジアムは、崩れたスタジアムの採用となります。ネオラントVやルギアVSTARをトラッシュすることで、場を非ルールのポケモンだけにする動きが強力です。これにより、サイドレースで遅れても挽回しやすくなります。また、対悪リザデッキで先に崩れたスタジアムを貼ることで、相手に崩れたスタジアムを強く使わせないこともできます。
 特殊エネルギーは17枚の採用で、ダブルターボエネルギーを4枚と少し厚めに採用しています。ダブルターボエネルギーを貼るとチラチーノの火力は下がってしまいますが、手貼りでルギアVSTARやカビゴンが技を使うことを考えると、4枚あると安心です。その他のエネルギーについては一般的なリストと同じ配分となっています。ジェットエネルギーは、逃げるエネルギーの要求が高いポケモンが多いこと、カビゴンがねむりになること、最近はカウンターキャッチャーでポケモンを縛る戦術が多いこと、チラチーノにエネルギーを貼り打点を上げつつバトル場に出せること等、非常に強力であるため、減らす理由がありません。ギフトエネルギーも、ドローをするシステムポケモンの採用がないこのデッキにとっては、相手の手札干渉に対抗するための貴重なドローソースであり、シンオウ神殿がない現環境ともマッチしています。ミストエネルギー(*)は、トドロクツキexやギラティナVSTARの強制気絶、ヤミラミのロストマインからポケモンを守り、高HPのルギアVSTAR + 非ルールのデッキというこのデッキの強みを活かしてくれます。セラピーエネルギーはカビゴン用に1枚と、Vガードエネルギーはロストインパクト対策で1枚の採用です。

(*)ミストエネルギーでは、ごっつあんプリファイによるサイドの追加取得を防ぐことはできず、トドロクツキexのくるいえぐるを防ぐことはできますが、ダメカンは乗りません。

スーパーボールかキャプチャーアロマか

 ルギアデッキでは進化ポケモンを手札に持って来る需要が高く、現スタンダードレギュレーションでは進化ポケモンをサーチする手段に乏しいため、スーパーボールとキャプチャーアロマが採用されています。では、これらの配分はをどのようにするのが最適となるのでしょうか。
 今回は特に、1ターン目にアーケオスを持って来る確率について検討します。なぜならば、アーケオスをどれだけ早く手札に持って来れるかが鍵であり、ターン数を経るごとに番始めのドロー・かぜよみ・ドローサポートで自然とその他の必要なカードは揃うと考えられるからです。
 1ターン目の仮定としては、マリガンがなくサイドと手札の枚数を除いた46枚の山札の中にアーケオスが4枚あることとします。このとき、スーパーボールでアーケオスを引ける確率は、49.6%(=1-42C7/46C7)です。これはほぼ50%であり、キャプチャーアロマで表を出す確率と変わりません。つまり、スーパーボールはキャプチャーアロマの5枚目と捉えることもできるのです。しかし、スーパーボールには欠点があります。それは、サイドや手札にアーケオスがある場合、著しくヒット率が下がることが挙げられます。他には、キャプチャーアロマであれば次善の策としてネオラントVをサーチしやすいこともあるでしょう。こういったことも考えると、スーパーボールよりはキャプチャーアロマの方が優先度が高いと思います。また、スーパーボールは使うごとに段々とヒット率が下がるので、多投するのに向いていません。
 そうは言っても、スーパーボールにはキャプチャーアロマにはないメリットもあります。アーケオスか否かを問わず進化ポケモンを持って来るという点では、スーパーボールが優れています。上記のリストでは延べ10枚の進化ポケモンがいるため、どれかが当たる確率はキャプチャーアロマよりも高いです。このことから何が言えるかというと、先ほどターンを経る過程でパーツが集まると言ったことの裏返しで、早いターンで展開するにはアーケオス以外の進化ポケモンもボールで手札に加える必要があり、それを実現させるにはスーパーボールが適しているということになります。ただし、これはアーケオスが立つことを前提としている考えであり、キャプチャーアロマを削ってスーパーボールを採用することはまずないです。
 応用的な話として、スーパーボールと他のボールが手札にある場合、どれを最初に使うべきかという問題があります。このとき、前提としてスーパーボールでは進化ポケモンを手札に加えたいと考えていることとします。まず、ネストボールは常に最初に使うべきで、ハイパーボールとマスターボールは常に最後に使うべきとなります。悩ましいのは、スーパーボールとキャプチャーアロマのどちらを先に使うべきかということです。
 これは、さらに状況を細分化して考える必要があります。⑴アーケオスが2枚欲しいとき、⑵アーケオスが1枚欲しいとき、⑶アーケオス1枚とルギアVSTAR1枚が欲しいときに分けて考えます。進化ポケモンにはチラチーノもいますが、アッセンブルスターできるかという場面で必要になることはなく、そのうち進化できると思うので、今回は除外します。初めに、⑴ではキャプチャーアロマで表が出た後にスーパーボールを使うとアーケオスのヒット率が下がるので、スーパーボール→キャプチャーアロマが正解となります。次に⑵ではキャプチャーアロマで表さえ出せばスーパーボールで他のポケモンを選択することができ、裏であれば1枚分ハズレが少ない状態でスーパーボールを使うことができます。そのため、キャプチャーアロマ→スーパーボールです。最後の⑶は、スーパーボールでどれが手札に加わるかが不確定であり、当たりの枚数を減らさないためにも、スーパーボール→キャプチャーアロマとなります。総合すると、進化ポケモンが2枚以上欲しいときはスーパーボール→キャプチャーアロマ、1枚のときはキャプチャーアロマ→スーパーボールの順に使うのが合理的です。

不採用カード

  • アーケン

 1枚なら採用するのもありだと思います。2枚以上採用してもアーケオスに進化できない置物が増えるだけです。アーケンを採用するのであれば、スーパーボールの優先度が上がります。

  • チラーミィ4枚目

 チラチーノでの殴り出しを早めるだけでなく、上手いプレイヤーが相手だとチラーミィを枯らす動きをして来るので、4枚いると便利です。なかまをよぶでたねポケモンを並べることができるので、ミュウexを使うリストとの相性が良さそうです。この枠はカビゴンとの選択になると思います。

  • ミュウex

 以前はギラティナVSTARをロストインパクトで返すために必要なカードでした。大物相手にはチラチーノで相手をすることが可能になり、むしろHPの低いルール持ちのポケモンを場に置くことのデメリットの方が大きいと思います。ドローソースとしての機能もありますが、そこは先述したようにサポートの枚数を増やすことで補っています。ただし、マキシマムベルトを採用する場合には、サイドを4枚取られたときにバーニングダークをコピーして330(=180+30*4+50-20)を出すという動きをすることができます。

  • レントラー

 ミラーやピジョットexを採用するデッキが増えるのであれば、強いと思います。

  • かがやくリザードン

 高打点を出す役割をチラチーノが代わりに担っています。このポケモンを採用するにはルミナスエネルギーも入れる必要があり、スタートするとジェットエネルギーが要求される上にベンチを圧迫されるので、不採用となります。このデッキは、せっかくネオラントV以外はスタートしても技宣言をできるのにも拘らず、ハズレのポケモンを増やすのは勿体ないです。

  • イキリンコex

 ヒナツやジニアを使ってからイキリテイクでアーケオスをトラッシュする動きは強力だと思います。しかしながら、それができるのは後攻1ターン目だけであり、ネオラントVも必要になることを考えるとベンチを2枠使ってしまいます。ルギアVSTARとアーケオス2体で3枠既に埋まっていることも考えると、スタートするポケモン次第ではチラーミィを置くことができません。序盤はカビゴンで攻撃するプランがかなり濃厚であることも考えると、イキリンコexをベンチに置く枠はない気がします。また、ルギアデッキの強みは非ルールのポケモンで戦うところにあり、2ターン目ではなく3ターン目にアッセンブルスターを宣言するコンセプトとも噛み合っていません。

  • モンスターボール

 進化ポケモンを持ってくる確率はキャプチャーアロマと同じであり、あり得なくはないと思います。しかしながら、このルギアデッキはポケモンの数が多いので、腐りにくいスーパーボールの方が優先度が高いです。

  • ネストボール2枚目

 現在はミュウデッキやミライドンデッキのような速攻でルギアVを倒しにくるデッキが環境におらず、ルギアVを早々に2面立てる必要性が薄いので1枚の採用となります。代わりに、3ターン目にアッセンブルスターする都合で相手の2ターン目にルギアVが倒されることは考えられるので、ルギアVの現物を4枚採用しています。こうすることで、ルギアVでスタートしやすくなり、かぜよみをしやすくなるというメリットもあります。チラーミィのなかまをよぶでもたねポケモンを並べることができ、ネオラントV以外はスタートするポケモンがそのままアタッカーになれるので、そこまでベンチの展開力を上げる必要はない気がします。

  • ハンドトリマー

 手札が5枚以上ないとアーケオスをトラッシュすることができません。ヒナツで手札を増やすのとはシナジーがあると思います。ギフトエネルギーのドロー枚数を増やすことができるのは魅力的で、ロストデッキやLOデッキのような手札を溜めるデッキが増えるのであれば、意外と可能性があるのかもしれないです。

  • ACE SPEC

 マスターボール以外のACE SPECで、ヒーローマントとマキシマムベルトとの相性もいいと思います。ヒーローマントを採用するのであればチェレンの気くばりや崩れたスタジアム、マキシマムベルトを採用するのであればミュウexやカビゴンとの相性が良さそうです。

  • ザクロ

 アーケオスをいつでもトラッシュできるのは強そうにも思えますが、序盤以外に役に立ちません。序盤にどうやってザクロをトラッシュに置くのかが疑問です。ネオラントVを使うのであれば、博士の研究やセレナの方が優秀です。

  • ヒナツ

 ジニアとの違いは、非ルールのポケモンを1枚多く持って来れる点にあります。しかしながら、アーケオス2枚が必要なだけの場合であればジニアで十分であり、アーケオス2枚とチラチーノ1枚が必要な場合が序盤にあることはそこまでなさそうなので、ルギアVSTARも手札に加えることができるジニアの方が優秀だと思います。

  • チェレンの気くばり

 ネオラントVを消す手段に崩れたスタジアムがあること、カビゴンを退かす手段にセラピーエネルギーとジェットエネルギーがあること、ルギアVSTARを場から消すためにネオラントVで持って来ては意味がなく都合良く引けるとは限らないこと等から、採用を見送りしました。噛み合えば強く使えると思いますが、ただでさえ再現性が低いデッキなのでノイズになりがちです。これが活躍するのは、試合終盤まで相手にルギアVSTARを放置される場合くらいだと思います。(この動きをされると困りますが)

  • テーブルシティ

 頂への雪道が存在せず、シンオウ神殿が環境に少ない現在、ルギアデッキがスタジアムに枠を費やす必要性は薄いです。テーブルシティを採用すると相手に利用されることもあるので、ボール類に枠を使った方がいい気がします。それこそ、サーチ能力だけに着目すればモンスターボールと同じです。

  • ポケモンリーグ本部

 スタジアムに2枠割く余裕があるのであれば良さそうです。古代デッキやロストデッキと戦いやすくなります。

おわりに

 私はルギアデッキは使わないと思います。

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