冬の思い出(中編)
17時のチャイム。
まだ明るい外を見て、もうすぐ春がくるのかな。
春に彼としたいことなんだったっけ。
ノートを見てボーっとする時間。
前編と後編で終わるはずだったけど、最近の気持ちをどうしても残しておきたくなった。
1/17、あのピザ屋さんに行った。
付き合う前、初めて遊んだ日に行った場所。
11:30の開店を目掛けて、11:00には行列ができるほど人気のお店、私はあの日。たしか朝から近くのカフェで待機して、彼より先に並ぶ役をしたんだった。
だから、
また同じことをした。
「アメリカーノのホットを下さい。」
前座った席と同じ席で、半年間を振り返った。
色んなお話をしたね。色んな場所に行ったね。季節だって夏も、秋も、冬も一緒に過ごしたね。もうすぐ春がきたら、、なんて考えていたら時計の針は10:30を指していた。
行かなきゃ。
半年前と同じように、身体が勝手に動いてピザ屋さんの行列に並んでいた。並ぶのも別に苦じゃない、むしろ得意なんだと最近気付いた。
新しい自分に出会わせてくれてありがとう、
30分後、
彼からもうすぐ着くと連絡が入る。
またドキドキしているのが自分でもわかった。
推しは半年経っても推しのままで、お顔も声も、仕草も心も全てが美しく見える。
これって見えないところで彼が努力してくれてるんだろうな、
もちろん新しい彼を発見できるのも楽しみの一つだけど、昔出会った頃のままの彼も好きだ。
すぐに席に案内され、
前と同じメニューを頼んだ。初めて食べた時は味がしなかったピザの味がちゃんとした、
食後も同じことをした。あれ、確か前にどこかで書いたような。
カフェで話すのが好きな私たち。
2時間ぐらいゆっくりして、代官山までお散歩。
前だったら夕方に解散してたのに、いつのまにか夜までデートができるようになったね。
17時。約束していたおでんを食べて、同じ家に帰る。
「まずは手洗いうがい〜!」
彼はいつだってご機嫌だ。
21時。寝る前にちょっとお話をしていつも眠りにつく。
今日も私に休日を作ってくれてありがとう、
こんなことを書きながら、本当は仕事と恋愛の両立ですごく悩んでいます。
全部自分で選んだ道なのにね、
でも彼は言いました。
「きっと今はお仕事を頑張る時なんだと思う。」
私もそう思う、ありがとう。
MIKU