プロモ・プロモと言うけれど、いったいプロモカードって何なの?
当たり前に使っている言葉も、少し突っ込んで聞かれると説明できないことって多いものです。
例えば「プロモカードって何ですか?」と問われても私は答えられないんですね。プロモプロモと言うけれど、そもそもプロモカードとは何なのか。
今回は普段使っている「プロモカード」が何を指すか分からなかったので調べてみたnote
■ 公式は「プロモカード」を何と説明しているか
FAQの回答
「プロモカードは、プロモーションカードのこと」
さらに続く文章で示したのは
1. イベントやキャンペーンでもらえる
2. 本などのおまけについている
上記2パターンに該当するとくべつなカード と説明があります。
なので「もらえる」か「おまけ」扱いのカードがプロモカードの定義として設定されているのかなと私は読み取りました。
・・・
定義はわかったし、じゃあこれで解決・・・??
いやいや、ちょっと聞いてください
変なプロモカードがあるんです
■ 条件を満たしていないプロモカードの存在
ポケモンカードには、上記した「もらえる」か「おまけ」の条件を満たしていない(ように見える)プロモカードの存在があって、その代表格として個人的に有名なのが「ピカチュウと新しい仲間たち」に入っている4枚のプロモカード
▼「ピカチュウと新しい仲間たち」
私の認識でこの商品は、店舗で販売されたポケカです。コレクションナンバー(SM-P)は持っていません。「もらえる」わけではないし何かの「おまけ」にも見えないです。
しかし、公式はこれらのポケモンカードを「プロモカードだ」と言います。
変じゃないですか?
問屋さんか小売店に配ったのなら理解できますが、そうじゃないなら、別の条件があるか、条件を私が読み違えているかだと思うんです。なので「"プロモカード"って何ですか」と聞かれても私はわからないんですね。プロモ・プロモ言ってますけど、なんか、すみません。
FAQの説明には「"プロモーションカード"を略した言葉で"プロモカード"を使っている」とも書いて無いし、「"おまけ"とはこういう意味です」といった補足もサイト上で見つけられませんでした。
「プロモカード」って分かるようで分からないなと。
・・・
であれば逆に一旦ここで「わかること」を書いてまいります
■ 2016年11月から「プロモカード」がスタートした説
諸説あると思いますが、「プロモカード」がいつから「プロモカード」だったか。
私の調べでは、公式が特定のポケモンカードを「プロモカード」と呼び始めたのは、「2016年11月」の「サン&ムーン」シリーズ前後からです👇
2016年9月 表記「プロモカード」登場
2016年10月 更新情報 プロモカード(キラ)表記
2016年11月 更新情報 プロモカード複数確認&サイト全体の模様替
早口で進めます
2016年9月に「プロモカード」表記が登場、10月のBOXキャンペーンに続き、11月に複数表記が目立つようになりました。
この頃は、8-9月に20周年情報が一部解禁され、12月から次のステージと題し「ポケモンカードゲーム サン&ムーン」がスタートすると告知あり。また10月末ー11月にサイト全体デザインが今のポケカ公式サイトの表示にガラッと模様替えしたときです。ポケカの公式youtubeが登場したのも2016年10月15日でした(登録者90000人おめでとうございます!)
早口ここまで
20周年きっかけなのかわかりませんが、大きな変化が複数のところで見られた頃です
・・・
ちなみに2016年より前に「プロモカード」が使われたのは、2008年に1回と、2013年に1回だけ確認できています。しらみつぶしにInternet Archiveを見た結果で、数え間違いがあっても今ほど多くは無い使用頻度と考えます(他の資料を含めても)
▼ 2008年と2013年の「プロモカード」歴(合計2回)
今でこそ公式は当たり前に「プロモカード」と呼称して使っていますが、ポケカ史25年で見ると2016年は比較的最近の話ですよね。
・・・
で、「プロモカード」の前は何と呼ばれていたのか?
その前の前は??
と1つ1つ歴史を追うと大変なのでザックリ追いかけた表を用意しました👇
基本的には真ん中の表記が使われ、たまに右側の表記ゆれ(?)がありました。
■ 3つの呼び方があった
過去に「オリジナル」を多用する時期や「スペシャル」カード呼びする期間がありましたが、大別して3つの言葉に分けられると考えます。
1. おまけカード
2. プロモーションカード
3. プロモカード
流れとしては、最初「おまけカード」と呼んでいたけれど、ある時から「プロモーションカード」と呼ぶようになり、途中オリジナルやスペシャルなどの用語を交えながら、今の「プロモカード」呼びに落ち着いているのが、私が公式サイトや資料などを追ってみた結果わかったことです。
オリジナルだろうがプレミアムだろうが、結局はカードリスト内のジャンル分けがその時代によって「おまけ」「プロモーション」「プロモ」の3つのどれかでひっくるめて割り振られています。
ちなみに今は「コレクションナンバーが〇〇のプロモカード」とカードリスト(各レギュレーションページ)で振り分けされていますね👇
・「ポケモンカードゲームDP」シリーズ
・「ポケモンカードゲーム ソード&シールド」シリーズ
・3つは同一の意味を持つのだろうか?
「プロモカード」=「プロモーションカード」=「おまけカード」の相関性については、同一カードに対して3つどれかの言葉を使っている時期がありますので、繋がった意味を持つ同じような言葉で大丈夫と思っています。しかし因果関係の有る無しがよくわかりません。
3つには関連性はあるけれど、1つを原因として他が変動する影響を受けるかわからない感じを言ってます。特に「プロモカード」に関して。
なので公式が示す最低限の条件
1. イベントやキャンペーンでもらえる
2. 本などのおまけについている
2つに該当するポケモンカードは「プロモカード」でもあり「プロモーションカード」でもあり「おまけカード」でもあるよ、最低限ね
だと私は思うことにしてます。
・・・
■ 最初に「おまけカード」の説明が記載されたタイミング(98年7月18日~12月ごろ)と用語「プロモーションカード」初出について
定義について何か分かるかもなので、ついでに「4つの最初」を追いかけました
1. ポケカ最初のプロモカード
2. 用語「おまけカード」の初出
3. 「おまけカード」の最初の説明
4. 用語「プロモーションカード」について
4つを以下に詰め込みます
★用語「おまけカード」の初出
まず、ポケモンカード最初のプロモカードと言えるコロコロコミックふろく「プリン」と「ピカチュウ」は「おまけカード」という呼び方ではありませんでした。コロコロ誌面の表記を借りるならば「公式認定ふろく」が当時の呼び方になると思います【96年11月号】
では「おまけカード」はいつから呼ばれ始めたかと言うと、おそらく「プレイマット 赤・緑・黒」に入っていた「ヤドン」が最初期だと考えます。
画像左:ヤドンが入っていたプレイマット【97年5月2日発売】
画像右:ファンクラブ Vol.1 【97年6月5日発行】
で私が調べた限り、この時点まで「おまけカードとは?」と言った説明はありません。
最初に「おまけカード」について説明されたのは、公式サイト上の「カードリストが完成した98年7月~その後の更新が実施された12月ごろ」で、さらにワード「プロモーションカード」の初出時期でもあるようです(ポケブーン調べ)
▼カードリスト完成
からの、おまけカード説明+"プロモーションカード"初出 ▼
・おまけカード
付録やイベントの景品になったプロモーションカード
引用:カードリスト【98年7~12月】
What's New? ~更新履歴~
▼98年の説明が、今とそう変わらないエモさ
今も昔(98年)も用語「プロモーションカード」は"そういうものだ"と言わんばかりに突然現れており、"一般常識"寄りの共通言語のように使われています。
■98年12月に何があった?
用語プロモーションカードが使われ始めただろう98年12月に何があったかと言うと、ゲームボーイソフト「ポケモンカードゲームGB」が発売した月でした。
・97年5月2日:プレイマット 発売(最初のおまけカード表記)
・98年7~12月:おまけカードの説明(最初のプロモーションカード表記)
・98年12月:ポケモンカードゲームGB 発売
なのでこの発売の前後に、今まで「おまけカード」という言葉が使われていた特定の旧裏面カードに対し「プロモーションカードだよ」とプラスの説明が入ってた当時の時系列です
ゲームをプレイした方はご存じと思いますが、ポケモンカードゲームGBにはゲーム内に「プロモーションカード」と言う枠がありました。対象カードは、現実の旧裏面「おまけカード」とリンクしていた、ゲーム内イベントで貰えるデジタルカードだった背景があります。
▼ 説明書p42と攻略本p6から("プロモーション"最初期の表記)
これは私の意見ですが、このゲームの発売こそが現在まで続いている言葉「プロモーションカード」のキッカケなところかもと思うのです。制作を手掛けたハドソン側が持ち出してきた言葉なのか、任天堂側が指定した用語なのか、はたまた別のルートから来た言葉なのか、とても興味深い
■ マジック:ザ・ギャザリングの場合
ポケモンカードのルーツと言えば、「マジック:ザ・ギャザリング」ですね。
M:TG Wikiさんのデータによると、1994年にポケカで言うところのプロモカード(Promotional cards)が登場しているようです
・小説に付属していたクーポン券を送ると貰えたり、
・DragonConという(コミコンのような)イベントに参加した人に配布されたり。
ポケモンカードでも、MTGのPromotional cardsが参考にされている部分はあるかもです。言葉は違いますけどね。
・・・
■ 2つの知りたいこと
なんだかんだと調べた結果
■ 景品表示法に従った「もらえる」&「おまけ」
■「 プロモーションのカード=販売促進のためのポケカ」の意味か?
結局はこのあたりを書くべきと思いましたが、素人の「思ったこと」ばかりになるので今回は公式発言だけを追ってわかったこと、わからなかったことのみに留めます。
例えば「とくべつなカード」は発行枚数が決まっているというルールや、「非売品」というルールがある点などから、私では気づけないところにピンと来る方もいると思います。
ぜひnoteなりブログなりに考察的なものを書いていただければ喜んで拝読いたします。既にそういう解説がある場合、よかったらコメントで教えてもらえるとありがたいです(文章だと嬉しいです)
・ポケットモンスター公式ファンブック p133
・月刊コロコロコミック 97年11月号 p42
■ まとめ:ポケカの「プロモカード」って何なの?
1. イベントやキャンペーンでもらえる
2. 本などのおまけについている
プロモーションカード
公式の説明にある通り、1と2に該当するカードは「プロモカード」になると思います。しかしそれ以外の何らかの条件に該当するカードも公式はプロモカードとしているかもです。
「説明」がありませんので、その定義が増えたのか元からあったかわかりませんが、25年間を振り返って公式が「プロモカード」と言い出し始めた2016年11月前後から明確な変化はあったように私には見えます。
プロモカードって何なの?
・・・
★「拡張シートもプロモカード説」・
「PLAYはプロモカードではない説」
最後に、私のサイトでは私の思うプロモカードで線引きしているという話を書きます。
二つの例を出します
・「拡張シート」もプロモカード説
・「PLAY」はプロモカードではない説
1. 「拡張シート」もプロモカード説
「おまけカード時代」には、拡張シート第3弾の「マサキのパソコン」に対して、おまけカードを指していたソースがあります。
参照:トレーナーズ Vol.2
これは「マサキのパソコン」が、過去に行われた通進化キャンペーンの応募期間(99年4月30日まで)中に必要だったカードかつ、期間後は「イマクニ?のパソコン」に指し変わったため、限定した配布期間の宣伝にあたるカード(景表法の意識範囲)として、おまけカードを指していたのかもです。
であれば、どこまでをプロモカードにするか?の線引きに複数のパターンが現れると考えます。
1. 「マサキのパソコンのみ」プロモカード
2. 「マサキのパソコン」が添付してあったシートすべて
3. 「第3弾」の一次期間をプロモカード
4. ええい、拡張シートは全部プロモカードじゃい
5. プロモではない
など
ここで何を選択するか個々人で考え方が変わるのかな?と私は思うのですね。なぜなら公式ソースが薄いからです。
ちなみに公式サイトでは「マサキのパソコン」は「おまけカード」のリストに入ってないです。
2.「PLAY」はプロモカードではない説
また「プロモーションカード」表記時代のポケモンカードは、プレイヤーズクラブのコレクションナンバー「PLAY」を持ったカードについては、「そのほか」枠に該当するカードとして振り分けしてあり、プロモーションカード枠ではない、別のカードとして線引きがしてありました👇
当時PLAYのカードが何と呼ばれていたかと言うと「オリジナル(キラ)カード」または「プレゼントカード」です。
プロモーションカードのリストには入ってないですが、プロモカードと同等の意味を持つであろう「オリジナル」の表記を持ったカードなんですね。冒頭で話題に出した「ピカチュウと新しい仲間たち」も最初のプレスリリース時は「オリジナルキラカード」表記でした。
さらにPLAYの後継となる「PPP」のカードは「プレイヤーズけいけんちプロモカード」と現在の公式サイトでは表記されています。
過去のシリーズで使用できるカード
私はプレイヤーズクラブのPLAYを持ったカードは、すべてプロモカードとして扱っています。
・・・
(一応理由は用意しますが)このように恣意的に判断してると言う話でした。だってプロモカードわからないから。
ぜんぜんわからない
雰囲気でやっている
次回、ナゾトキ「これはプロモ?プロモでは無い?」を書くかもです。