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トラペジウム見てきたメモ


正直CMとか前評判で「うーん。この映画は見ないな。」と思っていた。
アイドルも星街すいせいさんもほとんど知らなかったし、そういう層をひっかける作品だと思っていたので。
でもTLの中で複数人がトラペジウムを推していて、見に行くことにしました。トラペジウムを見てきたのでメモ。

しばらく気持ち悪い。

いつか破綻する。絶対破綻するってわかっているものの、破綻しないまま物語がしばらく進行する。東ゆうの、他人を慮れない思考もあまり大っぴらにならないまま物語が進行する。
これが長いんだ!
早くトラブルが起きて、東ゆうの事を知って、ひと悶着ありつつ仲直りをして欲しいのに、中々致命的なことが起きず、アイドルとしてデビューしてしまう。
いつ破綻しちゃうんだろうって不安な気持ちがたまるので、途中から「はよ、はよ…。楽にさせてくれ…。」って気持ちになった。特にパフォーマンスのシーンとか、アイドル衣装かわいいし、くるみちゃんのいっぱい体動かしてる感じとか、北さん歌うま!とか、東かわいい!とか、南、その衣装胸大丈夫か!声がいいな!とか絵的に楽しいシーンはあったんだけど、気持ちは「あぁ、もうしぬんだぁ…」って気持ちだった。素直にかわいいシーンを「かわいい!!」って見れなかった。

人を選ぶけど僕は面白かった。

こんな感じなので、人を選ぶと思う。でも、「もう限界」って黄色(くるみちゃん)と赤色(南さん)こぼしたあとの赤信号が写ってからやたら赤みのある画面が多くなって「あー!!限界!限界!限界きてますー!!」って感じも好き。
みんなでデビューしたのに東だけなかなかファンがつかなくて、焦っていらだって、今までやってこなかった「私はこんなに頑張ってるのに!」ってアピールをしたくなるぐらい弱ってるのも好き。
決定的に破綻したシーンのそれぞれの行動もみんな好き。

2周ぐらいしたくなる映画

なんでくるみちゃん、アイドルデビューからその先までも付き合ってくれたんだろう。ずっと前から「向いてない」「限界」まで言ってたのに…。とか
東の味噌汁に入ったアリへの対応、なんか変じゃない?とか
なんで北さん10年後の衣装が修道女なの?とか、初めて見たときよく理解しきれないところがあった。
終わってみると、「この子は表には出たくないけど、人のために結構無理して頑張れる子で、だからボランティア参加もできてたし、東ちゃんのためにも頑張ったんだろうなぁ。白衣を選んで自分を覆い隠せる衣装を選んでたのも、アイドル向いてないことの現れだったんだろうなぁ。」とか、「オーディションに落ちて落ちて落ちて、でも諦めきれない自分と、溺れてるアリを重ねてたのかな。誰も掬い上げてくれなかったから味噌汁ごと全部地面に捨てたのかな」とか、
「うわー、あいつ、この時点で後ろめたさがあったんじゃないか!罰せられたかったのか!?」とか、
自分の中でモヤモヤできるのが面白かった。
南さんは東ゆうを止められるぐらい強くて、面白い女の子なのでとっても好きなんだけど、お金が好きなだけ振り込んでくれるシステムをこどもに渡す親は多分異常なので、きっと南さんの思考回路もそれに応じた歪み方してるんだろうなと思っています。あの元気ハツラツなイメージのままでいて欲しい気持ちと、「実は何かあるんじゃないか。知りたい。」の気持ちがある。
1回流れを知ったうえで、だれかに注目してもう一周とかしたくなる映画だった。

雑感

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なんだったんだろうな。あのカメラマン。
初手女子高生の制服に興奮して、東と連絡先を交換して、東の他の3人にも見せてない気持ちの吐きだし先だったし、なんだったんだろう。

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東西南北メンバーに、早く東ゆうの本性をみんな知ってくれ!さっさと一回清算してくれ!と思ってた僕も、正直4人ともアイドルとして活動存続を期待してた節があったし、「かわいい女の子はアイドルとして活動してるのが幸せ」教にちょっと入ってたんじゃないかなぁ…。と思い反省した。

<その他>
東ゆうの熱量はぶっ壊れてて、いい影響も悪い影響もあったけど、4人とも自分を掴めて、交友関係も修復して、10年後もまた会えるって終わり方はよかった。反省と再出発の映画だったと思う。面白かった。僕は自分を掴めてません。

<学んだこと>
映画初期に沸く「主人公が〇〇できもちわるい」みたいな感想を出してるライターは信用しない方がいい。


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