【ポケスリ】きのみ得意のエナジー獲得量の分析(後編: ポケモンレベル別)
前編、中編に引き続き、きのみ得意ポケモンのエナジー効率についての分析です。
以下、再掲。
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各ポケモンのきのみエナジーは大きく以下の4つの要素によって決まります。
ポケモンの種族(例:トドゼルガかラッタか)
ポケモンの個体値(例:同じトドゼルガでも性格やサブスキルによる補正の違い)
ポケモンのレベル(例:同じ個体値のトドゼルガでもLv.30かLv.50か)
フィールドやチーム構成(例:同じ個体値・レベルのトドゼルガでも、好みのきのみ一致か、フィールドボーナスはいくつか、ヒーラーやお手伝いボーナス持ちがいるか、など)
このうち、各ポケモンの厳選や育成をどの程度するかに強く関わってくる1から3について、3回に分けてそれぞれ検討してみます。
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ここまで、「1」の種族値の分析を前編で、「2」の個体値の分析を中編で行いましたので、今回は最終回として「3」のレベル別の分析をしてみます。
そもそも、レベルアップときのみエナジー上昇の関係は?
ポケモンのレベルが上がるとそのポケモンが拾ってくるきのみのエナジーが増えるということは多くの人が知っていると思いますが、具体的にどのような法則(計算式)できのみエナジーが上昇するかを理解できている人はあまりいないかもしれません。
まず、「基礎値」というものが各きのみに割り当てられています。これは、ポケモンのレベルが1のときのきのみエナジーの値で、以下の画像の一覧のように定められています。ドラゴンのヤチェのみが最大の35、ひこうのシーヤのみやむしのラムのみが最小の24です。
ここからレベル上昇に応じてきのみのエナジーも増えるわけですが、レベルに応じたきのみエナジーは以下の計算式で決まります。(出典: ポケモンスリープ攻略・検証 Wiki)
各レベルごとのきのみのエナジー = MAX [ 基礎値 + (Lv-1), 基礎値 * 1.025 ^ (Lv-1) ]
複雑な計算式に見えますが、噛み砕いて見ていくと見た目ほどはややこしくありません。
まず、”Max”という関数は、カッコ内の候補のうち最大のものを選ぶ、という意味の関数です。
ここでは、①「基礎値 + (Lv-1)」と②「基礎値 * 1.025 ^ (Lv-1) 」のいずれかの計算結果のうち、数値が大きい方がそのレベルにおけるきのみエナジーとして採用されるということです。
※ 「*」は掛け算、「^」は累乗の意味です。
①は、レベルが1上がるごとにエナジーも1ずつ増えていく、という計算。(等差数列)
②は、レベルが1上がるごとにエナジーが1.025倍ずつ増えていく、という計算。(等比数列)
試しに、最も基礎エナジーが低いむしタイプ(ラムのみ)のポケモンがレベル10の時を考えてみます。
「基礎値 + (Lv-1)」= 24 + (10-1) = 33
「基礎値 * 1.025 ^ (Lv-1) 」= 25 * 1.025 ^ (10-1) = 30
従って、レベル10のときのラムのみのエナジーは、33と30の大きい方の値である33という数値になります。
もう1つ例として、同じくむしタイプのポケモンがレベル50の時を考えてみると、
「基礎値 + (Lv-1)」= 24 + (50-1) = 73
「基礎値 * 1.025 ^ (Lv-1) 」= 25 * 1.025 ^ (50-1) = 80.5
従って、レベル50のときのラムのみのエナジーは、73と80.5の大きい方の値である80.5という数値になります。
これをグラフで視覚的に示すと以下のようになります。
レベル40までは等差数列の方の計算式の値が大きくこちらが採用されるためレベルが上がるごとに1だけエナジーが増える直線。
レベル41からは等比数列の方の計算式の値が大きくこちらが採用されるため、せり上がるような曲線になります。
ちなみに、そもそもの基礎エナジーが高いきのみの方がこの「せり上がり」(等比数列が等差数列を超えるタイミング)が早く来ます。
例えば、最も基礎エナジーが高いヤチェのみだと、以下のようになりLv. 12までは足し算で直線的に増えますがLv. 13からは掛け算でせり上がるように増えていきます。
ラムのみとヤチェのみを並べて見てみるとこんな感じ。
レベルを上げるのに必要な経験値はレベルが上がるにつれて増えていきますが、レベルが上ったときのエナジーの上昇幅もレベルが上がるほど大きくなるように設計されているというわけです。
進化による強化とレベルアップによる強化の関係
前置き的な、レベル上昇とエナジー上昇の関係にすでに紙幅を割いてしまいましたが、ここからが本題。
ポケモンはレベルアップだけでなく進化によっても大幅に性能が強化されます。
きのみエナジーに関して言うと、進化によってお手伝いスピードが大幅に上昇するケースが多く、それにより同じきのみエナジーであってもお手伝い回数の上昇により全体のエナジーが増えます。
きのみエナジーに関して、レベルアップによる強化と進化による強化をまとめて見てみましょう。
例えば、ヒノアラシ系統。
ヒノアラシは基準お手伝い時間3,500秒なのに対してマグマラシは3,000秒と、約85%のお手伝い時間に短縮。
さらにマグマラシからバクフーンに進化すると2400秒となり、マグマラシよりもさらに80%のお手伝い時間に短縮。
よく、「進化を後回しにしてレベルアップを優先したほうが短期的にはエナジー効率が高くなるのでは?」という疑問を目にしますが、ヒノアラシ系統の場合、以下のようになり進化させたほうが明確に強いです。
マグマラシに進化できるLv. 11の状態のヒノアラシに、マグマラシ進化に必要な40個のあめをレベルアップに回すと、2レベルあげることができ、Lv. 13のヒノアラシに。レベルが2上がることによるエナジー効率の上昇は約6%。
一方で、マグマラシに進化させるとお手伝いスピードが約17%上昇。エナジー効率も単純に17%上昇。
マグマラシ→バクフーンも結論は変わりません。
すべてのポケモンについて調べたわけではありませんが、基本的にはあめはレベルアップではなく進化に使ったほうがエナジー効率は圧倒的に良いと思います。
きのみエナジーのレベルアップによる上昇と進化による上昇を重ねて見てみると以下のようになります。
ヒノアラシ系統が拾ってくるヒメリのみは、Lv.32でレベルアップによるエナジー上昇の「せり上がり」が始まることもあり、進化も含めてバクフーンになって以降のエナジー上昇が目覚ましいです。
ラッタは何レベルでLv. 33トドゼルガを超えるか?
それでは、今回の分析の最後として、前回の個体値の回にも比較をしたトドゼルガとラッタを見てみます。
両者きのみSがあり他は無補正だとした場合、Lv. 33のトドゼルガ(トドゼルガへの進化が可能な最低レベル)と同等のエナジーをラッタが稼ぐ場合にはラッタのレベルは何レベルであればよいのでしょうか?
分析してみると以下のチャートの様になりました。
+9レベルしてようやく追いつく、という結果になりました。
レベル上げがとても大変なポケモンスリープというゲームの性質を考えると、個人的には結構差があるなと感じます。
前編の記事で述べた通り、トドゼルガとラッタの種族値差は約24%。
これを個体値で埋めようとすると無補正トドゼルガに対してお手スピ上昇補正の性格 + お手スピMのサブスキルがラッタには必要。(中編参照)
これをレベルで埋めようとするとラッタには+9レベル必要(レベルによってこのギャップは異なりますが一つの目安として)
まとめと次回予告
今回はレベルアップや進化によるきのみエナジー上昇の仕組みやエナジー上昇の程度を解説・分析してみました。
また、これまで見てきた種族値、個体値、レベルというきのみエナジーに影響を与える3つの要素の間の関係について、トドゼルガとラッタの比較で少し具体的に見てみました。
トドゼルガとラッタぐらい種族値差があるポケモンだと、そのギャップを埋めるためには個体値やレベルアップでかなり頑張る必要があるな、というのが個人的な印象でした。
次回ですが、食材エナジーの分析もしくは今回のきのみエナジー分析の補足を予定しています。
前者については、上級レシピであるかどうかやレシピレベルの高低によってどの程度食材のエナジー効率が変わるかの分析をすることを考えています。きのみタイプのポケモンはとりあえずチームに入れておけば放っておいてもエナジーを安定して稼いでくれるのに対して、食材タイプのポケモンはプライヤーの運用の巧拙でかなりエナジー効率が変わるポケモンだと個人的に思っているので、そこら辺を定量的・視覚的に示せると面白そうだなと思っています。
後者については、今回見た通りレベルが上がるごとに1レベル上がるのに必要な経験値は増える一方で、1レベル上がるごとのエナジー上昇幅も上がります。そうすると、当然の疑問としてあるのは経験値あたりのエナジー上昇効率はレベルアップに伴いどう変化するのか、という点。
1匹目にベットして育成をし続けるのがいいのか、ある程度育てると育成による恩恵が得にくくなるので2匹目にシフトしたほうがいいのか、という点についての示唆にもなると思っています。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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