見出し画像

知将同士の熱戦!!〜2025年第2節川崎戦〜

まず結果は1-1で引き分け!
前半は45分間ほとんどレイソルが敵陣に押し込んで試合を支配する流れでしたが、後半開始早々に失点…
ですが、10分経たずに同点に追い付く試合でした🔥

さあ、これまで同様に試合内容について書いていきたいと思います。

[追記 : 個人的に好きな両監督の対決なので長くなりました😇😇]

▶メンバー発表

レイソルのベースフォーメーションは3-4-3予想!
メンバー表的には4バックの可能性もあるのでは…??と言った感じですが前節と同様の形。

メンバーは右WBの久保、左AMの仲間がそれぞれジエゴ、渡井と替わる形に。
言ってしまえば福岡戦後半27分(72分)以降とほぼ同じですね。
(CFは細谷のまま…)

注目選手は前回取り上げたRHV原田亘!!
そして、開幕してから世間に見つかり始めてるCM熊坂光希の2人です。
リカルドレイソルのビルドアップの軸と言っても良いこの2人…

大苦手の川崎フロンターレ、そして大苦手の長谷部茂利監督相手にどこまで脅威を与える事が出来るのか…!!!!


▶川崎フロンターレの戦略・戦術

今季の川崎フロンターレ、ACLEが2試合とリーグ戦1試合の計3試合があったので3試合とも観させていただきました。

試合結果としては
[ACLE]🆚🇰🇷浦項(A) 4-0⚪️
[J1]🆚名古屋(H) 4-0⚪️
[ACLE]🆚🇦🇺CCマリナーズ(H) 2-0 ⚪️
3戦3勝0分0敗 10得点0失点

この結果からも分かる通り、23年,24年シーズンの鬼木体制末期から心機一転、長谷部体制になったことで攻守両面での劇的な変化が見られました。


・長谷部体制の川崎フロンターレ(事前スカウティング編)

当アカウントが過去2回のnoteで書いた
『サッカーは攻守一体』
『長谷部茂利監督はポジショナル志向』
というワードがありました。

その中でも今年の🐬長谷部フロンターレで抑えるべきポイントとしては
・4-2-3-1をベースとし、非保持では4-4-2セット
・ハイラインでのセットディフェンス、そこからのハイプレス移行
・ビルドアップ時の幅と奥行の2点の意識
・相手を完全に押し込む敵陣保持
が主なポイントかと思います。

2/15(土) J1第1節名古屋戦のスタートメンバー


長谷部茂利監督が率いる今季の川崎フロンターレ。
先程挙げたポイントを踏まえて試合を観ていくと、圧倒的に敵陣でプレーをする時間が多いことに気付きます。

【保持の局面】
CF山田新の強靭なフィジカルを利用したポストプレーで時間を作る事が出来る上に、両WGには広く幅をとる上に裏へのスプリントで相手の最終ラインを押し下げてきます。

敵陣に侵入してからはペースを落としてポゼッションをし、相手に守備をする時間を長くさせる。
味方が陣形を整えてボール保持をしてきます。


【非保持の局面】
基本的にはハイラインで構えつつ、前線の選手も前から積極的にプレッシングを掛けて相手のGKやCBにもプレッシャーを掛けてきます。

そして放り込んできたボールに対しては🇯🇵日本代表にも選出されているRCB高井幸大が待ち構えていていると言った構造。

攻守の切り替えのところでも意識付けがかなりされていて、ボールをロストしても敵陣に押し込んでいるので即時奪回のプレス(ゲーゲンプレス)を積極的に掛けてくる印象です。

ここまで事前分析をしていて思ったことが…

「あれ??リカルドレイソルと似てない?」

そうなんです。
細かい部分の違いはありますが、大枠で見るとかなり似た構造をしています…

似ている点を分かりやすくまとめるならば…⬇️
・ペースを落としたポゼッション
・ハイラインでセットし、積極的に前からプレスを掛ける非保持
・切り替えの部分の意識を強めた即時奪回
・相手を押し込んでプレーをする時間を多く作ろうとする(自分達で相手を動かして試合を支配する)

そんな長谷部フロンターレ🐬
ここからは要注意選手と弱点の部分をフォーカスして見てみましょう…


・川崎フロンターレの危険人物は?

そして今年の川崎フロンターレの1番注意しなくてはならないのがCMを務める山本 悠樹という選手。

この選手は2024年度冬にガンバ大阪から川崎に移籍してきた選手です。
そして今もG大阪で指揮を執っているダニエル・ポヤトス監督の指導を受けています。
Jリーグの選手の中でも数少ない『ポジショナルプレーへの適性がある日本人選手』の1人として挙げられます。

この山本選手、G大阪在籍時にダニエル・ポヤトス監督からは

「悠樹が中心となって色々なタスクを担い、チームを動かして行ってくれる。一言で言うと『エンドレナドール・デントロ・ド・カンポ(ピッチ上の監督)』だね」

という評価を受けています。
他にも山本選手のインタビュー等を見ていても、とても言語化する能力に優れている人物だと捉えられます。

この山本選手が川崎のビルドアップ時や敵陣侵入後のタスクに大きく関わっています。
レイソルとしてはこの山本選手をどのようにケアをして、思うようなプレーをさせないようにするのか。

この山本選手への対応が川崎戦のキーポイントでした。


・今季の川崎フロンターレの弱点は…?

ここまでは長谷部フロンターレの戦術的なポイントや、要注意選手について触れてきました。
ですが、リカルドレイソルと同じく長谷部体制はまだ1年目。

まだまだ戦術の浸透度や徹底性は高くはありません……
今季の3試合を見ても長谷部フロンターレの弱点は少なからず存在していました。

その中でも挙げられるのは4-4-2セット時とハイプレス移行時もどちらの局面でも1stプレスの点。
1stプレスとは大まかに言うと最前線に位置する選手の守備です。

1stプレスには何が求められるのか…!!!
・チームとして追い込みたいところへの相手の誘導
・相手のGKやCBなどにプレスをかけてフリーで蹴らせない事

という2点が主なタスクになります。
簡単に言うならば『相手の攻め方を限定させる役割』ですね。

そして相手のGKやCBがフリーでボールを蹴る事が出来るとどうなるのか…
当然プレッシャーの掛かっていないフリーの状態であれば、プロレベルの選手なら大抵が高精度のボールを蹴ることが出来るでしょう。

では川崎はこの1stプレスの部分でどのような問題が起きているのか…
《2CFのプレッシングが不十分な事が多く、相手のCBがフリーで蹴ることが多くあった》

今の川崎では最初にも書いた通り、AM脇坂がCFの位置に入り4-2-3-1ベースから4-4-2でのセットに切り替わります。
なので、レイソルのボール保持時はちばぎんカップと同じく、3バックでのビルドアップvs川崎の2CFによる1st DFという構図になるでしょう。

福岡戦ではウェリントンの1st DFが1枚しかいない事でRHV原田亘が高い位置をとり、杉岡と古賀の2枚で最終ラインでのビルドアップを行いましたが、川崎戦ではまた違った形のビルドアップとなるでしょう。

以上、戦前の注目ポイントでした!!!!


▶敵陣で保持し続けた前半、そして試合が動いた後半…

前半からかなり見所が多い試合だったかと思います。
試合前にも挙げた『どれだけ相手陣地でプレー出来るのか』というのがこの試合のポイントでした。

そのポイントをクリアするかの如く、前半は柏が多く川崎陣内でプレーする時間が多く作ることが出来ました。
そこには本日スタメンに選ばれた左WBジエゴとAM渡井理己の活躍がありました…


・左サイドの活性化

ちばぎんカップ、開幕の福岡戦の2試合で課題点として挙げた左サイドでのビルドアップに変化がありました。

今日は左サイドの2人が前2試合と入れ替わる形に…
WBジエゴとAM渡井がスタメンに起用されました。

今までの2試合では
・左HV杉岡のポジショニングが中すぎる事や外を向けないこと
・左WB小屋松のポジションが高すぎること
この2点が主な理由で、左サイドでのビルドアップが上手くいっていませんでした。

ですが、今日の川崎戦は違いました…
杉岡が外を向く意識が増えた事、ジエゴと渡井が左サイドで下がってきてビルドアップに加わることが多くあり前半から左からの前進の回数も増えていました。


・AM小泉佳穂の絶妙なポジショニングとそれにより生まれた得点

本日フル出場をした上に貴重な同点弾を決めた小泉佳穂。
この得点シーンでもそうでしたが、小泉のポジショニング良い…!!!

得点シーンでは久保→小泉→久保→小泉の流れで決めましたが、最初に小泉が受けたポジショニングが最高の起点となりました⬇️⬇️

まずはこの久保が大外で原田からのパスを受けて前に運んだシーン。

小泉は久保からのパスを受ける時に川崎CM山本、CB丸山、SB三浦の3人の間のポジションに立っていました。

本来であれば、小泉がこのポジションで受けても川崎はLCB丸山がチャレンジをし、RCB高井とLB三浦でカバーポジションに入る事が出来れば難なく防げたシーンでしたが…

「川崎も長谷部体制1年目」
まだまだ戦術の浸透度や徹底性が低く、誰が小泉にアタックするのかが曖昧になった結果、受けたところで一気に3人を引きつける事に!!

小泉の間で受けるポジショニングで3人を引き付けた結果、特にSB三浦を引き付けたことで久保がフリーになることが出来ました。

こうして小泉が3人を引き付け、LB三浦を引き付けた事で大外のスペースが大きく空くことに…

小泉はスペースにボールを出した事で久保は完全フリーな状態でボールを受けPA内まで運ぶ事が出来ました。

1stプレスの話でも書いた通り、ボール保持者をフリーにしてしまえば高精度のボールが入ってくる上に目線を上げた状態でプレー出来るため、久保はピンポイントのクロスを上げることが出来たということです👏👏

まさに小泉が3人の間で受けた事から始まった得点でした!!!!


・繋ぎにいくコーナーキック

今季のリカルドレイソル。
昨季までのレイソルとは違いコーナーキックを繋ぐことがほとんどとなりました。

では何故繋ぐことを選択しているのか…??

『カウンターを受けるリスクが低いから』

これが大きな理由の1つかと思います。
(今のレイソルに高さがある選手がいない事も理由の1つ...)

何故ショートコーナーを選択するとカウンターリスクが低くなるのか...???

コーナーキックではマンツーマンにしろゾーンにしろゴールエリアやゴールエリア幅に攻撃側も守備側も密集します。

そうなるとGKのプレーエリアさえ確保すれば、GKがキャッチをして相手の攻撃を終了させられると同時に、スローイングでもキックでも自分達の攻撃(カウンター)を開始することが可能となります。

まさにGKがプレーエリアを確保して、キャッチしたことがカウンターを開始したのが、2018年W杯🇯🇵日本代表の🇧🇪ベルギー戦で起きた《ロストフの14秒》でした。

そのGKによるキャッチから始まるカウンター、そのリスクを無くすために、リカルドレイソルではショートコーナーを使っていると推測します。

ただ、いくらショートコーナーをデザインしたところで、全てショートコーナーでは相手が対策出来るでしょう…

だからこそ!!!29分の小屋松のような、相手GKが絶対に出られない位置へのデザインされたコーナーキックの形も有効になるのです。

リカルドレイソル、保持や非保持や切り替え(トランジション)などの『4局面』の変化に注目されていますが、セットプレーの形に関しても今後注目して見ていくと面白いかもしれません…✨✨


▶戦略の継続、そして戦術の柔軟性が見えた守備

リカルドレイソルになり前からプレスを掛けて相手選手、CBやGKにも自由を与えさせない守備をすることがチームの戦略として徹底していることが今日の川崎戦で証明されました。

千葉戦や福岡戦でもハイラインを敷き、前からのハイプレスで相手ボール保持者に対してプレッシャーを掛けることを徹底していましたが、今日の川崎戦もそれを貫きました。

ですがそのハイプレス。千葉戦と福岡戦とは違った形のプレッシングを実行していた事で、リカルドロドリゲス監督が相手の構造や選手の特徴を考えて戦術を構築出来る柔軟さを持っていることも証明しました。


・1stプレスの変化と追い込み方

今日の対戦相手の川崎フロンターレ。
言わずもがな昨季から活躍しているCF山田新は注意すべき選手の1人として挙げられます。

この山田新、何を警戒すべきかと言うと強靭なフィジカルを活かしたポストプレーからの味方への落としや強引に前を向く事が1番警戒すべきプレーです。

言うならば相手CFに細谷真大がいるイメージですね。
(山田と細谷はかなり似たタイプのCF...)


そして僕が挙げたCM山本悠樹も警戒しなければいけない選手。
つまりは🐬川崎は中央にJ1トップクラスのクオリティを備えた選手がいるチーム...

今季のレイソルは最前線細谷が1列下がり、AMの仲間-小泉が1stプレッサーとして相手CB,GKに外を切るようにプレスを掛けていましたが、今日は違いました。

基本的な構造はこのような形。
CM山本に対しては細谷がマンツーマンで付き、CM河原には原川が付く形、ここは過去2試合と同じでした。

そして1番の変化は渡井-小泉による1stプレスの形。
今日のレイソルは川崎に対して中切り外嵌めのプレスの形を採用。
その中でも特にレイソルの左サイド側(川崎では右サイド側)に追い込むプレスの形を嵌め方として何回もこのプレッシングを実行していました。

柏レイソルが中切り外嵌めのプレスを採用したのかは、川崎が中央にクオリティが高い選手がいる事が挙げられますが...
何故左サイドに追い込むようにしたのか??

個人的には
・川崎の両WGの身長
・CB高井幸大の足元の技術の低さ
の2点が大きな要因だと推測しています。

まず両WGの身長差、左WGマルシーニョが173cmに対して右WG伊藤達哉は167cm。
相手を追い込んでハイボールの競り合いになるならば右WG伊藤の方が空中戦勝率は高くなると言えるでしょう。

そしてCB高井幸大の足元の技術の低さ。
昨季にもトラップやパスのミスが目立っていましたが、今日も実際そのミスが何回も起きていた...

これをリカルドは意図的に狙い撃ったのではないかなと思います。


・再確認された古賀太陽の偉大さ

レイソルが中切り外嵌めのプレスを仕掛ける中でも、100%で外に誘導することが出来るとは限りません。
なのでCB古賀🆚CF山田の局面は必ず起きてしまいます。

空中戦や山田新のポストプレーの局面が多くありましたが、その中でも相手にしっかりと密着して自由にプレーをさせないようにして前半ほとんど山田新を完封していた古賀太陽…

ミスから招いた山田新との1対1のピンチの局面も無理なアタックをしないで遅らせた上に下げさせたり、マルシーニョとの1対1もあえて中に誘導してシュートを撃たせてブロックするなど正しい守備対応で何回もピンチを難なく処理した古賀...

古賀太陽...古賀太陽...古賀対応......

まさに守備の要と言える活躍でした。

余談にはなりますが、昨季にも古賀がいなかった(H).東京ヴェルディ戦でレイソルの守備崩壊が起きてしまった事、それこそが古賀の貢献度の高さを証明してしまった試合でした...


・チームベースの部分が露呈し始めた試合終盤...

先制されるも小泉の得点で同点に追い付いた柏レイソル☀️
この時点で昨年までのレイソルとは一味違うことを証明していました。

ですが、千葉戦や福岡戦と違いリードしていない状態での80分以降は少し押される展開も……
スコアに余裕があった千葉戦とは違い、前節の福岡戦と今節川崎戦も2CMの原川-熊坂を交代させませんでした。

前節は自分達がペースを落としてゲームクローズする事が出来ましたが、今節は同点の状況。

福岡戦のように相手がプレスを掛けてきたタイミングで擬似カウンターで相手ゴールまで迫るのではなく、どうしてもチーム全体として攻めにいかなければいけない試合展開で迎える終盤戦には原川と熊坂の運動量の低下が響いていました。

対する川崎は62分に河原を下げ橘田を投入。
橘田選手自体が運動量豊富な選手ということもあり、試合最終盤には中盤のところで運ばれる事やプレスバックが間に合わない事などが何回か起きていました…

明らかに運動量が落ちている中でも白井が投入されなかったのは1つの疑問ですが、リカルドからの信頼を勝ち取っていないのか他の理由があるのか…?

今後柏レイソルが上位争いを続ける事が出来るのかは原川-熊坂の2CMの交代要員を用意出来るのかという点もキーになるでしょう…!🔥🔥


▶最後に...

リカルド・ロドリゲス監督を招聘した新生柏レイソルの最初の鬼門とも言える長谷部茂利監督率いる川崎フロンターレ。

長谷部茂利監督も、川崎フロンターレも大苦手の柏レイソル。
勝つ事は出来ませんでしたが、昨季以前とは違うチームという事を証明してくれました。

引き分けでホーム開幕戦を勝ち点1で終えたとは言えど、ポジティブ要素が多かった試合。

・次節セレッソ大阪戦...

次は昨季リーグ戦4位のガンバ大阪を相手に大阪ダービーで5-2で大勝をした🌸セレッソ大阪。

セレッソ大阪も柏、福岡、川崎と同じく新監督を迎えたチームの1つ。
大阪ダービーを見た印象としてはポステコグルー政権時の🇫🇷横浜F・マリノスにかなり近いチームといった感じ...

ワイドに張る両WG、中をとるSB、ワンタッチなどの高い技術でのプレス回避、流動的かつ早いテンポのパスワークが特徴の今季のセレッソ。
今季初の水曜日開催で、中3日の試合にはなりますが次こそ勝ち点3を...!!!

・おまけ

「古賀太陽」と「古賀対応」
DAZNとかで実況聞いてると本当にどっちか分からなくなりますよね...(知らん)

まあそんな事は置いといて...
やっぱり今季のレイソルって見てて楽しいよね。
みんな生き生きとしてるし、見てる側としても積極的に相手ゴールに迫るサッカーだから盛り上がる!!

あとは熊坂みたいないきなりブレイクする選手も出てくるし、補強もどんぴしゃりだし今後ブレイクしてくる選手が出てくるのか楽しみすぎますね😸😸

ということで水曜はセレッソ戦ということで気合入れていきましょう。

「桜は散る時こそが1番美しい」(←懲りてない奴)

いいなと思ったら応援しよう!