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柏レイソル2025年開幕!!〜ちばぎんカップ編〜
ということで2025年が開幕しました。
結果の方は言うまでもなく3-0勝利ということで、試合内容の方を振り返っていきたいと思います。
▶メンバー発表
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GK小島、LHV杉岡、RHV原田、RW久保、LCM原川、LAM仲間、RAM小泉というスタメン11人中7人が新加入選手という新生柏レイソル。
個人的な1番のサプライズはRCM熊坂光希のスタメン起用でした。
昨季の印象が大きく残っていたので不安なところがありつつも、185cmという大型CMとして楽しみな選手!!
▶ボール保持面の変化
まずパッと見で感じたことは
・ショートパスを用いたパスワーク
・GKやCBからの縦パス
・両WBを使った前進
というところが大きいのかなと思います。
これを1つずつ紐解いていきましょう…
・ショートパスを用いたパスワーク
について触れていきたいと思います。
シーズン前にリカルド・ロドリゲス監督が目指しているサッカーの話において
「自分たちでボールを保持して相手を動かす攻撃的なサッカーの展開」
という言葉がありましたが、その中でも再三当アカウントが言っていたことは……
『ポジショナルプレー』
そもそも「ポジショナルプレーとは…?」という方もいると思いますが、簡単に言ってしまうと
『攻撃でも守備でも味方のサポートにもなりつつ相手にとって脅威と感じるポジションに立ってプレーをしましょう!』
といった感じです。
(厳密に言うともっと色々な解釈の仕方だったり細かい事がありますが…)
そのリカルド・ロドリゲス監督が志向するポジショナルの文脈でのポジショニングを実践出来ることで何が起きるのか……
選手同士が適切な距離感を保ちつつ、相手が効果的と思えるポジション( = 適切な立ち位置)に立ってプレーが出来ます。
その結果、適切な距離感が生まれることでパスが繋がりやすくなります。
更に相手が効果的と思えるポジションに立っていることでチーム全体がボールと共に前進する事が出来ます。
まさに今日の前半の柏レイソルはポジショナルプレーを実践した結果、あの見事なショートパスを多用したパスワークが生まれ「自分たちでボールを保持して相手を動かす攻撃的なサッカーの展開」を体現していたとも言える内容でした。
・GKやCBからの縦パス
昨季の柏レイソルと見比べて明らかに増えていたのは縦パスの数。
昨季の柏レイソルでの縦パスといえばCFに向かって放り込むようなボールが多かった印象ですが、今年の柏レイソルはチームが前進するため、相手のプレスを回避しつつボールを繋ぐためのGK、CBからの縦パスが入っていました。
ここで注目すべきなのは縦パスを入れる際の2CM原川-熊坂のポジショニング。
本日の試合であったGKを用いたビルドアップを1つ抽出してみます。
まず頭にいれるべきなのはジェフの守備組織。
4-4-2ベースとしてCFがスイッチャーとなってマンツーマンでのハイプレスを再三仕掛けてきました。
ここで重要なのはマンツーマンで来るということ。
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2CMの熊坂-原川が相手CFの斜め後ろに立ちながらポジションを落とすことで、ジェフとしては熊坂-原川のケアをしなければいけません。
(この2人をフリーにさせると簡単にGK→CMでかわされてしまう)
そのため、ジェフは同じく2CMをそのまま熊坂-原川に対してマンツーマンで着いていく形でした。
そのためジェフの2CMが熊坂-原川に着いていくと、ジェフはCBとCMの間に広大なスペースが生じます。
これをリカルドレイソルは逃さない。
GK小島からの正確なフィードで一気に最前線の細谷へ!!!!
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ここで光るのが細谷真大のポストプレー能力の高さ。
相手CBを背負いながら収められる細谷のクオリティを最大限に活かしたプレス回避の形でした。
そしてジェフの最終ラインと2列目には大きなスペースが生じている状態…
細谷の下にはLAM仲間とRAM小泉がポジションを取っていて、この2人に落として擬似カウンターで一気に相手ゴール前まで迫る形が見受けられました。
・両WBを使った前進
今年の柏レイソルで1番大きな変化はサイド(WB)を使った前進の形かなと思います。
基本的な構造としては両WBの小屋松、久保はタッチライン際に張る事が多く、自陣からの前進時にWBがボールを引き出すのは大外での上下動が主となっていました。
そのWBの役割。結果から言ってしまえば後半からジエゴ&中島が投入されてからは上手く前進する事が出来ませんでした。
そのため相対的に小屋松&久保のボールを引き出すポジショニングの上手さが際立つ事に……
先程と同じく本日の試合であったビルドアップの1例を挙げてみます。
ベースのビルドアップ時はこのような形
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3CBでのボール保持が多く、相手のプレスや味方の状況次第でGKもビルドアップに関わって4バックのような形でのビルドアップを行う事も…
ですがここでテーマ通りの大外に構えるWBが重要になってきます。
WBが大外に張っている事でボールの出口というのを外に設定出来ます。
そのためHV(杉岡&原田)からのWBへの形や、2CMを用いてレイオフの形(中→外)でWBに展開する形が多く見受けられました。
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このWBを用いた前進から再三のチャンスを生み出した柏レイソル。
ですが1つ課題点が……
左サイドの前進があまり上手くいっていなかった。
それが何故なのか…
LWB小屋松が高い位置に張りすぎている上に、LHV杉岡のポジションが中すぎる事でLHV→LWBのコースをジェフRWに消されてしまっていた事が原因。
右サイドではHV原田、CM熊坂、RW久保が『適切な立ち位置』『適切な距離感』でポジションをとっているおかげでクリーンな前進が出来ていましたが…
左サイドでは『適切な立ち位置』『適切な距離感』を保てていなかった。
ここは第1節福岡戦以降に修正されていくのか注目して見ていきたいポイントの1つとしましょう!!(ポジティブ?)
▶ボール非保持面の変化
昨季の柏レイソルは4-4-2でセットし、相手がアクションを起こしてからプレスを掛け始める形でした。
ですが、今季の柏レイソルは保持面と同じく非保持面でも大きな変化!!
主な変化としては
・ベースの構造
・即時奪回のハイプレス
の2つになります。ここも細かく紐解いていきます。
・非保持面のベース構造について
今試合ではベースフォーメーションは3-4-3の形となっていましたが、非保持時では少し形が変わりました。
それはCFの細谷が1列下がり、AMの小泉と仲間が最前線に入り2CF化するということ。
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分かりやすくするためにフォーメーション番号で言えば
3-4-3 (3-4-2-1)
↓
3-4-1-2
のような形に変化します。
1列下がった細谷は相手CMにマンツーマンで着き、最前線の仲間と小泉は相手GKにまでプレッシングを行っていました。
J1にはGKでも正確なキックを蹴れる選手が多く在籍しています。(自軍の小島亨介を見ながら…)
そのため相手GKまでもプレスに行き、自由に蹴らせないということはとても重要です。
ですがここで1つ課題点に挙げられる事が。
今日のレイソルはジェフのGKに対して『外切り中嵌め』でのプレスを狙っているように見えました。
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実際にも1stプレッサーの仲間と小泉が上手く外を切って、中に追い込んだ事でCMの原川と熊坂が中で相手を潰し切りショートカウンターで決定機を作るシーンがありました。
ですが、この1stプレスが簡単にかわされてしまう事が多かった……
外切りでの1stプレスを簡単に回避されてしまうと、基本的に相手SBがフリーな状態でボールを運べてしまうのでWBの小屋松、久保が前に出て対応するのか、そのまま相手WGに着いたままにするのかという迷いが生じてしまいます。
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先程言った通り、相手に自由に蹴らせないということを実行するためにはプレスに出なければいけません。
ですが、レイソルは前半から何度も外切りプレスが簡単にかわされた事で、相手SBがフリーで対角へのボールやCFの裏抜けを狙ったボールをフリーで蹴らせることを許していました。
『1stプレスがハマらないと後ろの選手が苦労する事になる』
サッカーの守備はDFの選手だけではなく、FWの選手も大事ということですね。
特に現代サッカーではFWにも守備能力が求められる時代なので、カタールW杯でのメッシのようなパターンは本当にごく稀と言えます。
・即時奪回のハイプレス
まず、即時奪回のハイプレスとは何か。
いわゆる『ゲーゲンプレス』というものになります。
影山優佳さんの「あなたのハートにゲーゲンプレス♡」という言葉で1度は聞いたことがあると思います。(影山優佳さんってめっちゃ可愛いよね(爆))
そのゲーゲンプレス、ドルトムントやリヴァプールでも監督を務めたユルゲン・クロップ氏が有名にしました。
海外サッカーを観る方々なら分かると思いますが、ゲーゲンプレスについては今の五大リーグでは多くのクラブが標準装備として戦術を実行出来ます。
まさに基本中の基本と言っても良いレベル。
このゲーゲンプレスですが、1つ発動条件のようなものがあります。
『ボールロストした時に、味方選手がボールの近くにいつつ陣形が整っていること』
何故ボールの近くで味方の陣形が整っていなければ発動出来ないのか。
答えは簡単です。人数が足りず不完全なプレスだと容易にかわされて、むしろピンチを迎えるリスクが大きいから。
井原レイソルでゲーゲンプレスの形が全く見られなかったのはこれが主な原因と言えます。
では逆に何故、リカルド体制になっていきなりゲーゲンプレスを発動することが出来たのか。
その理由が保持面の変化で書いたリカルド・ロドリゲス監督が志向する『ポジショナルプレー』が理由に挙げられます。
ポジショナルプレーは味方同士の適切な立ち位置と適切な距離感が重要であり、それが実行出来ていなければ成り立ちません。
では適切な立ち位置と適切な距離感が保てていれば何が起こるのか。
ボールをロストしたとしても味方同士が適切な立ち位置かつ適切な距離感に立っている事で、ゲーゲンプレスを掛けても完全に嵌っている状態をすぐ作り出せる。
そのためポジショナルプレーとは攻撃をしながら守備をしている状況、逆に言えば守備をしながら攻撃をしている状況を作り出しているという事になります。
この事から柏レイソルがボールロストしても即時奪回のハイプレスを仕掛けて、またすぐにマイボールの時間を作る事が出来た理由が紐解けたかなと思います。
▶まとめ
柏レイソルちばぎんカップ優勝!!!!
3-0という内容としても結果としても危なげない試合で、久しぶりに試合終盤になっても安心して観ていられました。
欲を言えば3-0になってからゲームのテンポを落として、ゲームクローズをする戦い方だったり交代メンバーを入れたところで違う戦い方を出来るゲームプランの柔軟さなどが付いてくれば文句なし!と言った感じなのですがそれは27-28シーズンら辺にまた期待しましょう。
・余談のコーナー
ということで残り三冠を目指す戦いが来週末から始まります。
まずはアウェイ福岡戦、そしてホーム川崎戦とホームセレッソ戦。
昨季は残留争い候補の京都と磐田、相性が何故か異常に良い神戸が開幕3試合で2勝1分となりましたが…
今季は決して相性が良い方とは言えない🐬川崎と🌸セレッソ、そして近年あまり勝てていない🐝福岡
特に川崎は大苦手の長谷部茂利監督が今季から就任した事で、より一層手が付けられない状態になっていてもおかしくないのかなと…
(大苦手なチーム相手に大苦手な監督ってどうすればいいんや…)
ちなみに長谷部茂利監督もリカルド・ロドリゲス監督やガンバ大阪のダニエル・ポヤトス監督と同じく『ポジショナル』を志向している監督です。
同じポジショナルでもボール保持の仕方だったり、非保持のプレスの掛け方や考え方が違うのもまた面白い話……
まあセレッソ戦はね、うん。
やっぱり桜は散るときが1番綺麗じゃん??って話なのでね(意味不明)
何はともあれ、国内四冠の可能性が残されているのは土曜日にスーパーカップ優勝したサンフレッチェ広島と、ちばぎんカップ優勝の我らが柏レイソルの2クラブに絞られたということで国内四冠を目指す戦いに注目していきましょう🔥🔥